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最近のUK音楽シーン気になったことまとめ(2021年2月第1週目編)

最近の音楽シーンを追いかけてはいるものの、とにかく情報量が早くなかなか全部を追いかけるのは難しいというのが本音です。なので、せめて自分が気になったことだけでも忘備録的に書き留めておくために今回、記事プレイリスト的なものを作成してみました。

記事プレイリスト化対象となるのは自分が好きなUKの音楽シーン。記事公開の前週に起きたタイムリーなニュースから、その週に自分が知り得た情報、または新譜でなくともUK音楽シーンの作品など気になったものなど、メディアに寄稿したものや自分のブログ用に執筆したものなどをこれから定期的にまとめていこうと思います。

というわけでJun Fukunagaによる記念すべき「最近のUK音楽シーン気になったことまとめ」第1回目は「2021年2月第1週目」に自分が見知った事柄です。

Charli XCX、SOPHIEの死を悼み、NASAに"ある惑星"の名変更を求める嘆願書への署名をファンに呼びかける

イギリスを代表するポップスター(今の流行で言うならHyperpopのスターでもある)、Charli XCXが、かねてから親交があったSOPHIEの死を悼み、NASAに"ある惑星"の名変更を求める嘆願書への署名をファンに呼びかけました。

この署名は、SOPHIEが2021年1月末に不慮の事故で亡くなったことを受け、彼女のファン(と思われる人物)がchange.orgで立ち上げたオンライン署名活動で、これまでの彼女の偉業(音楽的なものからLGBTQIA+コミュニティへの影響など)を称え、2018年にリリースしたデビューアルバム『Oil of Every Pearl's Un-Insides』のカバーアートのデザインが、「TOI-1338 b」という惑星に似ていることから、惑星の名称を"SOPHIEにちなんだもの"に変更するように求めるというもの。

それを受けて、Charli XCXは、自身のファンに向けてSNS上でこの署名活動への参加を求めました。

The KLF、名盤『Chill Out』を元にした新作アルバム『Come Down Dawn』リリース!

UKダンスシーンが誇るレジェンドの一角で、今年元旦に過去の名曲をコンパイルしたコンピアルバム『Solid State Logik 1』(「3 A.M. Eternal」などかの"スタジアムハウス三部作"も収録)をリリースしていたThe KLFが、新たにサプライズでアルバム『Come Down Dawn』をリリースしました。

『Come Down Dawn』は、The KLFが1990年にリリースしたチルアウト/バレアリック系のアルバム『Chill Out』の"プレミックス"バージョンと本人たちが称していることから、カッコ付きの"新作"というべき作品。ざっくりその"プレミックス"の正体を説明すると『Chill Out』で使用されていたElvis Presley「IntheGhetto」など、いわゆる著作権的に危ないサンプリングネタがカットされたバージョンに尽きると思います。

ちなみに『Come Down Dawn』自体は1989年に別名義の別名義のThe Justified Ancients of Mu Muとしてライブレコーディングされたものとのこと。ユニット名の由来のひとつとされる「Kopyright Liberation Front」(著作権解放戦線)も、さすがに今の時代のデジタルコピーライトトレーシングな状況には日和ったということなのでしょうか?(多分そんなことはない)

本作はすでにリリースが予告されているThe KLFと関連名義でリリースされた過去のカタログを網羅する5つのリリースプロジェクトの一環で、今後も順不同ながら"Kick Out The JAMs"、"Pure Trance Series"、"Moody Boys Selection"といった過去のThe KLF関連曲リリースが行われます。記事では自分が好きなThe KLFの奇人エピソードにも触れています。

イギリスでUKGとグライムをモチーフにしたスニーカー「Air Max 90 Garage/Grime」発売

なんともイギリスらしい話です。同国のスニーカーを中心にストリートウェアを取り扱うチェーン「size?」が、NIKEの「Air Max 90」をベースに、イギリス発祥のUKガラージとグライムをモチーフにした別注スニーカー「Air Max 90 Garage/Grime」を発売しました。

購入方法は「size?」のアプリから抽選に応募の上、当選すれば買えるというスニーカーヘッズの間ではよくあるスタイルでの販売で、自分も運試しとばかりに抽選に応募してみました。ちなみにイギリスから日本への送料は17.99ポンド(約2600円)の模様。当たればいいなぁ〜と思っているので、当選して手元に届いた際には"開封の儀"レビューもやってみたいと思います。

Skreamがダブステップの名曲「Midnight Request Line」のVIP Mixをリリース

UKダブステップのパイオニアとして知られるSkreamが、今月のBandcamp Fridayにあわせて、昨年から不定期にリリースしてきた自身のダブステップ時代の未発表レア音源集『Unreleased Classics』の第3弾をリリース。シリーズ最終作となる同作の目玉はなんと言っても、本人の「最後に最高のものを持ってきた」という言葉どおり、代表曲「Midnight Request Line」のVIPバージョンが収録されている点です。

その「Requestline VIP」は、元々は同郷で同世代のダブステップDJ/プロデューサー、Youngstaのためのエクスクルーシヴとして制作されたもの。あの頃のUKダブステップヘッズにとってはなんとも胸アツな1曲です。余談ですがこの記事の最後では、先週、発見したUKダブステップの歴史を解説する動画、その名も「All My Homies Hate Skrillex | A story about what happened with dubstep.」といういかにもなヤツについても触れています。

ロンドンのMC、Lady Lykez「Buzz Lightyear」MVを見たことで改めてUK Gqomに興味を持った

今回のまとめの最後を飾るのは今、日本でもアンダーグラウンドな盛り上がりを見せる南アフリカ発のダンスミュージック「Gqom」に関する話。このジャンルはテン年代半ばごろに一度、UKでもグライムやベースミュージックと連動しながら盛り上がりを見せており、自分も当時その流れでレーベル「Gqom Oh!」周りの音源をよく聴いていました。

ただ、その後、個人的には遠のいてしまったのですが、UKではそれ以降も着実にシーンに根付いていたようで、記事で紹介したノースロンドンのMC、Lady Lykezによる「Buzz Lightyear」は、かつてグライム、UKG、UK Funky界隈のDJ/プロデューサーとして名を馳せたScratcha DVAことScratchclartがプロデュースを担当。実際に聴いてみると、Lady Lykezのラガ系MCもあってか、以前よりもスッと入ってきたので、今後、UK Gqomなど、UKのアフロ・スウィングやアフロバッシュメント(またはアフロビーツ)界隈にもより一層目を向けてみたいと思うきっかけになりました。

なお、「Buzz Lightyear」が収録されている『Muhammad Ali EP』は、2019年にリリースされたタイトルですが、今月「Buzz Lightyear」のMVが公開されたばかりです。

UK小話「イーストロンドン・ソルトビーフが有名なパン屋で食べる70Pチーズケーキの味」

せっかくnoteで記事を販売できるので、今後、このまとめの最後には有料パートとして、UKの音楽シーンの話やそのほかにもUKネタをピックアップしたコラムも書いていきたいと思います。

自分は以前、ロンドンのイーストロンドンエリアに住んでいたことがあります。この前のUKヒップホップ特集こぼれ話あとがきにも書きましたが、その当時のイーストロンドンは、ロンドンオリンピックに伴う再開発真っ只中。近年、日本でも言われている"ジェントリフィケーション"が肌身に染みる時期でした。

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