山出潤一郎

山出潤一郎

最近の記事

『釣りバカ日誌』原作者のやまさき十三さんと、耳川でエバを釣ること。

『釣りバカ日誌』の原作者であるやまさき十三さんのことを思い出していました。 初めてお会いしたのは私が30代で、やまさきさんが50代だったのかな。 宮崎県が、「宮崎をテーマにした『釣りバカ日誌』の北見けんいち+やまさき十三コンビで漫画を作ってほしい」とリクエストをして、私とやまさきさんが県内を取材したことがありました。 高千穂の取材を終えて、宮崎市に帰る途中、美々津の耳川の橋を過ぎました。 「先生、ここは今だとエバ(メッキ)が釣れますよ」 というと、「ちょっと川辺に降

    • ある日、『ハイウェイ・スター』を歌ってくれないかと頼まれつつも、これは無理と断ってしまった思い出について。

      ちょっと時間を巻き戻して、あなたが高校2年の文化祭の1か月前に、ディープ・パープル『ハイウェイ・スター』のボーカルがいなくて困ってる。お前、やってくれないか。 といわれ、そうか、まあやってみるわ。と請け合った自分(男子)というものを想像してみてください。 ギターは完璧にリッチー・ブラックモアをコピーし、ベースもドラムも完璧で、ボーカルのイアン・ギランだけがいなかった。 結局、数日トライしてみて、これは無理と断った。投げ出したといっていい残念な思い出。 王様を見ていて、

      • 大谷翔平選手の得点圏打率が、ほぼ無意味な議論であることについて。

        ドジャースの大谷翔平選手が、打率、安打数でリーグ1位という文句のない成績にも関わらず、得点圏打率が低いということで、いろいろ話題になっております。 先に結論を書きますと、「得点圏打率は年度間相関が極めて弱いので、ほぼ無意味な指標である」というのが、セイバーメトリクス界隈では常識となっています。 記事を書いているマスコミも、これは知っているはずなのですけど、ちょっとセンセーショナルなタイトルを書けるものだから、架空といってもいい指標を持ち出して、あれこれいっている。 説明

        • 金丸竜児さんのRUDIE’S(ルーディーズ)と、意外にオープンな日本の釣具業界のこと。

          金丸竜児さんが、ご自分のブランド『RUDIE’S(ルーディーズ)』を作る時、サイト構築を依頼されたことがありました。 私はweb制作の専門家とはいえませんが、釣具のサイトに何が必要か、大切かはある程度わかりますので、そこを見込まれたものでしょう。 最近、岡っぱりのタイラバのことを調べていくと、必ずルーディーズの「魚子ラバ」にぶつかりますし、想像した通りの成功をされているようです。 ひさしぶりにサイトを見てみたら、一変してはいましたが、私が作ったものの土台はまだ残っていて

        『釣りバカ日誌』原作者のやまさき十三さんと、耳川でエバを釣ること。

        • ある日、『ハイウェイ・スター』を歌ってくれないかと頼まれつつも、これは無理と断ってしまった思い出について。

        • 大谷翔平選手の得点圏打率が、ほぼ無意味な議論であることについて。

        • 金丸竜児さんのRUDIE’S(ルーディーズ)と、意外にオープンな日本の釣具業界のこと。

          SEOが進みすぎて、そろそろGoogle検索が役に立たなくなってきたこと。

          メールがSPAMに埋もれて、メインのコミュニケーションツールではなくなったように、そろそろwebページという、インターネットの基盤中の基盤といえるメディアが、SEOが進みすぎることで、Google検索の有用性が後退して、質の良い情報にたどりつけなくなってきたことを、ここ何年か感じていました。 SEOに注力できる人というのは、まずそれをビジネスでやっている人で、それを発信することで、お金に替えている人でしょう。 なので、何かの商品やサービスが絡むようなことを検索すると、ほぼ

          SEOが進みすぎて、そろそろGoogle検索が役に立たなくなってきたこと。

          谷山神社と高良山、『武王の門』のこと。

          南北朝の時代。後醍醐天皇の第八皇子である懐良親王(かねながしんのう)は、十歳にも満たない頃に、「お前、筑紫(九州)を平定してきなさい」と、無茶ぶりされて征西将軍というものに任ぜられた。 任ぜられたはいいものの、とてもそんな力はないわけで、十数名の優れた配下とともに、今の愛媛県の忽那諸島に滞在し、忽那水軍の忽那義範の助けを得ながら成長していった。 そして、御年12歳の頃、忽那島を出て南をめざし、日向灘を南下して佐多岬をめぐり(ずっと難所です)、鹿児島湾に入って、今の鹿児島市

          谷山神社と高良山、『武王の門』のこと。

          三由浩司さんのこと

          三由浩司(みよしこうじ)さんという大学の先輩が、久留米の高良山の麓にある、最深部2mほどの、きれいとはいえないため池のほとりの、風呂はなくてガスは10分使うたびに、いくらかコインを入れるようなアパートに住んでいた。 三由さんは、『じぇじぇじぇ』が流行る何十年も前に、『じぇ』を私に教えてくれた人だった。 「ヤマイデ、こないだ、女郎屋に行ったっちゃんね」 「そしたら、どえらいバアサンが出てこらっしゃったやん」 「しょうがなし、やることやるばいてがんばっとったら」 「兄ちゃん、

          三由浩司さんのこと

          本の要約動画を1分で理解する。実用書ならタイパもありかも。

          タイパ、タイパといってるうちに、どんどん何かが細っている気もするのだけど、超速で本を要約できる方法を思いついたので(誰でも思いつくことですが)、簡単に手順を紹介します。 YouTubeに要約動画が上がっているものに限ります。ほとんど実用書だろうと思います。 環境はPCで、ブラウザはGoogle Chromeを使用。生成AIとしてClaudeを使うのは、ChatGPTは文字数制限があって、たいていの場合、それに引っかかってしまうため。 1.『YouTube Summary

          本の要約動画を1分で理解する。実用書ならタイパもありかも。

          頭の回転と判断のトルクは反比例する。という岡田斗司夫の仮説と、ノートに手書きで書くということ。

          「頭の回転が速いと、トルクが弱くなる傾向があるんです。深く考えるためにも、人の話を聞くためにも、少し回転を落とすといいのですが、そのために手書きでノートをつけることは良い方法です」 というようなことを、岡田斗司夫がいっておりまして。 書くことは考えること、といえると思うのは、ただ頭の中で思っているだけで何かに書かないでいると、言語化されない。言語化されないと、ものごとを相対化したり俯瞰でみたり、それぞれの要素の相関を見ることができない。もしくは非常にむずかしい。したがって

          頭の回転と判断のトルクは反比例する。という岡田斗司夫の仮説と、ノートに手書きで書くということ。

          近い未来、人はボット化する。自分をさらさないAIコミュニケーションツールは、言葉のバトルスーツになるのだろう。

          昨年から、Facebooコミュニティで初めて入ってきた方の挨拶として、 「はじめまして。自己紹介させてください。自分で撮った写真をシェアします」 という定型文が、増えてきている。自己紹介をするのに他人の言葉を使う。一言も自分について語らない。YouTubeコメント欄などの、「なんとかしてて草」も同様だろう。 人がどれだけ、テンプレートを必要としているかわかる。そういう人のビジネスメールがどんな感じか、ほぼ想像できる気もする。 自分の文章で書くことの、何がそんなに怖いの

          近い未来、人はボット化する。自分をさらさないAIコミュニケーションツールは、言葉のバトルスーツになるのだろう。

          漁師さんから消費者へ『手から手へ』の直接販売アプリを企画しました。

          『WEB魚図鑑』や魚の判定アプリ『魚みっけ』を運営している、株式会社ズカンドットコムの山出と申します。 かねてから、「知り合いの漁師さんから魚を分けてもらいました」というSNSの投稿などを見るたびに、うらやましく思っていました。 そこで、漁師さんから消費者へ、手から手への直接販売を支援するアプリを作ったらどうだろうと考えました。『海のマーケット』といいます。 こんな特徴があります。 ●漁業者は帰港前など任意の時間に、売りたい魚をアプリに出品。 ●出品と同時に、近くの消費

          漁師さんから消費者へ『手から手へ』の直接販売アプリを企画しました。

          ラタキアとマクレーランド、および『指輪物語』のパイプ草について

          引き出しの奥から、昔買ったパイプたばこの葉が出てきた。何年もたっているので、すべてカピカピになっていたのだけれど、少し霧を吹いて喫ってみたら、普通に復活した。 4つのうち3つがラタキアと呼ばれるもので、たばこの葉を、煙でいぶして発酵させて作る。独特の癖のある匂いがして、人によっては正露丸みたいな匂いだという。 燻煙+発酵ということで、いぶりがっこみたいなものだから、漬物小屋が火事になった匂いだといえば、比喩的にはほぼ正確なのかもしれないけど、私は、荒野の焚き火の匂いだと思

          ラタキアとマクレーランド、および『指輪物語』のパイプ草について

          映画>アイデン&ティティ

          アイデン&ティティ』(田口トモロヲ監督/2003)。 原作みうらじゅん。あのバンドブームの80年代半ばに、「ロック」を求めて右往左往する若きバンドマンの物語。 ちょうどその頃、ぼくはバンドの街ともいえる久留米でタウン誌を作っていて、アマチュアバンドのコーナーを毎号8ページ持っていた。アマバンといっても、かったりいのから目の覚めるようなの、聴いたこともないような新しいの、自分の人生に決定的に影響を与えてくれたのまで、ほんとにいろいろいた。 あの時代、最高のバンドをいくつか

          映画>アイデン&ティティ