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仕事のパフォーマンスを上げるには秘術はなさそうで小さいことの積み重ねが最善解のようです〜疲れない脳をつくる生活習慣/石川善樹

自分が興味を持ち、継続的に情報収集をしている分野の一つにパフォーマンスの向上があります。

直接的な目的としては、仕事の密度を高めて効率的に業務を進めたいというのがあり、その他にも時間密度を高めることは人生を濃く生きることにつながるなというやや漠然とした期待もあり。そんな中で手にとった一冊。

タイトルだけ見ると脳疲労の休息・回復に重点が置かれた本のようにミスリードをしてしまいそうになりますが、内容としては、マインドフルネスをはじめ、生産性の高い一日を過ごすには?を食事(料理)、睡眠、姿勢、瞑想といった切り口から科学的な根拠を踏まえて解説した一冊です。

ある程度この分野の情報収集をしている人にとっては目新しい情報はないかもしれませんが、情報の体系化や整理といった観点では有益な一冊でした。

結局は睡眠、瞑想、食事、姿勢

パフォーマンスを向上させることを目的とした本を複数読んできて、結局気をつけるべきはこの4点に集約される気がします。本書では姿勢の重要性が詳しく解説されているのが特徴の1つかと。
メールの確認時間を決めましょうとか、朝一は脳が一番働くから難しいタスクはそこで、といったタイムマネジメントの観点からの効率性向上のための方法論もいろいろ提案されています。
そういったハウツーを取り入れて改善を図っていくのも良い方法かと思います。ただ、車の排気量と運転テクニックで言うと、ハウツーはテクニックの部分にあたり、基本的な排気量がなければ一定程度の速さで走行し続ける、すなわち、一定のパフォーマンスを出し続けるのは難しいでしょう。
睡眠、瞑想、食事、姿勢は、この排気量を大きくするのと一定のスピードで走りつづけること対比されるようなイメージでとらえています。

瞑想

少し前からマインドフルネス瞑想、マインドフルネス、といった言葉をよく耳にするようになりました。Googleでプログラム化されたことも大きかったと思います。
本書では、一日5分で良いので瞑想を習慣化しましょう!と言うのが提案されています。もしかしたら無音の誰もいないところであぐらを組んで・・・と言うのが環境としては良いのでしょうか、現実問題、難しいですよね。
ただ、瞑想のトレーニングの根本は1つで、意識の振れに敏感になること。
なので、横になってようが座ってようが歩いてようがどんな姿勢でもよく、呼吸に意識を向ける、と言うのが大事になります。
呼吸に意識を向ける→雑念が湧く→雑念が湧いたことに気づき、また呼吸に意識を向ける・・・この繰り返しを5分程度から。
瞑想の本質に立ち返ると、別に呼吸にこだわる必要もなく、皿洗いでも歩くことでも、何かに全力で意識を集中させ、それたら気づいて戻す、を繰り返しでもOKだそう。
これくらいの”雑さ”で良ければ、日常に取り入れられそうですよね。
自分も毎朝15分の瞑想を習慣にしてましたが、子供ができてからはすっかりご無沙汰・・・5分程度からでも再開したいなと思います。

姿勢

パフォーマンス向上系の本で、姿勢について解説しているものは珍しいな、と言う印象でした。
でも、自分も以前、何かのテレビ番組で姿勢の悪い子・良い子をグループ化して学習→テストをしたところ、姿勢の良い子集団の方が学習効果が高かった、といった実験を見た記憶があります。
メカニズムとしては、姿勢が正しければ横隔膜や肺が十分に動くことができるので、深い呼吸ができる、それ故、脳に十分な酸素が行き渡るので注意力が上がると言うものです。
学問でもスポーツでも、一流と言われる人で姿勢が悪い人を見た記憶がないことも、石川さんの主張の証左かもしれません。
じゃあ姿勢をちゃんとしましょう!と言っても難しいですよね。
そこで、本書では大きく2点
①ディスプレイの高さを高くすること(ディスプレイの上3分の1が目線の高さと同じになるようにすること)
②キーボードを膝の上に置くこと
を提案しています。
自分は①は実践済で交換を体感しています。
確か、姿勢だけではなくて目線はやる気とも関連していて、上向きの方がパフォーマンスを上げるには良い、と言うことも言われています。
②は会社では実践が難しそうですが、姿勢としてバランスが悪くならないようなキーボードの設置位置を試行錯誤してみたいと思います。

手を丁寧に洗う

面白かったのが、石川さんの観察によると、一流の人は”トイレに行った後に石鹸で丁寧に洗う”のだそう。で、その理由を聞いたところ、他の人にバイキンを移したくないから、だそう。
こんな小さな行動ですが、最近、自分も小さい事が全てのことに通ず、と思っています。
・脱いだ靴を揃える
・外食をしたら、片付けやすいように食器を集めておく
・コートをかける時は綺麗に
日常の所作が綺麗、とでも言いましょうか。
一流の人に余裕があるからこういった細かな点に配慮が行き届くのか、細かなことを積み重ねたから一流になったのか。いずれかはわからないですが、後者だと認識し、日々、丁寧に暮らすのも良い気がします。

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