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PERFECT DAYS


PERFECT DAYSという役所広司主演の映画を見に行った。
上映時間は休日の夕飯時の1回のみで、観客は数名でプライベートシアターのような雰囲気で観た。

PERFECT DAYS 公式サイト (perfectdays-movie.jp)


ネタばれしないように私が感じた感想を書いてみたいと思う。
主人公である平山さんの朝起きてからの夜眠るまでのルーティンが繰り返される。
専用のバンでお気に入りのカセットテープをかけながらトイレ掃除の現場を回る。そして決まった場所での昼食して持参しているカメラで木漏れ日を撮影し、同じ居酒屋で同じメニューを頼み、夜は本を読みながら眠りにつく。

太陽牡牛座の私も朝のルーティンを繰り返し、休日は小さなカメラを持参して撮影しつつ、図書館や書店を訪れて本を読むことで自分の中に豊かな居場所を保とうと意識している。仕事後にほっと一息を入れる居酒屋も自分が居心地の良い決まった場所に行く傾向が強い。
何だか、不器用で無口な平山さんの姿は私と見事に重なる。

そんな平山さんの日常にある変化が訪れるのあるが、その中で映像に木漏れ日の光と影の動きが繰り返し現れてくる。
以前に投稿した山田太一監督の「今朝の秋」と同じように象徴的な画像が繰り返される。

年末の山田太一監督の追悼番組で放映されたドラマ「今朝の秋」を見た。36年前に放映されたもので、俳優の表情の変化、沈黙の味わい、画面の切り替えの間で流れる曲、蝉の声や秋風に揺れる紅葉等、言葉にはならない余|junchan (note.com)


また、あることで出会った男性と街灯の下で影踏みをするという場面があるが、そこでも光と影が普遍的な人との出会いと別れ、悲しさとして象徴されているように受け止めた。

いずれにしても平山さんの日常を映し出す画像が美しく、古き70年代のロックが流れ、会話が少ない。
余白の多い俳句のような映画であった。余白がたっぷりあることで観る側に平山さんと重ねていける普遍的な要素が含まれる映画であると思う。

2年前にマドモアゼル愛先生の動画でトイレ掃除に関しての動画を聞いた。それから、私もできるだけ簡単でも毎朝、トイレを拭くということを意識している。
人は生きているので、食べたら排出するということを繰り返す。
平山さんの仕事がトイレ掃除ということも、まさに精神的な豊かさを深めるための1つの象徴としてあるのではないかと改めて感じた。

トイレ掃除でなぜ開運するのか、その理由とは (youtube.com)




春の夜ミニシアターの赤き椅子


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