研究の世界での"金銭感覚"
物理学の世界で実験をしてると至るところに何十万から何千万円、何億円もの器具や装置と出会います。
今回はこれまで見てきたもので、「これがこの金額なの?」と驚愕したものを写真と共に紹介します。
あんまり億単位のモノを語ってしまうと、私が作製したわけでもないのに機密を話していると怒られそうなので控えます。
物理学の専門的なことを言ってもあまり上手く伝わらないと思うので、モノの詳細なところは解説しませんので雰囲気だけ感じ取ってください。
※基本的に私が手に入れたものではなく、見たり、聞いたりした物なので、「〜らしい」とか「〜だそう」とかいう言葉を使っております。
①分光器
これは、放射光加速器施設のビームラインで、試料から発生するX線を検出器に集光させるためのものです。
見た目は手のひらくらいの大きさで、グラファイトとかでできてるので少し重めです。
これ実は3000万円ほどするそうです。
見た目では高そうに見えず、普通に持ち運んだり、動かしたりするので、落としたり傷つけたりしてしまいそうでとても怖かったのを覚えています笑
②11Bの粉末
棒状の試料を作るために11Bの粉末試料を用いました。(11Bはホウ素Bの同位体。自然界のBは10Bが20%、11Bが80%含まれている。)
なんとこの11B、1g1万円するそうです!
ちなみにこのボトルには30g入っているので、30万円の粉末が入っております汗
これを慎重に秤量して、棒状試料を作製しました。
とても高価で、貴重な試料なので、絶対ロスはできません。
万が一こぼしたりしたら大惨事です笑
なかなか11Bを使う場面は少ないと思ったので、紹介しました。
③コンプレッサー式冷凍機
写真のは吹き出し装置で15kgくらいの重さでした。
写真の装置以外に、ケーブル類や窒素を使って冷やす冷凍機なので、窒素ガス発生装置などすべてを含めて600万円するみたいです。
ちなみにこの冷凍機は私の研究で使用予定で、設置法などを考案中です。
600万円のかかった研究だと思うと、プレッシャーがかなりかかりますが...
他にもたくさんありますが、今回はこの3つで!
これだけのモノを買うためのお金はどこから
これは研究費というものから出てるみたいです。
僕も学部生なので詳しいことは分かりません。
教授が、国に「こんな実験をして、こんな発見をする。それが社会にこのように貢献するからお金ください」というふうに要請して、採択されて、科研費という形でお金をもらう。
そのお金で学生を含め、研究に没頭できる環境を作れているのでしょう。
ちょっとここは勉強不足なので、もっと調べてみようと思います。
幸運と責任
私は学部生でありながら、身の回りにはとんでもない金額の道具や装置がある中で実験を行っています。
これはとても幸せなことです。
沢山の研究、沢山の技術に触れることができ、大変ですが、充実して学問に取り組めていると思います。
それと、このような環境で研究をすることには責任があるでしょう。
私はまだ研究者としては幼稚な存在です。
経験値、知識、どれをとってもまだまだ足りません。
だからこそ、研究者としての責任がある以上、人一倍、学問に取り組む上では貪欲でありたいと思います。
最後に
この世界にいると金銭感覚が狂います…
狂ったまま人生が終わらないように気をつけたい、、、
#お金について考えていること
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