見出し画像

『一所懸命、真摯に、謙虚に戦い続ける』

麻雀プロ 魚谷侑未物語 泣き虫マーメイドを読んで

この記事は泣き虫マーメイドという書籍の感想文になります。

私が魚谷侑未プロを知った日

最近、ボウリング観戦にハマりました。

プロボーラーに興味を持ち、Rankseekerさんのプロボーラーによるライブチャットを拝聴していたら、麻雀プロの魚谷侑未プロとコラボしている動画がありました。

魚谷プロが歩んだ経歴もライブチャットでの受け答えもかっこよく、麻雀プロに興味を持つとともに、麻雀界で実績を残す魚谷プロがどんな選手なのか知りたいと思うようになりました。

この本を手に取った理由

麻雀プロの存在を知ってから、YouTubeで魚谷プロの実際の対局動画を拝聴したりして、麻雀がどんな競技スポーツなのか調べていました。

そもそも麻雀がスポーツであることにあまり馴染みはありませんでした。
いろいろな対局動画を見て思いましたが、瞬時の判断力と思考力が求められる「究極の頭脳スポーツ」だと感じました。

こうして麻雀の世界のことを調べているうちに、『泣き虫マーメイド』という魚谷プロの人生が描かれた単行本が発売する情報が流れました。

現在魚谷プロが麻雀界でどれだけすごい人なのかは、麻雀のことを調べれば調べるほどよくわかりました。

しかし、どんなきっかけをもって麻雀を始め、どんな背景で麻雀にプロとして取り組んできたのか非常に気になりました。

それでネットで即注文しました。

魚谷侑未プロを知って持ったイメージ

往年の麻雀ファンの方に比べたら全く詳しくはないですが、アスリートの目線として魚谷侑未プロは
【泣き仕掛けという型破りなスタイルを貫くメンタルの強さ】
を持つ選手だなという印象でした。

何かを話すときも淡々と話す様子なので、常に冷静でトップを走ってきた人というイメージを持ちました。

実際に読んで感じたこと

読んだ感想は語りきれないほどたくさんあるので、部分部分での感想を書き留めたいと思います。

好きな事にはとことん真っ直ぐ

競馬学校に合格するために入った乗馬クラブでも1日に練習時間は30分から1時間しかない。しかも、年齢制限と体重管理もある。
それでも、ひたむきに日々努力していた姿勢。

麻雀を覚えたての頃、自宅から2時間半もかかる場所へ麻雀教室に通っていた。

「ただ強くなりたい一心でした」

普通は大人になってしまえば、何かを極めるには理由がないと動かない。

それでもただ強くなりたい一心で真っ直ぐ進むことができる魚谷プロは純粋に凄いと思いました。
ゆくゆくは麻雀プロを目指すようになるわけですが、この純粋な負けず嫌いな心が強くなる秘訣なのでしょう。

まさに今私が陸上競技に取り組む中で迷いが生じてしまうのは「ただ強くなりたい」という気持ちが足りないからだと読んで感じました。
私に足りない大切な感情を教えてくれました。

どん底を経験して

魚谷プロが麻雀プロになるまで常にトップで戦い続けていたのかというとそうではありませんでした。

プロ試験ではチョンボ(ルール違反のこと言う)をしてしまったり、プロに合格しても一番下のクラスからのスタートであったり、働く雀荘でもずっと勝てない日々が続いたり…
たくさんの場面でどん底を味わっています。

だからこそ強い魚谷プロがいる。何度も何度も挫折を経験しても、這い上がる。
その姿勢こそが強くなるために必要なこと。

「辛いからと言って絶対に逃げてはいけない」

私も陸上競技をやってきて、競技面でもそれ以外の場面でも辛いときは多々あります。
それでも逃げてはいけないことを強く学びました。

共感したこと

「こんな風にリーグ戦が終わって笑って飲んでいられる場合じゃない」

プロになっていくつかのリーグ戦に出場し、同期と毎回飲み会がある中、魚谷プロがこの発言をするシーンがありました。

この気持ちは私にもずっとあった感情でした。

本当に悔しくて、強くなりたくて、そう思った時、人付き合いでさえも犠牲にして練習をしなければいけない。強くなるためのことをしなければいけない。

競技スポーツで強くなるためには何かを捨てる勇気を持たなければいけない。

時々今でも自分を奮い立たせるために思うこともあります。

プロでもこういう感情になる経験があることを知ると、この感情は強くなるために必要なものなのではないでしょうか。

というよりも、過去にこのような気持ちを持たなければ、プロにはなれないのかもしれないです。

私に足りなかったこと

『一所懸命、真摯に、謙虚に戦い続ける』

プロでタイトルを獲得してからも、未熟さと型破りな麻雀スタイルがなかなか麻雀界では認められず、否定的なコメントを書かれたりしたようです。

それでも最終回の本人コメントでは
「『一所懸命、真摯に、謙虚に戦い続ける』ことを心掛けて、少しずつ結果を出して、認められるようになった」
とおっしゃっていました。

作中でも、「結果を出すしかない」と自分を奮い立たせているシーンがありました。

また、麻雀のお手本である人物と出会い、愛知県の雀荘で働き、その強さだけでなく、お客さん、ファンを大切にする姿勢を学んだといいます。

それが真摯に、謙虚に戦い続けると心掛けている理由だと思います。

今私に足りないのは真摯に、そして謙虚でいることだと思います。

人から認めてもらうために、応援してもらうために、結果を残さなければならない。
これも間違ったマインドではないです。

しかし、認めてくれる人、応援してくれる人が私を見てくれているのは結果だけじゃない。

日々の努力、態度、姿勢、全て見てくれています。

麻雀プロはそういう部分を見てくれるファンを大切にしているからこそ、たくさんの応援を受けたり、魅力的に感じたりするのだと思います。

私も、「真摯に、謙虚に戦い続けること」を忘れずに、残り1年の学生陸上シーズンを頑張りたいと思います。

最後に

泣き虫マーメイドの作画を担当した三尾じゅん太様、原作を担当した須田良規様、本当にお疲れさまでした。

そして、魚谷侑未プロの今後のご活躍を心より願っております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?