我が街

帰りにいつものスーパーに寄る。
コーヒーゼリーが食べたくて売り場に行くと、たぶん親子だろう30代くらいの息子さんっぽい人と年配の女性がいて商品を息子さんに渡して、

「どう?」
「入ってる」

記載されている成分を確認してもらってるっぽかった。

お母さんの立ってる位置の関係でコーヒーゼリーが取れずに、ちょっと待ってると、

「これは?」
「これも入ってる」

「じゃあ、こっちは?」
「こっちのも入っている」

アレルギーとかなのかな?と、思いながら、声を掛けて位置をずれてもらおうか迷ってたら、

「全部にナタデココ入ってるじゃない。何なの?呪い?」

お母さんがイラついた感じで言っていた。

何だよ。ナタデココの呪いって。
アホなこと言ってるわと思いながら、コーヒーゼリーを取って他の売り場に行ったけど、

“ ナタデココの呪いって ”

ジワジワきてしまって、思い出し笑いが出てしまった。

仮にナタデココがあのお母さんを呪ったとしても、ナタデココに呪われるレベルの恨みを買うお母さんサイドに問題があると思う。

数か月前に、このスーパーの違うフロアの店で70代くらいの男の人2人が大声でケンカしていて聞こえてきた内容が、

「お前が買い物に付き合えって言うから来たのに何だ、その言い草は!
俺は忙しいんだぞ!」

「家にいても一日中、将棋の本か時刻表しか読んでないヤツのどこが忙しいんだ!
お前、旅行もしなけりゃ将棋だって、俺に勝ったことないだろう!
そんな意味のない本を延々、読んでて何が忙しいだ!
ああいうのはな、暇つぶしって言うんだ!」

杖ついて歩いてるおじいちゃんが大声でケンカしているのを初めて見たので結構、衝撃的だった。

内容のレベル的にも。

客同士が大声でケンカしてると報告を受けたのか店長さんっぽい人がやって来て2人に声を掛けたら、おじいちゃんは大声を出して迷惑かけたことを謝った後に欲しい商品を告げて、どこにありますか?と、尋ねたら、

「申し訳ございませんが、当店でのお取り扱いはございません」

と、言われてて、本当に何しに来たんだろうと、思ってしまった。

この2人と遭遇した日の夜、姉に話すと、

「この街の人間に質を求めることが間違えている」

って、言っていた。
うちらも社会人になるまでの約15年、今、住んでるとことは場所は少し違うけど同じ市内で暮らしていたから何か納得してしまった。
せざるを得なかったというか。

僕も色々、足りないとこがあるだろうが姉も姉でサーモン食べて、

「これブリ?」

って、言ってた人だから。

今日のどっかのお母さんと、この前のおじいちゃん2人。
で、うちの家族。

類は友を呼ぶという言葉は、同じ街に暮らす人間にも適用されるんだろうか。

何か複雑な心境だ。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ