東大卒でも出世出来ない人の行動を振り返ってみた【自分自身を反面教師に】

東大卒は、基本的に出世に有利であると考えている。(一定程度までは)
ただこれはあくまで確率論的な話であり、当然ながら全員が全員出世出来るわけではなく、恐らく世間が想像するよりも出世出来ていない東大卒はそれなりに存在する。
基本的に学歴の効力は若い時の方が有効である。年次が浅い段階の方が他の判断材料が少なく、配属先等を決めるに当たっては学歴が有力な指針となるからである。
ただ世の中には、年次が浅い段階から既に周りに差を付けられている東大卒が世の中には存在する。
筆者自身がこれに当てはまる。
自分自身はしがない日系金融機関の傍流部署でひたすら毎日ブルシット・ジョブに追われる30代の東大卒である。
筆者がこのような事態になってしまったのには色んな要素が挙げられる
と思う。今回は普段の行動(ビヘイビア)から筆者が実際に出世出来なかった要因を述べてみたい。
また実際に周囲から評価されるには、どうすればいいのか、その点に関しても考えてみたい。

今回は、以下の書籍も参考にして出世に必要な要素を考えてみた。

上記の書籍では、会社で高く評価されるためのエッセンスが詰まっているようにも思う。確かにこの著者が属する業界がメガバンクと言う特殊な業界であり、そこまで参考にならないという意見もあるとは思うが、それでも一定程度、サラリーマンであれば当てはまる部分もあるのではないかと考えている。
筆者自身もこちらの書籍を読んでみて、ここまで言語化されているのは凄いと感じると同時に「こんなことをやっているから結局いつまで経っても日本の生産性は向上しないのだろうな」とは感じた次第ではある。
恐らくこの方の書きぶりからするに、上位国立大の出身ではないと思われる。あくまで推察にしか過ぎないが、どこかの有名私立大学の理系卒だと思われる。
ただ最短で出世しているこの著者と、しがない傍流部署で日々ブルシットジョブに明け暮れる筆者ではどちらが会社内で評価されるかと言うのはもう明らかであると思われる。本当に出世したい方にとっては、この方の書籍は一定程度、参考になると思われる。

今回は筆者自身のことを反面教師として、東大を出ているのに出世出来ないとはどういう事(東大の優位性を打ち消すほどの、マイナス要因とは何か)なのかを考えてみたい。

1.普段の業務態度編

・昼休み
これは以前に執筆したnoteでも記載したが(参考リンクは以下)、筆者は毎日必ず1時間の昼休憩を取得している。
社内の労働規則に書いてあるので、取得出来て当然だろうという態度で筆者はこれまで臨んできたが、どうやら日本社会ではそれは当然ではないように思える。これまで一緒に働いてきた中で、必ず1時間の昼休憩を取得していたのは、外国籍の方ばかりであった。彼らは平気で1時間以上席を外すし、業務時間中も結構席を外していることが多い。
ただ同じ日本人と言う観点で見たときには、皆基本的にデスクでお弁当を食べたり、仮に外でご飯を食べてきたとしても、30分で切り上げている人が多い。そんなにやる仕事ある?とは聞きたいところであるが、何故か皆忙しそうに仕事をしているのである。
筆者の場合は、もう既にいい年齢になってしまったので、昼休憩のことで何かを言われることは無くなったが、年次が浅い段階では、2回くらいは注意されたことはある。

という事で本気で出世を狙いたいのであれば、昼休みはどうやら1時間は取得してはいけないようである。

・有給取得
筆者は社会人になってから、毎年有給をフル消化してきた。
毎月必ず1回は有給休暇を取得してきたと思う。
ただそれも日本人の中では当たり前ではなさそうではある。
確かに最近では、有給取得の目標を部署内で立てられ、逆に有給休暇を取得していないと注意されるようにもなったが、筆者が社会人になったばかりの頃はまだまだそのような価値観からは程遠かったように思う。
ただ今でも有給を全消化するのは当たり前ではなさそうではある。
業界にもよるのかもしれないが、ホワイト化が進んだ現代でも好ましいのは7割程度の有給消化なのかもしれない。
有給取得に関しては、そこまで表立って注意されたことは無いが、それでも「よく取るね」的なことは言われたことがある。
本当に仕事にやる気があって、仕事で成果を出したい方は有給はそこまで取得しない方が良いと思う。

という事で本気で出世を目指したい方については、部署の目標にギリギリ到達するくらいの有給消化を計画的に行おう。

・残業時間
筆者は、残業はそこまで嫌いではなかった。月に40時間くらいの残業時間は何とか許容範囲であるし、フル在宅が認められるのであれば、もう少し働いてもよいかとも思っている。これまで自分自身の平均残業時間はならすと月間30時間程度ではないかと思う。

これまで筆者は基本的に傍流部署を渡り歩いてきた人間ではあるが、一度だけ花形系の部署に配属されたことがある。そこは恒常的な超長時間残業が常態化していたが、さすがにそれは筆者には全く持って許容範囲外であった。
ここで具体的な残業時間を記載すると法令違反になる可能性が高いので、具体的な数字は記載しないが、とにかく残業時間は長く、筆者は自分自身を守るためにそこでは仕事をあまりせずに転職した。

ただ漏れなく出世している人は、長時間の残業時間をこなす必要がある部署や業界を長年経験している人が多い。
特に東大文系の場合は、皆何かしらの形で激務部署を経験しているのではないか。東大文系の中でも向上心が強い方が選好される官庁、外資コンサル、外銀はいずれも激務であるし、日系の事業会社や金融機関に入ったとしても東大文系卒は、企画などの激務部署に配属されがちである。これは東大文系卒の幸福度を大きく下げてしまっている大きな要因の一つなのではないかと考えている。(逆に東大理系は、割と専門的な部署に配属される傾向があり、そこは上記のような進路よりかは幾分働き方はマイルドである)

結局、組織内で一定程度の出世を目指したいのであれば、一定程度の残業をこなす必要があると思われる。逆に言うと学歴が無かったり、特段専門性が無くとも、一定の長時間残業をこなすことが出来る体力はそれだけで周囲との差別化要因になりやすい。

・フレックスな働き方
日本企業ではいくらフレックスな働き方が認められていても、これを平然と権利行使する者は少ない。
筆者の場合は、これが認められるようになってからは普通に時差勤務を活用してきた。
ただこれもやはり上司からのウケは良くなかった。
日本企業では、いくら権利が認められたとしてもそれを平然と権利行使するのは憚られる風潮が今でもある。これらの権利行使が許されるのは、アファーマティブアクションの中で特等席が用意されたワーママくらいであろう。
男性は今でも白い目で見られてしまう。

本当に出世したいのであれば、皆が来ている(始業開始の)時間の少し前に来て、自分は長時間労働をしていると印象づけるのが重要である。

・服装、髪型
こちらも気を配ったことが無い。
服装に関しては、ひと昔まではスーツの着用が義務化されていたので、それに従っていたが、今では自由化されたので、かなりカジュアルな格好で通勤している。
髪型に関してもセットしたことは一回くらいしかない。基本的に、前髪はあるし、何もセットせずに寝癖が付いていることもある。
これは実は社会人になって最初にびっくりしたことで、金融業界に属する人の多くが割とばっちりと髪型をセットし、オデコを出していた点である。金融業界はまだまだこの点に関して厳しいのだと思う。

服装とか髪型は意外と無視できない要素だと思われる。
結局人の評価は見た目で決まる部分も大きいからだ。
王道系の部署にいたり出世している社会人は殆ど皆がきちんとした見た目をしている。

職種にもよるのかもしれないが本当に出世したいのであれば、見た目(服装、髪型)には気を遣った方が良い。

2.業務中の仕事の仕方

・周囲への見せ方
正直な話、自分は人からどう見られるかと言う点は一年目からあまり考えたことは無かった。
例えば上記の書籍では、報告の仕方などのような、見せ方の工夫に関して言及されている。
正直、このような何も生産性が無く、不毛な飾り方に自分は全く興味が持てなかった。
ただやはり周囲で高評価を得ている人間はこのような点に注意を払って見せ方をある程度工夫しているように思われる。
「仕事が出来る、出来ない」の評価は実際にはかなり曖昧なものだと思う。
ペーパーテストとは違って細かな採点がなされる訳ではなく、結局は何となくの印象で決まってしまうからだ。

・周囲への叱責
筆者は社会に出てから、一度も他人を叱責したことが無い。飲み会で誰かの悪口を叩いたことも無いと思う。
上記の書籍では、「周囲をうまく叱責することで自分自身の評価を高める」的なテクニックが書いてあり、確かに後輩指導では叱責も仕事の一環であると考えられてきた側面もあると思う。(今では、パワハラ関係でこのような指導は下火になってきたが)
受験勉強と仕事を混同するなと批判されそうな気もするが、叱責は人を委縮させてしまい、高いパフォーマンスには繋がりにくいものだと思われる。これは自分の受験勉強の経験や塾講師での指導経験から得たものである。
ましてや自分の評価を高めるために誰かを叱責するなんてことはとてもではないが筆者は出来ない。

ただこれも、出世している人を見ると割といつも他人を叱責したり、批判しているので、終身雇用が強く、同じ会社でのレピュテーションが重要な日本企業においては一定程度有効な戦法なのではないかと思われる。

・上司への忖度
正直これも意識したことが無かった。割と思ったことは言ってきたし、間違っていると思えば、普通に上司にはきちんと言ってきたほうだと思う。
何というか、学問的そしてロジカルに考えて間違っていることを上司が言っている際にそれを平然と受け止めることは自分には出来なかった。
上司に媚びを売る、忖度するという事が何ひとつとして出来なかった。

当然であるが、自分自身の仕事の評価は上司が決めるものなので、評価されたければ上司には忖度した方が良いし、あからさまになり過ぎない範囲で媚は売った方が良い。

・人の値踏み
会社にいると人は皆、周囲の人物を値踏みしている。肩書や所属部署、評判等で値踏みして、態度を変えたりすることがある。
自分にはこれも出来なかった。人を値踏みして、利用したり、時には無視したりと言ったことが出来なかった。
勿論少々敬語の度合いは変わるかもしれないが、自分は相手が部長であっても後輩であっても、接し方は同じにしてきたつもりである。
これも出世する人は、きちんと相手を見て、値踏みして、態度を臨機応変に変えているものだと思われる。

・社会人としての基本動作
筆者自身は上記で挙げた点以外でも以下を自分の課題だと考えている。
結構社会人として必要な基本動作が出来ていないと思われる。

①単純作業でのミスが多い
②愛社精神の無さ
③期限ぎりぎりでのアウトプットの提出
④電話に出れない
⑤対人恐怖症
⑥適切な言葉(敬語)が使えない
⑦空気が読めない、その場に応じた発言が出来ない
⑧失言が多い
⑨注意力散漫
⑩名刺交換が出来ない

3.業務外での付き合い

・休日
正直、筆者は一年目から同期や何なら年次が近い先輩がいない傍流部署に配属されたこともあり、休日に職場や会社の同僚とどこかに出かけたという事はこれまで一度もない。自分から誘うこともなかったし、部署内で皆でゴルフに行っているといった話も聞いたことは無い。

ただこれも営業系の部署やコーポレートの中でも出世を目指していく場合は異なってくるようである。
営業系の部署の場合は平日であっても平気で接待に行っているし(むしろ平日だからこそか)、休日もゴルフの付き合い等が発生している。
ゴルフは、日系企業で出世したいのであればマストかもしれない。
ゴルフに行くことで、上とのつながりが出来るし、顧客とも親交を深めることが出来るのだろう。
当然だが、筆者は社会人になってからゴルフに触れたことは一度もなく、ゴルフ場は埼玉とか千葉の奥地にあるくらいの解像度の低い情報しか知らない。

日系企業に入ったのであれば、ゴルフくらいは出来るようにした方が良いのではないかと思われる。

・飲み会
当然であるが、筆者も同期と個人的にご飯に行ったことは何回かある。それも頻度としてはかなり少ないが。
ただ部署全体での飲み会には、殆ど参加したことが無い。そもそも傍流部署では飲み会自体が開催されることが少ない。
傍流部署と言うのは、高学歴だが社交性に問題があったり、共働きのため業務外の時間を家庭に充当する必要があるワーママが多く在籍している傾向があるので、むしろ飲み会等は迷惑だと考えている者が多い。
特にコロナ以降はこの傾向に拍車がかかったように思われる。
前もnoteで記載したような気がするが、社会人になってから本当に両手で数えられる範囲の回数しか飲み会に行ったことは無い。

ただ本当に出世を目指したいのであれば、飲み会には積極的に参加した方が良いと思われる。会社の裏情報や人事情報はこういったところで話されることが多いし、人脈形成にも有利である。ある意味ゴルフと同じ位置づけだと考えて良い。
出世に有利な営業系の部署やコーポレートの花形部署では飲み会の開催頻度も多いと思われる。
結局出世を積極的に狙っていきたいのであれば、積極的に飲み会に参加し、会社の裏情報の取得や人脈形成を行った方が良い。

まとめると日本企業で出世したいのであれば、筆者と逆のことをすればいいのだと思う。
つまり、
・昼休みは出来るだけ短く済まし、稼働時間を高める
・有給はなるべく取得せず、残業しているように見せる
・フレキシブルな働き方はせずに、周囲と足並みを揃える
・服装は適切なものを選択し、髪型はきちんとセットする
・報告の仕方や見られ方を意識する
・部下や同僚を適切に叱責して、自分の相対的な評価を高める
・上司に忖度する、媚を売る
・人によって態度を臨機応変に変える
・単純作業でミスをしない
・期限を守る
・電話応対を出来るようにする
・その場の空気に合った発言をする
・会社の人との人脈形成を怠らない
・ゴルフに参加する
・飲み会には積極的に参加する

こういったことを行っていれば、たとえ目立ったハードスキルが無くても組織内では出世することが可能だと思われるし、逆に出来なければ、学歴やスキルがあっても現状の日本社会で出世することは難しいと考えて良い。

筆者のような出来損ないの東大卒を反面教師に、多くの読者の方には組織内で出世してもらいたいものである。