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忘れられない言葉たち

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強く共感したもの。心を突き動かされたもの。また読みたいとふいに思い出す素敵なnoteを入れさせてもらいました。やわらかな言葉に、切なさに、激しさに、もう一度スキを。
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2021年4月の記事一覧

おねがい神さま、

はじめて神さまに会ったのは5歳、幼稚園の年中のとき。いつまでも色褪せない、忘れられない思…

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無くしてもいない自分を取り戻す春

「あなたと働くのは楽しい」と言ってくれた人へ。もしも私が働くのをやめたら、あなたにとって…

お茶
3年前
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君ノ声

 昔、付き合っていたガールフレンドがしてくれた話だ。  とても暑い夜だった。その当時、貧…

好きだと決めた

たけのこさんが、愛を「姿勢」と言っていたので、私は「意志」だと言おうかと。 これはまあ、…

坂 るいす
3年前
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I miss 湯.

電車を乗り継いで、スーパー銭湯にやってきた。 いそいそと靴を脱ぎ、店員さんからロッカーの…

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遠くの誰かさんにありがとうを。

きっかけは、100円ショップでスケジュール帳を買ってあげたことだった。いつもは行かないショ…

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短編小説 「桜の降る日は」

ドアは、いつも目の前で閉まる。 たとえば電車に乗り込もうとすると、必ず目の前でドアが閉まる。お店でドリンクを注文しようとすると、「先ほどのお客さまで売り切れました」と言われる。やっとのことエレベーターに駆けこむと、定員オーバーのブザーが鳴る。 私はちょっと不器用で、運が悪い。 だから、去年の夏の終わり、恋人の修(おさむ)が部屋から出ていった時、失意のどん底でぐしゃぐしゃに泣きながらも、心のどこかでは「そんなもんだろうな」と思っていた。営業部のエースと呼ばれている修が私の