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スピノザ関連書籍・約300冊! もはや収集癖の域 私のコレクション

 
 私のコレクションは何かと考えた時、やはりこれだろうな、ということでスピノザ関連書籍。

 バルーフ・デ・スピノザは、17世紀、オランダの哲学者。昨今はスピノザが日本においてもひそかなブームとなっていますが、私自身はスピノザの影響をうけてからはや26年。その間に、さまざまな関連書籍を買ってきました。

 どれくらいあるのだろうと、ざっと数えてみたら300冊くらいありました(苦笑)。

 中には絶版のものもあり、それらは古書で高値で取引されているので、購入にはそれなりにお金がかかっています。スピノザ研究の本って、絶版ものは、すぐに1万円、2万円と高騰してしまうんです。

 正直、すべてを紹介はできないので、本棚の一部としての紹介をしていきます。

 まずは岩波文庫、畠中尚志訳全9冊。このあたりは、スピノザフリークなら当然おさえるべきものなので、序の口。

 スピノザの主著『エチカ』だけでもこれだけあります。中公クラシックの工藤喜作先生訳の『エティカ』は特に読み込んでおります。

 
 なんといっても、お宝は『全集』でしょう。岩波書店の新日本語訳の『スピノザ全集』は絶賛刊行中です。

 ラテン語の全集『ゲプハルト版・Spinoza Opera』は、國分功一郎先生もNHKの番組で私物ということで紹介していたやつです。

 
 ラテン語、もちろん、読めません(笑)。いつか仕事を引退したら、老後のライフワークとして、ラテン語を勉強し、このゲプハルト版を読むのが私のひそかな夢です(笑)。

 ゲプハルト版は、なかなか手に入りませんでした。もはや市場に出回っていないなか、古書で有名な「東大赤門前 大山堂書店」さんが、ついにゲプハルト版入荷のお知らせをTwitter(現X)であげているのをチェックし、速攻、取り置きしてもらいました。かなりのお値段でした(汗)。

 いちばん右は、あまり知られていませんが、英語版のスピノザ全集。サミュエルシャーリーの『Spinoza: Complete Works』です。なんと、未だ日本語訳がされていない『ヘブライ語文法綱要』も英訳が収録されています。

 しかし、新日本語訳全集でもついに『ヘブライ語文法綱要』が収録されるということで、今からの発売が楽しみです!(予告から発売がだいぶ遅延しているので、難航しているようですが・・)

 
 次は、スピノザ協会の会報誌『スピノザーナ』。および、雑誌『思想』や『現代思想』における「スピノザ特集」関連。

 『スヒノザーナ』は、第1号が1999年刊行。スピノザ協会は、歴史ある協会ですが、わたくし、一応、スピノザ協会の一般会員になっています。基本は、スピノザ研究を専門とする大学教授たちの集まりなのですが、一般会員もうけいれてくれており、こっそり入会しています。オンラインで定期的に、勉強会やワークショップを拝聴でき、貴重なスピノザ研究の情報がインプットできます。 


 ここからは一気にいきます。最新の上野修先生の『スピノザ考』もちろんあります。

 『スピノザと近代ドイツ』、『スピノザと十九世紀フランス』、これも上野修先生が主導するスピノザ研究のワークショップにおけるアウトプットです。最近、岩波書店から刊行されました。

 スピノザ関連といえば、ジル・ドゥルーズやアントニオ・ネグリといった、スピノザに影響を受けてきた哲学者たちの著作は欠かせません。

 なんといっても、貴重なのは、生涯スピノザに言及することの少なかったハイデッガーによる『シェリング講義』。あまり市場に出回っていないので、お値段高めです。ゲットしました。

 あのハイデッガーがなぜスピノザに触れなかったのか? その関係はある種の「謎」となっているのですが、最近では逆にそれが一つの研究テーマにもなっています。

 スピノザ研究者である柴田寿子先生の『スピノザの政治思想』は、マイナーだったスピノザの政治思想的側面の、ルソーやロックなど近代自由思想家への影響を明らかにした画期的な研究でした。

 まだまだあります(笑) 「スピノザ」を主題としている研究書で、現在日本の市場に出回っているものは、だいたい持っているのではないでしょうか。

 『スピノザとサド』! なんて研究書もあります。

 さらには、こんな古書まで。昭和の初期のスピノザ研究書は貴重です。西田幾多郎、和辻哲郎、田辺元、三木清、はなんらかのスピノザ受容があり、彼ら「日本の大思想家とスピノザ」というのも一つの研究テーマになっているようです。

 入門書的なものは、こんな感じ。もはや、本棚におさまりきらず平積みです。

 

 最後に、1925年刊行のゲプハルト版は、こんな雰囲気です。洋書かつ古書というのはコレクションって感じですよね(笑)

 

 まだまだあるのですが、きりがないので、この辺で。

 なぜ、ここまで一人の哲学者に固執して、これだけの書籍を買っているのか? もちろん、全部は追いついてはいないですが、一冊一冊しっかり読んでいます(笑)。

 もはやライフワークです。
 
 スピノザという人が、単純に好きというのはありますが、スピノザ思想を読むこと、触れることは、好きという領域をこえて、わたしの思考、人生、血肉の一部となっています。それくらい人類史上、唯一無二の、偉大な思想家であると思っています。

 
 18世紀ドイツの科学者である、ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクという人はこんなことを言っています。

スピノザが、かつて一人の人間の頭脳に到来した思想の中でもっとも偉大な思想を考えていた

リヒテンベルク『雑記帳』70Pより

 科学者といえば、かの大天才、アインシュタインもスピノザへの愛を公言していましたよね。

 ゲーテやフローベールもスピノザ愛に溢れていた文学者でした。それくらい、われわれ人類に、さまざまな影響を与えてきた、偉大な「知性」ということなのだと思います。

 いつかスピノザの生家があるオランダのバーグへも行きたいと思っています。お墓参りですね。

 
 私のスピノザへのこだわりは、私のnoteでの主要テーマとして、いくつかの記事でも書いています。興味がありましたらのぞいてみてください!


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