教職員の分断はこれ以上ないよ。木村さん

 学校現場は映画のように泥臭いところでも、きれいなところでもない。「みんなの学校」とやらの元教員作家さん。

 この映画の撒き散らした害悪は、校長室は遊び場であり、外交官特権がつかえる無法地帯であることを公然としてしまったところにある。

 この勘違いを額面通り受け取って独自解釈を加えた上に運用しているバカ校長室のなんと多いことか。あろうことかこれを称賛する大学教員や文科省関係、教育委員会がいて無知蒙昧にも程がある。
 これは担任にとって迷惑以外何物でもない。担任は必死にクラスルームを形成しようとしているからである。教室の中にいることが必要だと言っているわけではない。クラスの一員として少なくとも学びから逃亡してほしくないという願いはどの担任にもあるわけです。
 この種の校長はこの願いを踏みにじった挙げ句、自分の行為を正当化します。
 この結果何が起こるか?
 まず、学校全体のすみずみまで無法行為の正当化が行き渡ります。
 これはもちろん保護者にも行き渡ります。あいつもむちゃくちゃやってんだからウチも少しぐらいならいいだろうという論理です。つまりこの学校の成員は校長以下全員がズルをしてもOK、うまくいけば美味しい汁が吸えますということを染み渡らせていくことになります。
 もちろん日本人なので純粋な人もいて他人はズルしても自分はしたくないという人もいます。しかしこの学校ではこういう人は得しません。真面目な奴ほど損をするということを骨の髄まで染み込ませてくれます。最悪です。

 もうひとつ、ちょっと学びから逃亡ぎみだった子どもがこうした働きかけをする校長室のせいで完全に学びから離脱します。
 たまに自力で復帰するのですが、この校長室が描く物語はこの極々少数の例を全員であるかのように美談として飾り立てていきます。
 「冷静に考えればそんなわけ無い。」詐欺に騙される人が後に語る常套句です。しかもこの子どもたちに関わるのは校長だけではなく、ありえないくらいの数の人間が忖度や善意を理由に手厚く関わっていきます。これは教室で頑張っている子どもにとって不公平以外の何物でもありません。
 今の日本はこの映画などのせいでありえないくらい子どもへのマンパワーの行き渡らせ方がおかしなことになっています。
 この校長室実践に関わる人たちがエリート偏重教育を否定していることがありますが、まだエリート教育のために適正な人員を配置する方が随分正当であるように見えます。

 最後にこの無茶苦茶な行為が不登校を隠蔽してしまっていることが最大の問題です。何度も言いますが学校に来ることが目的だとは言いません。しかし学校に来さえすれば、教室に入りさえすれば、得られることがあるのもまた事実です。しかしこの校長室は教室並みの得られることは生み出しません。引きこもりを正当化し、引きこもりに異常なマンパワーを注ぎ込むことを常態化させることで他者との関わりの感覚を徐々に失わせたままで偉そうに自分の不幸を他者のせいにしてキレまくる子どもを生産した上でこの異常な行為を学校に登校したこととしてカウントしてしまうわけです。
 正直この行為のどこら辺が教室で頑張って勉強している子どもたちに対して申し開きできるのかを教えてもらいたいところです。

 このような実践を美談化して撒き散らしているこの木村さんは現行の働き方改革は分断をうみだすとおっしゃる。
 やはり現場を知らない。というかいいねをもらうために、自分に注目してもらうためにもはや自分が何を言っているのかがわからなくなってしまっている状態であるとしか思えない。
 はっきり言うが、知っていることと言語化を正しく行えることは意味が違う。頭ではわかっているのかもしれないが、正しく説明する文章を書く気があるとは到底思えない。
 説明文を書く訓練をしていない人間が説明する文章を書いても、それは説明文にはなりえず、どこまで行っても物語文にしかならない。物語文は空想の世界の産物である。

 この人の言では、今行われようとしている教育現場の働き方改革は教職員間の分断を生み出すと言う。しかしもはや教職員の分断は行き着くところまで行って修復不可能な状態になっている。しかも大っぴらにお別れできないので、見えないように分断されてしまっている。
 分断が行き先ではなく、今のおかしな状況は分断の結果なのである。
 確かに今行われようとしている学習指導要領の改訂や令和の日本方学校教育の改革、働き方改革はすでに迷走を始めている。しかしこれ以上の分断は待っていない。これ以上分断しようのない状態であり、現場はすでにこの分断を織り込んだ上で、再生するために試行錯誤として令和の日本型学校教育の多方面の方策を利用しようとしている。
 
 木村さんを含めた「オピニオンリーダー」を気取っている教育を分かった気になっている方々。どうぞ早々にご退場ください。老害がわけ知り顔で大所高所からご意見されることに耳を傾ける現場人をそろそろ現場は放逐し始めます。
 伝達講習しかできない人間に対して徹底的に無視を決め込むことすら、もはや分断でも何でもないくらい職員室内には澱が溜まっていることに対してのアンテナも働かないようではリーダーとは言えないでしょうよ。

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