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謎姫、世界を救うっ!

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◆あらすじ◆ 陽菜の前に現れた、九郎と時雨。彼らは、異世界から来たのだという。 「世界を救ってほしい」 陽菜は謎の刀に選ばれた、まさかの指名制救世主――。 しかし、九郎たちの世界…
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#創作

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 最終話

最終話 どんな風も  すべての魔族が消えた。  陽菜たちの世界の魔族も、九郎たちの世界の…

吉岡果音
11か月前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第25話

第25話 私が「運命の姫」だから  巨大な蝶が、空を移動する。黒い影を、地上に落としながら…

吉岡果音
11か月前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第23話

第23話 クロスバイク  街並みが、後ろへ流れていく。  風を切り軽快なスピードで進んでい…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第22話

第22話 僕の物語  僕は、先生に救われたんだ。  津路亜希螺は、本棚を前に一人呟く。  …

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第21話

第21話 風の魔法  どかどかと、廊下を歩く音。  誰か帰ってきたのだ、ざぶとんから陽菜が…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第20話

第20話 涙  扉付きのアンティークの本棚に、ずらりと並ぶ本。  その中の、特別な一角。  …

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第19話

第19話 あじさい  記憶を辿る。もう何度も何度も、繰り返してきた。  追い求めれば追い求めるほど、「真実」の周りをもやが覆い、遠のいていく――、そう九郎は感じていた。  あの日の前日――。  九郎の心は、ふたたび「あの日の前日」に戻っていた。  あの日とは、飛蟲姫の復活の日。  そして、「あの日の前日」とは、静月と最後に会話を交わした日。 「静月――」  伊崎賢哉の家の庭、楓の木を瞳に映しながら、九郎は友の名を呟いていた。 「出発は、三日後ではなかったのか?」

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第18話

第18話 ナンデモナイヨ  どんな夜にも、朝は来る。必ず。  太陽は世界に金色の希望を降り…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第17話

第17話 策略  優先順位を決めるのは、非常に大切なことである。  今すべきことを、淡々と…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第16話

第16話 じーちゃん、ナイスガイ  みんな、無事だった――!  陽菜は胸いっぱい息を吸い込…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第15話

第15話 戦える者は、もう  黒い川に映った月が、激しく揺れる。  ざざざ、と音を立てなが…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第14話

第14話 黒い川面  小さな四角い画面が、光と共に映像を映し出す。  異世界からの面々は、…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第13話

第13話 大きな夕日の中  陶器のミルクポットから、コーヒーに垂らすミルク。かすかな湯気の…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第12話

第12話 喫茶店のスパゲッティ  通行人が、振り返る。並んで歩く、陽菜と九郎を。  素材が、よすぎるんだ。 「陽菜。視線を感じるのだが。陽菜が入手してくれたのは、目立たない服ではなかったのか?」  長い髪を無造作に後ろで縛り、なおかつ帽子と伊達メガネ、マスク着用の九郎は、とまどいながら陽菜に尋ねた。 「服は、シンプルで無難なものにしたよ。着こなす九郎が悪い。あと、そのサラサラの黒髪ロン毛。縛ってみたけど、やっぱ、人目を引くんだよなあ。それから、歩く姿勢もいいし。やっ