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フレディ・マーキュリーから見るリーダーシップ論

I give what the people want

映画「Bohemian Rhapsody」の中で、フレディマーキュリーが一度Queenを離れた後にメンバーに向けて言った言葉「I give what the people want」

フレディマーキュリーの強烈な個性に引っ張られ数々の名曲を生み出していたQueen。

そんな最中、突然フレディがメンバーにもう一緒に音楽は作らないと宣言。幾多の葛藤の後、フレディが語ったこの言葉によってQueenはファミリーとしての絆を取り戻し活動を再開した。

Queenというバンドを俯瞰で見たとき、この前後で何が大きく変わったのか。それはグループとして共通のゴールを共通認識とし、それを可視化(言語化)したことだと思う。

バンドがうまく成長していた初期、各自の才能に引っ張られ、また成長体験がグループとしてのシナジーを生み出していた。しかし、マーケットが成長(Queenというアーティスト)に慣れたとき、(主にフレディだけど)個人の欲求がバンドでの活動を上回ってしまった。

チームが上手くいっていないとき、ブライアン・メイを始め、成長体験の中で全員が価値を感じていた共通の光景があった。それは、ライブ会場で観客がQueenの曲をアカペラで歌い上げた光景だった

冒頭のフレディの言葉「I give what the people want」はまさにこの光景を思い描いていたんだと思う。また、この光景を全員の前で言語化したこと。

これによってチームとしての目標「何故俺たちは歌うのか?曲を作るのか?ライブをするのか」という問いに一つの解が示された。

目標を考えるとき、定量化しやすい指標(売り上げや収益性など)を一番先に設定してしまうことが多い。達成可能な目標であることが大切であり、このアプローチは間違っていない。

ただ、チーム全員がWhyにコミットできたときこそ、チームとしての具体的な目標に継続的にチャレンジしていけるんだと思う。そして、この目標は各自の経験に紐づくものであるべきだ。

この言葉のあと、Queenはチャリティーライブで圧巻のパフォーマンスを見せる。何のために音楽をやるのか?何故ライブをするのか?フレディがいったthe people、目の前で自分たちのパフォーマンスに興奮する観客=the peopleが望むこと=Queenの音楽を見せること。この想いが一致した結果、あのライブパフォーマンスが生まれた。

フレディほどのカリスマ性をもってしてもリーダーとしてのチームを率いることは簡単ではない。自分たちの経験に基づいたWhyに訴える目標がチームをドライブし、長期的な成長を実現する

改めてQueenの素晴らしさを十二分に感じた映画だった。またいつか見よう。

You are a legend, Freddie - No, WE ARE LEGENDS


最高!

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