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沈没寸前のピクサーが『トイ・ストーリー』ヒットと株式公開に全てを賭けるサクセスストーリーが史上最高の名作だったって話

どうもjon-YAKITORYです。

本を読むスピードは相変わらず遅いですが好きで読んでます。その中でめっっっっっちゃんこ面白い本があったのでぜひ語りたい。

これです↓ (1,2,3って声を入れたい所)

PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

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Kindle Unlimitedでも読めます。

著者は"ローレンス・レビー"で、ピクサーの元最高財務責任者(CFO)。

その彼がスティーブ・ジョブズにピクサーへスカウトされてくるところからの話です。


知らない人もいるかもですが、ピクサーを創り最初にCEOだったのはあのスティーブジョブズなんです。


この本は立ち位置的にはビジネス書となっていますが、完全に小説です。しかもめちゃくちゃワクワク出来てスカッとする小説。

正直、そのまま映画化してほしいくらいです。ていうかされそう。


今日はこの本を紹介していきます。

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『ピクサーのお金の話』と書いてあるくらいですから、「難しい話なのかな」とか「ゲスい話なのかな」と思ってた読むことに二の足を踏んでいたあの日の自分を叱りたい。

ほとんど少年漫画です。ワンピースとかに近い。

どん底からなんとか前へと進んでいく感じは、バンド漫画の『BECK』に近いかもですね。


著者がピクサーに誘われるところから物語は始まるのですが、それはトイストーリー公開の1年くらい前のこと。

ピクサーにとって初めての長編映画の公開前で、そもそもエンタメ会社としていくのかどうかすら決まってなかった時です。


そのころピクサーは目も当てられないくらいズタボロの状況で、普通だったらとっくの昔に潰れている状況だったらしいです。


それが何で10年以上も生きながらえていたかというと、スティーブ・ジョブズが自己資金をつぎ込んでいたから。

その額なんと5000万ドル(!)。60億円くらいですかね。

そんな状況だから、何とかピクサーが財務的に独り立ちできるよう株式公開までこぎつけてくれというのが、著者であるローレンス・レビーの最初のミッションでした。


ローレンスは、映画業界どころかエンタメ業界も経験がなかったのですが、いろんな大物に相談しながら、ジョブズと一緒に学びながら問題を整理していきます。

そこではっきりした問題を一つ一つ解決していくわけですが、その問題がいちいち難問で、ギリッギリのところで何とかクリアするという、少年漫画さながらのハラハラドキドキが満載なのです。


例えば、ディズニーとの圧倒的不利な契約。

ピクサーは最初、映画を公開してもその収益の10%しか貰えないという契約を交わしていました。しかも、映画3本公開するまでそれは続くというもの。(さらにその3本に続編は含めないという)

ほとんどヤ〇ザですよね。


でもその代わり製作費はかなり負担してくれて宣伝もしてくれるということで、そんな契約でも交わさざるを得ないくらいカツカツだったんです。

取り分が少ないので、ピクサーを存続させるためには『トイ・ストーリー』公開で、国内だけで1億ドルの興行収入を突破しないとヤバいという状況。


当時、アニメ映画で1億を突破しているものは『美女と野獣』、『ライオンキング』、『アラジン』くらいしかなかったそうで、小さな会社の初の長編映画かつ世界初全編3Dアニメーションがいきなり1億ドルのメガヒットになるかというと、常識的にはかなりの大博打です。

でも、作っている物は間違いなく本物であり、歴史を変える程の芸術。

その全てが、公開された週末に出る最初の興行収入の数字で決まってしまう。


そして、公開された結果は・・・





というところは実際に読んでみてください。

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面白いのは、色んな人を相談役にしたり取締役にしたりする過程で、ピクサーの会社や制作途中の『トイ・ストーリー』を見せると、みんな魔法がかかったように「素晴らしい」となるんですよね。

普通だったら不可能な事でも、こんなものが作れるチームなら出来るんじゃないかと思わせてしまう、それくらいピクサーのクリエイティブな力はとてつもなかったんですね。


気になるところは、そんなボロボロの状態だったピクサーが、ジョブズのお金以外でどうやって稼いでいたのかということろですよね。

それは、CM制作と『レンダーマン』というCG用のソフトの売り上げです。


『トイストーリー』や『ジュラシックパーク』等、90年代の映画なのに邦画に比べて洋画のCG技術凄すぎない?と思った人も多いと思いますが、

それがすべてこの『レンダーマン』による功績なんですね。


レンダーマンはピクサーで開発し商品化され、『ターミネーター2』『ジュラシックパーク』『スター・ウォーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』などにも使われていて、

ハリウッドではもはや不可欠なものだったそうな。

開発したエド・キャットムルはアカデミー賞も受賞しているらしいです。


ちなみに、AviutlとかAfterEffectとか使ったことのある人なら聞いたことあると思いますが、「モーションブラー」というエフェクトを開発したのもピクサーでありレンダーマンに搭載された機能だったらしいです。

読んでて「あ、あのモーションブラーを・・・!」となりました。


ピクサーめちゃくちゃすごくないですか?

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また、スティーブ・ジョブズとピクサー陣営の確執も面白い。

それをどちらの視点というわけでなく、間を取り持つ役の視点で描いています。

ピクサー側の人達はジョブズをめちゃくちゃ嫌っており、それをジョブズは知らないんですよね。でもジョブズは"ネクスト"という会社も経営していたので基本顔を出すことはなかったんです。


それが、ある時ジョブズが著者に「ピクサーに週1~2週に1度くらいで顔を出そうかと思ってるんだよね。だからオフィスも欲しいな」とか言い出しやがるんですよね。

他に大変なことがたくさんあるのに、面倒なこと言い出しやがって!!みたいな状況です。

そういうところも、小説みたいなドタバタ劇で面白いんです。


いや、当時の本人的には冷や汗しか出なかったと思いますが。。。


さらに、ローレンスの自分の部下に対する敬意がとてもアツくて、この人は本当にいい上司だなと思います。

後半に出てくる「会社の事務スタッフもエンドクレジットに入れるべき!」と戦った話が最高です。


前例がないと言われても戦った結果、事務スタッフも入れていいけどローレンスだけクレジットに入れないとなるんですよね。

酷い話ですが、ローレンスは「よかった」と言うんですよね。

泣けます。


さらに最後、大成功を収めたピクサーをディズニーが買収し、ローレンスの手を離れる時のローレンスの寂しくも誇らしくもあるそんな心境。

エモすぎです。ていうか文章上手すぎです。

泣けます。

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あと、普通に経営とか株式とかの勉強になります。

物語を補足する形で書いてくれるので、すごくわかりやすいし面白い。


といっても、勉強目的としてはあんまり役に立たないと思います。こんな雰囲気なんだよ、とかこんな考えたらをするんだよ、程度のものです。


詳しいことはわからなくても、『トイストーリー』と『スティーブ・ジョブズ』さえ知っていれば楽しめる本となっています。

文章も読みやすく、するすると読めてしまうのでおススメです。

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今日はこんなもん?

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