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新しい発見

 コロナの自粛宣言が出ても、自宅付近は山に囲まれているせいか、街のようなものものしい厳戒体制はほとんど見られません。マスク無しで庭先の畑を鍬で耕している人や、ガレージで太極拳のような体操をしている上半身裸の初老の男性もいます。

私の夫は2年前脳出血で倒れ、7ヶ月の闘病生活を終え今は自宅でのんびり静養中です。左脳が破裂したので右手右足が不自由になってしまいました。長いリハビリ生活のおかげで杖をついたらゆっくり自分の足で歩けるようになりました。言語はすぐにもとにもどったので、スマホを片手にあちこちの友人知人に電話をかけています。

「ほら、見てみいー」

夫が散歩している時、土手のあぜ道に薄紫色の豆粒ほどの小さな花がいっぱい咲いているのを見て、私を呼び止めました。

「こんな小さな草花今まで見落としてたなー。」

「他にも黄色い花、赤い花いろいろあるわよ。大きい花には気づいてもこんな小さな花ゆっくり見たことがなかったわね。」

コロナ自粛でまだま村をクローズしている私は、1日の時間がとても長くなり、今まで気づかなかった小さな発見をいっぱい体験できるようになりました。

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