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ノーサイド・ゲーム②「何か一つを極めることは、全てを極めることになる」

簡単なあらすじ

「優勝」を目標に定めて始動した新生アストロズ。次の課題は監督選びだった。
前GMからの候補と面談しても、しっくりこない君嶋。今ドラマの花である、補佐の佐倉が、うまく君嶋のサポートをして、経営とラグビーを結びつけるように誘導すると、「優勝経験のある監督」という条件が浮かび上がった。その条件を満たすのが、候補ではなく、君嶋が学生時代ラグビーを嫌いになるきっかけになった柴門だった。大学ラグビーで三連覇したにも関わらず辞任させられたのだった。

プライドが邪魔をする君嶋は、中々踏み切れなかったが、渋々連絡をすると、即効で断られてしまう。それが気に入らなかった君嶋は、せめて納得して断って欲しいと、手紙を出し直接会うことになる。覚えてないだろうと思っていた君嶋だったが、柴門も君嶋を覚えていた。タイプの違う二人は、お互いを嫌っていた。かたやスポーツエリート。方や学業エリート。そんな、自分にない能力を持った二人は、時を経て手を組むことになった。

しかし、社会人ラグビーの選手たちは、学生リーグの監督だからと難色を示す。しかし柴門は、一人でも反対者がいたら、監督は受けないと覚悟を見せ、選手一人一人に、分析とアドバイスを記した手紙を渡した。柴門の分析力と心意気に、選手は認めざるを得ず、柴門を認め、隠れていた柴門を呼び込むと、新生アストロズが完成した。

指導に萌える柴門が強化プランを君嶋に提示すると、約1億円も予算オーバーしてしまい、一歩も引かない柴門に頭を悩ませる君嶋。

「1×15=100」

これは、柴門が言ったラグビーの方程式で、この作品を通じたテーマの一つ。ラグビーは15人チームだが、組み合わせによって、100にもなれば0になることもある。予算の総額を増やせない分、どこかを削るしかなくなり、看板の外人プロ選手を削ることになった。本社での最終予算会議では、総叩きに遭うが、これは「優勝」する為の判断だと宣言する。無関係の人間たちは、嘲笑する者、馬鹿にする者ばかりだが、社長だけはその言葉を満足げに聞き入れ、鶴の一声で予算案は決定する。そして、常務だけは、一人真剣な面持ちで何かを考えていた。

予算確保の為にコーチも削り、選手の中から選手兼コーチを選出し、補佐の佐倉がアナリストとしてコーチを兼任することになったが、ついに「新生アストロズ」が動き出す!


経営を極めたことをラグビーに応用する

君嶋は、経営戦略室で、常務や社長にも認められるような優秀な社員でした。大学時代、スポーツエリートでモテモテだった柴門への嫉妬や劣等感をバネに勉強を頑張り、会社でも出世して行きました。ラグビーに関しては素人でも、経営に関しては玄人だったわけです。事あるごとに、頭を悩ませますが、その度に補佐の佐倉ちゃんが「経営に置き換えて考えてみると?」と合いの手を入れる事で、君嶋は経営に当てはめて考え、理解していきます。

例えば、監督選びにおいても、そもそも監督が必要かを悩んでいると、「会社に置き換えたら監督は何ですか?」と聞かれ、社長のようなものだと理解し、「監督は必要だよ!」と言い返すほどです。

スポーツには「道」とつく競技が多くあります。「柔道」「剣道」「合気道」など、特に武術に多いと思われますが、私はサッカーをやってきましたが、高校時代の恩師は「サッカー道」だと言っていました。
つまり、何か一つのことを極めていくことが「道」なのではないでしょうか?

その「道筋」は、競技によって進み方や曲がり方は違うかもしれませんが、本質においては通じるものがあります。つまり、何かを極めた人は、一つの「道」を極めたことで、本質を理解していれば、いくらでも応用が効くと言うことです。

いくらラグビーの素人で専門知識はなくても、役割や本質においては理解できて応用することは可能でしょう。なので、0からラグビーを学ばなくても、分かることがあると言うことです。

もちろん、専門知識は学ばないと得られませんが、何でもかんでも手をつけるよりも、一つのことを深く掘り下げることで、幾らでも応用は可能だと言うことです。自分がしてきたことは、必ず何かの役に立ちます。と言うより、役に立てられるはずなので、自分の経験を全て生かすように考えられれば、何一つ無駄がなくなり、全ての失敗を成功に変えることもできるのではないでしょうか。

「1×15=100」

野球は9人、サッカーは11人、ラグビーは15人のチームスポーツです。監督の柴門は、どんな15人を選ぶかによって、15が100にもなると語りました。資金を確保するために、チームの大黒柱の外国人プロ選手を外しても、組み合わせによって100にもできるし0になることもある、その言葉に、君嶋は外国人選手の能力をデータ化し、組み合わせによってその数値を超えられないかを考え、決断しました。
「1+1=○」とよく言われますが、この柴門の言葉が、君嶋の子供にも伝わり、いじめに立ち向かったりします。
フィールドの外でも、「1×15=100」という言葉が、意味をもたらしそうですね。

ベタな表現ではありますが、仕事でもスポーツでも、チームの力は、単純なマンパワーではなく、思いも寄らない化学反応を起こすことがあります。それは私もなんども経験していますが、だからこそ、ベタであっても、自分のことに置き換えてみたら、自分のことのように受け止められるものがあるでしょうね。

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