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下町ロケット真の最終回!ジョーカーゲームの結末は!?

通常の最終回では結末が描かれず、1月2日の新春SPで、真の最終回を迎えました!

ホットな内にコラムにしたのですが、がっつりネタバレなので、まだ新春SPを観てない方は、観てからコラムをご覧ください!

ダイダロスとギアゴーストのジョーカーゲームにより、見事に出し抜かれた帝国重工と佃製作所。
ついに無人トラクターの販売が始まり、売上はダーウィンが圧倒する。
復讐の対象である帝国重工の的場は、立場が危ぶまれる中、下請けに手を回し、ダーウィンの生産から手を引くようにする。
それにより、ダーウィンの生産ができなくなるという危機に瀕してしまう。
的場への復讐のジョーカーゲームに対し、的場を怒らせたことで、しっぺ返しを食らってしまった。しかし、ダイダロスも弁護士を使って反撃をする。

的場がジョーカーゲームに真っ向勝負をしたが故に、ダーウィンも思わぬ反撃をくらったんですね。さすがは大企業にして冷酷な男です。

しかし、的場の下請けへの手回しが、業務上威力妨害に当たり、的場への批判が一気に高まり、責任を取らされて的場は辞任することになった。
ダイダロスの重田とギアゴーストの伊丹の復讐は見事果たされたことで、ダーウィンプロジェクトの一番の目標が果たされてしまったが、ダーウィンにはもう一つ重大な問題があった。

通常最終回のコラムでも言いましたが、復讐を目的としたジョーカーゲームだったことで、ユーザーが第一になっておらず、欠陥に気付けなかった。帝国重工に勝てればいいという水準で、ジョーカーゲームの思い通りに進んでいたことで、帝国に優勢に進んで驕りが生まれ、佃が目指した水準には至らなかった。それが、販売を始めてからそのツケが回って来て、故障が相次いでしまいます。これが、ジョーカーゲーム終焉の引き金になった訳です。

ギアゴーストの技術責任者氷室は、ダーウィン不調の相次いだ連絡を隠し続けるが、その事実が明るみになった時にはもう遅かった。原因は何とかわかったものの、既に佃が特許を取っており、ライセンス契約をするしかないが、佃を裏切り、敵対し、恩を仇で返してきた伊丹が許される訳はない。
故障を直せないギアゴーストにより、ダーウィンプロジェクトに破滅が迫る。

ここまでは予想通りの展開で、帝国重工の的場の失脚と、ダーウィンプロジェクトの危機という、ジョーカーゲームの一つの結果を招きました。これがジョーカーゲームの恐ろしい所で、復讐という動機の恐さですね。復讐が果たされてしまったことで、情熱の中身が消え去り、それ以上の成果を出すことはできないでしょう。そして恨み、憎しみ、復讐が中身の情熱では、それが果たされた時点で終わり、そして新たな憎しみを生み、後に復讐を招くかもしれません。

米の収穫の時期になり、台風がやってくる。帝国重工は、無人トラクターに次いで、無人コンバインを完成させ、最初のユーザーになった殿村は、台風が直撃する中、無人コンバインによって、無事収穫することができた。しかし、急遽台風の進路が変わったことで、ほとんどの農家がどうしようもない。殿さんに嫌がらせをする友人も、広大な土地の米を収穫できそうになく、殿村に泣きつく。

嫌な奴だったのに、「米は俺の命だ!」と謎のアゲシーンをしますが、ちょっと演出があざといですね(^^;;

殿村は、それでもコンバインを貸し出し、同じ農家として助けるのだった。そして、帝国重工の的場の去った後、財前がリーダーとなり、無人コンバインを搭載した災害対策に出ており、佃のお願いでその協力を得ることができ、総動員でその友人の米の収穫を手伝う。
殿村の友人はダーウィン利用者で、敵対するユーザーを助けるということは、帝国重工にとっては、重大なペナルティとなる。しかし、ロケット打ち上げを始め、帝国重工という大企業の役割として、利益だけでなく、下町の人達が働きやすい環境を創ることが第一である、という財前の意志を貫き、事なきを得た。
そして、追い込まれていたダイダロスとギアゴースト。故障を直せない以上リコールも出来ず、最早打つ手なしで、代表の重田と伊丹は、利用者や販売者に対して、頭を下げるしかなかった。怒号が飛び交う中、そこに佃が現れる。
台風の中、農家同士助け合う姿を見て、この技術が必要で、苦しんでいる農家の人がいる。私たち技術者の目的は、利益だけでなく、利用者の役に立つ事。だから、ライセンス契約を結ぶことを決めました、と、会場の人に告げると、後ろで聞く伊丹は涙が止まらず、会場のからは喝采の拍手を受けた。

佃の決断により、最悪の事態は免れたものの、「復讐」という目的のジョーカーゲームの結末は、凄惨なものでした。責任のなすり付け合い、故障の隠蔽、冷酷な決断などが起き、簡単に人間関係も崩れていきました。結束していたメンバーも、「復讐」や、おいしい話として繋がっている関係では、危機に瀕した時、結束が固まるどころか疑心暗鬼になり簡単に崩壊しました。

佃製作所は、どんな危機に瀕しても、諦めず、最後まで抗い続け、やっとの思いで糸口を見つけていましたが、佃と財前のつながりのように、同じ志を持っていたり、信念の部分で繋がっている関係は、崩れるどころかピンチの時こそ、手を取り合い真の力を発揮するものです。

「恨みと復讐で繋がった重田と伊丹」「夢と信念で繋がった佃と財前」という関係は、見事に対比して描かれていました。

今回の下町ロケットも、「ジョーカーゲーム」の巧妙さと、その結果の恐ろしさ、人の繋がり方という事が描かれており、面白さだったのではないでしょうか?

夢や希望という綺麗事だけでは、ジョーカーゲームで簡単に掬われてしまいますが、確かな技術や、佃と財前のように、欲や利益ではなく。本当に信頼できる信頼関係ができている仲間を作ることが、ジョーカーゲームを打ち破る方法であり、結果、夢のある仕事をしていけるんだと、実感しました。

新春SPで、完全な結末を迎えましたが、第2期については、盛り込みすぎとか、ラーメン全部のせ状態とか言われましたが、実際の社会でも、二項対立なんてことはまずなく、複数の思惑やジョーカーゲームが絡み合ったりしているので、私からしたら、途中はどう結論付けるのかわかりませんでしたが、そこは流石に池井戸先生!という感じで楽しめました。

次回作があるかはわかりませんが、ひとまず、下町ロケットとはさよならという感じですね。

素晴らしい作品に、感謝感激です。

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