「ナマケモノ物語」 其の壱 「出会い」
皆さん、ナマケモノと触れ合ったことはありますか？
ナマケモノとは、動物園や画面で眺めることしかないのではないでしょうか。
しかし、そんなナマケモノと触れ合うことができたお話。それは、様々な運命のイタズラや、物語を生み出すこととなりました。まだ完結はしていませんが、そんな、ナマケモノとの出会いから、物語を始めていきたいと思います。
ナマケモノとの運命の出会い
それは、７月のある日のこと。実は、仕事で、コロナ感染者のご家族と濃厚接触することがありました。それにより、妻も急遽翌日から仕事を休むことになりました。ご家族の方の検査如何によって、私も妻も仕事を休み、PCR検査を受けなければならなくなりました。
そのご家族の方の検査結果は、陰性。規定上、濃厚接触者にはならず、せっかく仕事を休ませてしまったので、妻が好きな猫カフェに行くことに。体調にも何の問題もなかったので、川口市にある「猫の王様」という猫カフェに初めて行ってきました。
そこは、猫だけではなく、フクロウや爬虫類、そしてナマケモノまでいる、「アニマルカフェ」でした。
フクロウたちの物珍しさもありましたが、お目当ては猫ちゃんたち。そして、ナマケモノのナマちゃんは、丸まって寝ていました。
このお店のコンセプトは、「猫のお家にお邪魔する」というもの。コンセプトの通り、猫ちゃんたち、全然懐かない（笑）
皆まったり過ごしていて、中には体をスリスリしてくれる子もいましたが、抱っこしようとしたら逃げるし、人の周りに集まるのではなく、自分のお気に入りの場所にいる、という感じでした。
正直、「う〜ん、ちょっと想像してたのと違う・・・」と思っていたのですが、ちょっとざわつくお客さんが。何かと見てみると、ぬいぐるみのようにうずくまって寝ていたナマちゃんが起きたのです。
そして、起きてすぐにご飯タイム。
ナマちゃんの好物はキュウリ。カリッカリッと、ASMRバリに良い音を立てて食べる姿は、可愛くてたまりません！！
私たちは、すっかり猫よりもナマケモノに夢中になってしまいました！
その後も、ヨーグルトを食べたナマちゃん。
口の周りを気にしない食べっぷりが可愛い。
ナマケモノの毛は、ちょっとゴワゴワしている感じなのですが、痒くなるみたいで、フックみたいな鉤爪でカキカキするんですよ。
これが、とても気持ち良さそうで可愛い（笑）
こんな格好まで！（笑）
ゆっくりと動く、その愛らしい姿に、もうメロメロ♡
それから、猫には目もくれず（笑）、ナマちゃんと遊びました。
ナマちゃんは、手や腕を掴んで引き寄せようとするんですが、甘えてくるのではなく、噛もうとしてくるんですよ（笑）
（噛まれそうになる私の脚w）
スタッフさんが言うには、ナマちゃんはちょっと凶暴で、元々は販売するはずでしたが、売り物にはならないと言うことで、店長が飼うことにしたんだそうです。なので、猫カフェにナマケモノがいたんですね。
時間が許すまで、ナマちゃんと遊んで過ごしました。
猫カフェなのに、猫ちゃん目当てではなく、ナマちゃん目当てでまた行きたいなと、その日は帰りました。何なら、二日後にまた行こう、と話し合っていました。
ナマケモノとは
ナマちゃんに会ったのは、忘れもしない７月２２日。もう１ヶ月半前のことです。なぜ、今頃配信することになったのか。
「猫の王様」に行って以来、お店のHPやツイッターなど、チェックしまくってたんですよ。そして翌日、「臨時休業のお知らせ」という配信があり、大丈夫かなぁと思っていたら、さらに翌日、「臨時休業延長のお知らせ」という配信が・・・。
予定していた日に行くことはできず、休業明けを待ち望んでいましたが、待てども待てども再開のお知らせはなく・・・。
その間、ナマケモノについて、いろいろ調べました。
ナマケモノは大きく２種類いて、フタユビナマケモノとミユビナマケモノがいます。ナマちゃんは、フタユビナマケモノ。ちなみに、日本にはフタユビナマケモノしかいません。
おそらく、皆さんがイメージするナマケモノは、ミユビナマケモノではないかと思います。
目に特徴的な模様があり、前足も後ろ足も、指が３本あるので、ミユビナマケモノです。ディズニー映画の『ズートピア』や、
『リゼロ』でも、アナスタシアの私兵団「鉄の牙」に、ナマケモノ型の獣人がいます。
フタユビナマケモノは、後ろ足は同じく指３本ですが、前足は指２本なので、フタユビナマケモノ と言うんですね。
ちなみに、コスタリカに、ナマケモノを保護している施設があり、Youtubeも配信しているんですが、とてもお気に入りの動画を紹介します。
めちゃくちゃ可愛いでしょ！！ナマケモノの赤ちゃん、意外と動くのが早いし、よく動きます（笑）。やはり、保護されているからですかね。コスタリカに行けば、飼育ボランティアもできるそうですよ！（笑）
ナマケモノの生き様
ナマケモノは、動きがゆっくりなのが特徴的です。というのも、ゆっくり動くことで、天敵に狙われないようにするためなんだとか。ナマケモノは筋肉がほとんどなく、食べる量も、１日に８gくらいだそうです。なので、早く動くと、死んでしまうんだそうです。また、トイレも一週間に一度、地面に降りてするそうです。
ちなみにナマちゃんは、８gどころか、キュウリを２本、ヨーグルト１パック、りんご半分をペロッと平らげていました。どうやら、飼育されているナマケモノは、天敵がいないので、食べる量も多く、動くのも意外と早くて、腕を引き寄せる力も結構あります（笑）。そして、排便もほぼ毎日なんだとか。
ナマケモノは、常に命の危険に晒されながら、必死で生きています。ゆっくり動いてたくさん寝るから「ナマケモノ（Sloth）」なんて名付けられてしまいましたが、決してそんなことはありません。
生きることと向き合い、自分にできることを最大限している生き物なのです。
運命のいたずらを、「せいをおかげに」するには？
話を戻します。
「猫の王様」が「臨時休業の延長」を配信してから、一向に再開連絡はなく、なんと、未だにありません。ただ、配信のコメント欄に、８月３日、匿名で気になるコメントがありました。
「色々あり、猫たちはみな、常連さんやスタッフさんに引き取られました。近日中にお知らせが出るはずです」
つまり、まだお知らせはないものの、もう再開することはないということです。
再開するなら、お店のためにも、もっと早くコラムにするつもりでしたが、一縷の望みを託すも、再開のお知らせもない。もう、直接お店を見に行った方が早いと、お出かけついでにお店を見に行きました。入り口には、黒い幕がかかっており、隙間から見える店内には、動物はいないしもぬけの殻。店長も辞めてしまっていたそうだし、残念ながら、やはり閉店してしまったようです。また、販売店の「ヒステリックモンスター Kenny」というお店も閉店していて、こちらはGoogleMapを見ても、「閉鎖」と書かれています。
いつでも探しているよ どっかに君の姿を
辛い失恋をした時、「出会わなければよかった」と思ったり、そう言ってしまうことってありますよね。もちろん、嬉しいことも、良い思い出もありますが、それ以上に別れが辛いと、こんなに辛いなら、無い方が良かったと。
私たちがナマちゃんに出会えたのは、図らずも、最後の営業日だったんですよ。その二日後にも会いに行こうとしても、もうナマちゃんと会うことはできません。
ナマちゃんに一目惚れして、ナマちゃんに会いたくてももう会えない。もし出会わなければ、こんなに悩み、思い続けることはないし、いつでも探しているんですよ。閉まったお店、他の猫カフェ、こんな所にいるはずもないのに。
「いつかまた会える」なんて、何の保証もない。
私は、またナマちゃんに会えると思っていました。時間が許す限り、ナマちゃんとの時間を楽しみましたが、「また今度」「またいつか会える」そう思っていました。しかし、真実は残酷でした。
『君の膵臓をたべたい』という映画を何度も観て、コラムにもしています。
私は、「また会える」という未来に甘えていました。道楽家失格です。まぁ、そんな厳しく言う必要もないんですが、要は、「未来は何の保証もない」ということです。何でもかんでも、「これが最後」なんて思う必要もないですが、「また会える」と思っていた明後日は来なかったわけです。それは、ナマケモノに限らず、すべてのことに言えることです。
ナマケモノが、天敵から逃れて、生きるために自分にできるやり方で「今」を生きています。ナマケモノからは、見習うことがたくさんあります。
そもそも、仕事でコロナ感染者のご家族と濃厚接触したことで、たまたまその日に「猫の王様」に行けたんです。しかも、営業最後の日。こんな偶然はありません。もしかしたら、「猫の王様」に行く機会はなかったかもしれず、そうなれば、一生ナマケモノの魅力に気付かなかったかもしれません。
「せいをおかげに」と提唱している私にとって、この出来事は、どこかの「おかげ」につながっていると思うわけです。そして、今も既に、ナマケモノが癒しを与えてくれているし、恋心のような感情を味わわせてくれています。
失恋したような悲しみはありますが、その感情は大いに味わいながら、ナマちゃんへの思いを持ち続けていました。
そして、そう思い続けていたことで、思いも寄らない展開が待ち受けていました。
それは、ナマケモノ物語、其の弐にて。
ナマケモノは、ゆっくり動きます。猫は、運動神経が良く、動きも早いです。ナマケモノがいるカフェを初めて知りましたが、意外と相性が良いんですよ。
ナマケモノは哺乳類ですが、変温動物なので、個人で飼うには、温度管理や環境作りが簡単ではありません。しかし、猫カフェやアニマルカフェでなら、飼育しやすいと思うんです。
（「猫王チャンネル」残念ながら更新されることはもう・・・）
「猫の王様」でも仲良く過ごしていましたが、猫カフェやアニマルカフェを運営している皆さん、ナマケモノも取り入れてみてはいかがですか？人気爆上げ間違いなし！と言うか、私たちが何度も行きます（笑）
「ナマケモノ物語」其の参
「ナマケモノ物語」其の肆
「ナマケモノ物語」其の伍
「ナマケモノ物語」其の淕
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