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人生はコメディ!76日間漂流して生還した男に「コメディの真髄」を見たり!!
76日も漂流し、生還したスティーブ
今週、『世界まる見え特捜部SP』で放送された中で、76日間漂流し、見事生還したスティーブのエピソードが紹介されていました。
普段から、「道楽」を掲げ、道楽舎の仲間にも「人生はコメディ」で生きる盟友・喜多ばぐじさんがいます。
「人生は、近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」
というチャップリンの言葉があります。私も、コラムで「コメディは物語にて最強」で触れています。
問題の渦中にあれば悲劇ではあっても、後から見たら喜劇にもできる、というものです。
普段から「せいをおかげに」と発信しており、個人的にも、道楽舎としても、「せいをおかげに」をテーマにしたコラムを配信しています。
悲劇を喜劇にするには、「せいをおかげに」という考え方が必要になります。
その考え方は変わりませんが、今回、『世界まる見え』を観た時に、76日間漂流して生還したスティーブの姿に、「コメディの真髄」を見ました。まずは、その漂流記をお伝えします。
ちなみに、Youtubeでこのエピソードを漫画にしている強者がいたので、リンクを貼っておきます。
離婚のショックで、大西洋横断に出航
スティーブ=キャラハンは、奥様に離婚を突きつけられ、傷心の中、1人になりたいからと、アフリカにあるスペイン領のカナリア諸島から、カリブ海に向け、ヨットで大西洋横断の船旅に出ました。その時は、「あんな長く1人になるとは思わなかった」と、思いもよらなかったそうです。
自ら設計した「ナポレオン=ソロ号」で出航。無事に一週間ほど航海していましたが、嵐に遭い、ヨットの一部が破損し、何とか救命ボートをセットして脱出に成功する。
第一の危機
しかし、中々開かない救命ボート。焦っていたらなんとか開いて助かるものの、救難用バッグがない・・・。そんな時キャビンにあったことを思い出し、「我ながら頭が冴えている」と、沈みかけているヨットのキャビンに荷物を取りに行く。しかし、戻る時には扉まで沈んでしまい、水圧で扉が開かない。これがまず第一の命の危機。波のおかげで扉が開き、命からがら救命ボートに戻りました。
ヨットは沈んでしまい、救命ボートで漂流するしかなかったスティーブ。命がけで荷物を取ってきたおかげで、幾ばくの食料と3.8Lの水。持って1週間だろうと頭を悩ませていると、海水から真水を作る蒸留機に気付く。使い方がわからないままできた水を飲んでみると・・・、海水のままだった。その日の夜、雨が降り、雨水を確保したが、救命ボートの塗料が溶けてしまって飲めやしない。やむなく保存水を飲んで過ごすことに。
両親には、5週間の旅だと伝えていた為、救助は望めない。なんとか蒸留機を使えないかと試していたら、真水を作ることに成功。水分を確保することはできた。
第二の危機
しかし、保存食は既に食べきってしまい、食料はない。魚を取るしかなく、「スピアガン」という銛を使って漁をする。しかし、使い方がよくわからず、苦戦しているとゴムが外れてしまう。残ったのは40センチほどの銛だけ。その後も全く魚が取れなかったが、それから数日後、シイラという大きい魚を獲ることができ、干物にして保存食も確保できた。
第三の危機
しかし、漂流して2週間。サメに襲われてしまう。死を覚悟して、40センチの銛で応戦する。なんとか撃退することができたが、安心したとき、遠くに船の明かりが見えた。スティーブは発煙筒を焚き、「これで助かる!もう我慢しなくていいんだ!」と、水缶を開けて水を浴びて喜んだが、船はそのまま去っていってしまった。
それから約1ヶ月、どうにか無事に過ごしていたスティーブだが、銛がついに壊れてしまう。しかも、救命ボートに穴が空いてしまい、転覆の危機に。なんとか直そうとスポンジを詰めるが、当然塞ぐことはできず、それから1週間はボートの修繕に当たっていたが一向に治らない。諦めかけた時、持っていたフォークを使って穴を塞ぐことを思い付き、見事に成功する。
第四の危機
これでボートは無事だったが、遭難して66日目、ついに蒸留機が壊れてしまう。「雑に扱いすぎた」と反省していたが、水の残りは水缶3本。「飲んでしまえ。諦めて楽になれ」という悪魔の囁きが聞こえたが、なんとか耐えていたそうです。
第五の危機
漂流70日を過ぎた頃には、もう起き上がることもできなくなってしまい、漂流するだけとなっていました。
いよいよ、運命の漂流76日目。気がつくとボートの周りにペットボトルがあり、よく見たら陸地が見えた。そして、そこに地元の漁師がやってきて、無事救出されることとなりました。今日叙されたのは、カリブ海にある島の近くで、漂流しながら目的地に近づいていたのでした。
救助後は、6週間入院し無事回復し、日常生活がとても素晴らしいものだと実感したそうです。
長くなりましたが、これが「76日漂流記」です。
この出来事は、『大西洋漂流76日間』という書籍として発刊され、ベストセラーとなりました。そして、映画『ライフ・オブ・パイ〜虎と漂流した227日〜』では、アドバイザーとしても参加したそうです。
このエピソードは、「世界まる見え」で放送された内容と、冒頭の動画で紹介されているのと、脚色や演出が違いますが、私が知ったのは「世界まる見え」なので、そこから「コメディの真髄」を述べてまいります。
おっちょこちょいでも超しぶとい男
番組では「おっちょこちょいでも超しぶとい男」と紹介されていましたが、スティーブは、やることなすことが裏目に出てしまうも、どうにか乗り越えてきました。収納されていた救命ボートをどうにか広げたり。沈没しかけているヨットに、命がけで救難バッグを取りに戻ったり。使い方がわからなくても、どうにか水を確保できたり。スピアガンを壊してしまっても、銛でなんとか魚を獲ったり。
何度も死を覚悟したんだろうと思いますが、その度になんとか乗り越えましたが、実は、どのドタバタでおっちょこちょいな行動も、すべて結果的には生き延びることに繋がったように感じます。
たけしさんも、VTRを観終わった後、「とにかくコイツは明るいね」と言っていましたが、ちょっとくらいおっちょこちょいでおバカな方が、生き延びることができるのかもしれませんね。
コメディの真髄
放送を観ていた私は、あまりのおっちょこちょいっぷりにゲラゲラ笑って観ていました。でも、もしスティーブが漂流して亡くなっていたとしたら、笑えていたでしょうか。
いえ。スティーブが助かって生き延びたからこそ、笑って観られるのです。当のスティーブも、笑いながら話せているのですが、これぞ「コメディの真髄」だと思うのです。
つまり、どんなに辛くて苦しいことでも、生き延びて後になれば、笑っていられる。
これがコメディだと思うのです。
その時は、苦しくて当然です。スティーブだって何度も死を覚悟したでしょう。それに、漂流しなくても、辛いことは沢山あると思います。そもそもスティーブは、離婚がきっかけで船旅に出たそうですが、離婚も悲劇だろうし、漂流してそのまま亡くなっていたら、もっと悲劇ですよね。しかし、彼はドタバタしながらも生き延びました。そして、その辛い経験を手記にしたことで、ベストセラーとなり、世界的に有名にもなりました。
それも、生きていたからこそです。そして、「せいをおかげに」したからこそ、スティーブ自身が笑えているし、私たちもこうやって楽しませてもらえました。
彼の生き方は、まさにコメディそのもので、76日間の漂流記は、まさにコメディの真髄だと言えるでしょう。
ちなみに、『ONE PIECE』のサンジとゼフが、海上にあった断崖絶壁の岩の上で遭難していたのは85日間でした。サンジの方が、長く漂流していたんですね(^^;
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