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R-1グランプリ優勝の野田クリスタルさんをウラヨミ!

昨日、史上初の無観客R-1グランプリが開催され、優勝したのは、間近るラブリーの野田クリスタルさんとなりました!おめでとうございまーす!!


笑いには感染力がある

観客の笑い声がなく、スタッフによる遠巻きの笑い声が聞こえていた程度でしたが、やはり、どうしても笑いにくいというか、逆に今までどれだけ釣られ笑いをしていたかというのもわかりますね。

バラエティー番組では、ADの最初の仕事は笑うことだとも言われていますが、笑うことで笑いが伝染ってしまう、笑わされてしまう、ということなんでしょうね。もしかしたら、「笑い」とは、コロナウイルスよりも感染力が強いものなのかもしれません。ということは、笑えないほどコロナの感染力に負けてしまうかもしれないので、笑ってウイルス感染を吹き飛ばしたいですね!


発想と設定が勝利の鍵

今大会は無観客で行われた為、釣られ笑いが起きないと、笑いが半減するんだなぁと実感しました。そんな中、見事野田さんが優勝したんですが、個人的にも一番笑いました。最初のネタを観た時、優勝しそうだなと思ったし、唯一ツイートしたのも「全鉄」でした(笑)

この難しい大会で、なぜ野田さんが優勝できたのかということを考察しましたが、特にR-1は、一人芸なので、発想や設定がとても重要です。自分一人しかいないので、ネタの完成度を高めるために、王道のフリップ芸や、一人コントなどが多い中で、野田さんは唯一映像を使ったネタをしました。まずそういた設定が目を引きました。

昨年のR-1でも、「発想と設定」について述べています。

タイプ的には、陣内さんに近いかもしれませんが、その映像を、自身が作ったゲームを使う発想が素晴らしかったです。

この発想と設定で臨んだことで、ゲームに設定を込めて、誰もが知っているゲーム「桃鉄」が「もも鉄」「モンスト」が「悶スト」というネタにして、笑わせてくれました。そして、「課金」を使って「全鉄」にしたのも秀逸でしたね(笑)ちゃんと、制限もあってそれだけでは終わらないのも良かったです。


異質の融合

そして、重要なポイントが、「異質の融合」です。

「お笑い✖️ゲーム」という異質なものを融合させたことが、優勝を生む価値になったと思っています。

野田さんは以前から「野田ゲー」というゲームを開発していたそうで、初めて知りましたが、Youtubeチャンネルも開設していて、「勇者ああああ」などのテレビでも取り上げられていたそうです。

詳しい経歴はわかりませんが、おそらくプログラミングを学び、ゲームが好きだったんでしょうね。そこに、独特のお笑いセンスを交えたことで、面白いゲームでありながら、「笑えるゲーム」を作るに至ったんだろうと思います。

ゲームのプログラマーであれば、面白いゲームを作ることでしょう。でもお笑いはできません。
お笑い芸人であれば、笑いは作れてもゲームを作ることはできません。

野田クリスタルさんは、その異質な能力を持っていたのです。今回のR-1で、その異質を見事に融合させたことで、優勝に至ったと思いますが、人は誰しも、何かしらの能力を持っていると思います。


誰にでもある、サブウェポン

マヂカルラブリーはM-1のファイナリストにもなっていますが、笑いで勝負できる実力があります。しかし、ゲームのプログラマーとしては、おそらくやっていけないでしょう。
しかし、主戦場のお笑いという舞台に、メインにはならないまでも、サブウェポンのようなゲーム技術を生かしたことで、今までにない笑いを生み出しました。

このようなことは、きっと誰にでもできることだと思うんです。

仕事をしていると、やらなきゃいけないことがありますが、例えば趣味や特技を生かして仕事を取ってくる人もいます。
「釣りバカ日誌」なんかは、完全にそういうお話ですよね。会社では社長と平だけど、釣りにおいては師匠と弟子、みたいな。そこまでいかなくても、趣味や特技の共通点があることで、親近感も湧くものです。

特にサブウェポンは、「好きが高じて」というものかもしれません。

以前にもコラムにしていた『時効警察』なんかも、職業は警察だけど、趣味で時効になった事件を捜査する、というドラマです。

ドラマ内でも、その捜査力を買われ、霧山くんはFBI捜査官にもなったりしました。趣味で時効になった事件を捜査していなければ、うだつの上がらない時効課勤務の警察で終わっていたかもしれません。

「好きを仕事に」とか、「好きなことだけやって生きる」という聞こえのいいフレーズがありますが、それができるに越したことはないですが、簡単にできることではないですよね。
でも、好きを生かすことはできます。好きの数だけ、サブウェポンもあるのかもしれません。

私の盟友・喜多バグジさんは思いついたら即行動するタイプの人で、自身でも「ブレブレ」と言っています。しかし、今まで何にもならなかったブレブレの無駄のような行動が、「コネクティング・ザ・ドッツ」して実を結びつつあるようです。

人生、無駄になるようなことが沢山あると思います。しかし、好きでやったことは、生かし方によって、いくらでも活躍させることができる。

野田さんのネタは、そんな風に、過去の経験や「好き」を無駄にすることなく、自分らしい生き方や、活躍できる生き方になるヒントになるのではないでしょうか?


お笑い芸人は「せいをおかげに」の申し子

野田さんは優勝コメントで、「えみちゃん、ありがと〜!」と言いましたが、2年前のM-1では、上沼恵美子さんに酷評されました。結果は最下位でしたが、それが話題になったことで、一番オイシイとも言われていました。

昨年のM-1では、敗者復活でも、「えみちゃん待ってろよ〜!」と言ってネタにしていましたが、2年前のM-1で上沼恵美子さんによる公開処刑されたことを、「大恥掻いたんだけど」とツイートしていました。

「芸人はいじられてナンボ」と言われます。ウケるのはもちろんですが、滑っても爪痕を残せばいい、という風に言われます。
そう考えると、芸人はウケても滑ってもいい、ということになります。

「せいをおかげに」と言っていますが、2年前に上沼さんに酷評されたことで、「マヂカルラブリーはつまらない」という印象がついてしまったところもあるそうですが、芸人にとっても、観ている私たちにとっても、印象に残ったし、ネタがウケなくても、トークで爪痕を残せたので、知名度は上がりました。

「大恥かいた」とツイートしましたが、上沼さんのせいにすることはできます。
しかし、野田さんの優勝コメントは、

「えみちゃん、見たか〜!」

ではなく

「えみちゃん、ありがと〜!!」

でした。

まさに、「せいをおかげに」した言葉ではないでしょうか。

過去の屈辱と、無観客という難しい状況の中で、「せいをおかげに」してR-1優勝を果たした野田さんに、賛辞を贈ります!

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