読書記録 『しゃべれどもしゃべれども』

佐藤多佳子著『しゃべれどもしゃべれども』を読んだ。普段あまり馴染みのない落語の話だったが、読み口が軽く、スラスラ読めた。喋るのがあまり得意でない身としては、共感する部分も多く、そして私の好きなアツい展開もあって面白かった。読後には落語ちょっと聴いてみるか、となること間違いなし。

喋ることに難を抱える男女4人が落語家である今昔亭三つ葉に落語を教えてもらう物語。お節介な三つ葉がそれぞれの問題に首を突っ込んで奔走する姿がかっこいいし、問題を抱える4人が落語を通して、素直に自分の思いを喋ったり、問題に立ち向かう姿は勇気をもらえる。結局各々の問題はすっきり解決はしていないのだけれども。

『読後いい人になってる率100%』と本の帯に書いてある。確かにその通りだなと思った。主人公の三つ葉がとにかくいいやつで、こんな気持ちいい態度、言い回しを見習いたいと思ってしまう。そういう意味で『読後いい人になってる率100%』は納得した。

爽やかな読後感の小説を読みたい方はぜひ。


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