『プラットフォーム』

フライヤーや予告編を見た段階から何やら『CUBE』みたいなソリッドシチュエーションスリラーをやるんだな、という期待がかかったスペイン製作の『プラットフォーム』。そういった意味ではほぼ期待通りのソリッドシチュエーションスリラーで、不思議なルールと理不尽な世界を味わえる。

 

 

部屋の真ん中作品ある四角い穴を通ってくる台座「プラットフォーム」。その上に乗っかっている飲食物をただひたすら食べて飲む。その繰り返しだが、上の層から「プラットフォーム」が降ろされるので、下に行けば行くほど壮絶なバトル、サバイバルが繰り広げられる。

 

 

1ヶ月ごとにランダムに層を振り分けられ、相方も勝手に決められる、まさしく運が重視されるゲームだが、この建物に入る際に道具を一つだけ持ち込める中でほとんどの人が生き抜くために武器を持ち込んでいるから、ヤバい展開は避けられない。

また、「プラットフォーム」が来るまでは特に何もないので、部屋にいる相方と話しているしかなく、そういった意味では会話劇的な要素も強い。ゴレンが最初に相方になる初老の男トリマガシは「プラットフォーム」のルールをある程度教えてはくれるけどかなりの曲者で、一緒にいたら嫌だが映画的には面白い。また、中盤に出て来る中年の女性や黒人男性も、この建物で生き抜く上では賢い考え方をする人間なので、見ていて面白い。

 

 

ラストシーンがいまいちふんわりとした終わり方なのが残念だったが、概ね奇妙なソリッドシチュエーションスリラーを楽しめる。『CUBE』や『ソウ』が好きな方なら、見る価値はある。

 

 

評価:★★★★

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