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「献身的サポート」or「冷静な判断」。心理学的支援に必要とされるのは?

助けを必要としている人には、可能な限りこたえてあげることが、大切なのでしょうか。それとも、一定の線を引いて、冷静に対応するほうが大切なのでしょうか?


精神分析の開祖フロイトは、距離が縮まることで生まれる「人間関係のこじれ」を問題視し、一定の距離感で関わることを自らに戒めていました。

反対に、その弟子のフェレンツィは、ただでさえ傷ついている人に、ドライな対応をすれば、さらに傷つけてしまうと考え、求められる限りは全て応えようとしました。


この献身的な関わり方の効果を実証する途中で、フェレンツィは過労で亡くなった為、結果は出ていませんが、フェレンツィの後を継いだバリントが、研究を続け、重要な見解にたどり着きました。(*詳細は、「治療論からみた退行」という本に書かれています)

冷静な対応にしても、献身的な関わりにしても、あまりに治療や支援といった姿勢が、目立つような関わり方では、人間関係がこじれてしまう。「魚にとっての水のような」自然でさりげない関わり合いの中で、人は安心感を得て、自分を立て直すことができる。


助ける人、助けられる人といった、不公平な関係の中ではなく、自然な関わりや、さりげない会話の中に、本当の支援はあるということを、伝えてくれた大切な研究だと思います。


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