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四月になって最初の休み、周吾はマンションの荷物を友香の部屋に運んだ。荷物と言っても、服…
三月になって通常の人事の移動が発表になった。その中に周吾の移動も発表された。驚いた発表…
周吾は友香に来年度はもしかして、転勤が早まって移動になるかも知れないと話をしていた。伊…
周吾は夏の暑い陽射しが落ちてから、万丈の上流の実家に友香を連れて行く。夕方涼しくなって…
青い空に白い雲がゆっくり流れていく。ノッピが笑っているように周吾には見えた。 部屋は…
十一月十二日月曜日は、今上天皇即位礼正殿の儀のため休日になった。周吾は昨日の日曜日に実…
周吾はその翌日も、その翌日も、どこに行くこともなく、部屋の中でノッピと過ごした。顔は酒量が過ぎて青白く、胃はまた小さくなっていた。秋はノッピが恋しくて恋しくてどうにもならない。苦しい。そうわかっていてもどうにもならない。重い気持ちと、ふらつく足取りで月曜日の朝、仕事に出かけた。 また一週間が過ぎた。仕事は集中して何とかこなすが意欲がない。成績は上がらない。消化するのがいっぱいだ。このままじゃだめだ。そう思うが、どうにもならない。ノッピ、ノッピと夜は叫ぶ。先週と同じように、
秋が深くなっていた。国東の山々も紅葉が点在した。その紅葉を縫うように寺巡りに車を走らせ…
高月誠司が帰って行くと電話がなった。友香だった。友香には今日は万丈に行く話はしてあった…
八月盂蘭盆会、周吾は実家にいた。ノッピも何度かここに泊まった。先祖の位牌の中に並んで新…
どうしようか。まだ悩んでいる。その内、ノッピとのことを思い出す。また夢の世界に陶酔する…
そこへ小菅友香がやって来た。今村裕史と同じことを聞かれる。周吾は同じことを答える。友香…
協和製薬の梅木康治が会社にいる周吾の側に来た。研修は長くて辛かったがやっと開放された。…
大分営業部はさすがに大人数だ。営業だけで四十、推進部や管理職を含め一階だけで五十名になる。メーカーも卸の朝礼後を狙って押し寄せてくる。 周吾が今村裕史に会ったのは五月も第三週になってからである。周吾は妻の葬儀に参列してくれたお礼をいい。今村裕史はお悔やみを言ってくれた。彼は仕事も彼女も順調で何よりだった。万丈の得意先が、周吾は元気にしているか、妻を亡くした悲しみから立ち直れているだろうか。随分心配している。すっかり痩せて、以前の元気さが見られないのが辛いが、何とか立ち直