『退職時の引継ぎは「義務」?』
『退職時の引継ぎは「義務」?』というニュースを読みました。
私も職業柄、多くの企業で就業規則や仕組み作りをお手伝いしていますが、ほとんどの企業で「引継ぎは義務」であり「悪質な場合には、退職金の減額等を行う」という形にしました。
もちろん、「突然の会社都合での退職」を余儀なくされた方の場合は、少し違った解釈になりますが、通常の「自己都合退職」であれば、『社会人的観点』で当然と言えます。
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まず前提として、雇用契約を結んでいる労働者は、「企業の正当な利益を不当に侵害してはならない」義務を負っています。
企業は、利益を追求することが義務であり責任があります。
当然今は、利益だけでなく「社会的責任」を果たすことも重要になっていますが、企業が利益を追求することは、労働者のためにも国の為にもなります。
ですので、上記「企業の正当な利益を不当に侵害してはならない義務」ということについて、多くの方が納得してくれると思います。
今回の前提は、「自己都合退職」なので、その場合は「自分で」退職日を決めていると考えられます。
ということは、当然ですが「自分自身が、引継ぎが完了すると予想出来る日以降」を退職日に設定していると考えられますので、『退職時の引継ぎは「義務」』であり、「悪質な場合には、退職金の減額等を行う」という形は仕方がないと思います。
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中学生社会公民でも習いますが、「権利と義務は一セット」です。
以前と比較すると、労働者の権利が不当に侵害されることは少なくなりました。
しかし、上記したように、企業が労働者を雇用する大きな理由は「企業の利益を追求するための手段」です。
飛ぶ鳥跡を濁さず
ということわざが日本にはあり、これは退職時にも当てはまります。
(ぶっちゃけての話ですが、労力も時間もまったく割に合わないので)会社側は、退職する労働者とわざわざ揉めたいとは思っていません。
裁判や労働基準監督署まで問題を持ち越したとした場合、解決までに、長い場合ですと一年単位でかかってしまいますし、それまでに、自身が資料を書いたり・集めたり・出向いたりするなどが必要になる可能性も高く、それを考えると、当然ですが、労働者側としても会社側とわざわざ揉めたとしてもメリットはほとんど無いです。
ですので、労働者側も(客観的に見て誰もが納得するような)引継ぎを行い、あと腐れなく終わらせてほしいと思うのが、人事労務の現場で業務を行っている者の願いです。
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