【書評】やってはいけない不動産投資

あらすじ

本書では、スルガ銀行不正融資問題を中心とした不動産投資における罠について、その手法と引っかかってしまった場合にその後恐ろしい人生が待っていると著者は主張します。
そしてそんな中でも投資をしたい場合は…という案内のもとで不動産投資で騙されない心持ちや対策を著者自身が物件を購入したエピソードも交えて紹介して解説されています。

​この本を読むことをおすすめしたい方

1.不動産投資をしたいと思っている人
2.不動産投資を実際にしている人
3.高所得、安定した職にある人(ターゲットになりやすい)

この本によってためになったこと

1.不動産投資で騙されたがために大変厳しい人生を送ることになってしまうことを知って危機感を強く持てた
2.不動産投資に限らず使われる数字のトリックや嘘などの見抜き方を知識として得た
3.不動産投資で重視すべきポイント

私がこの本を選んだ理由

私自身、以前不動産会社の人から初めて会った日に物件のパンフレットからローンの返済計画まで用意されていて不動産投資の話を持ちかけられた経験があります(断りましたが)。このタイトルを見たときにふとあのときの不動産投資はどうだったんだろうと思って購入しました。
本書で読む限り紹介されている営業の手法は使われていたと思いますが、それでも確証が得られるわけでもなく、本当に不動産投資は騙されてもわからないものなんだなぁと改めて感じました。

記憶に残った本の箇所を引用

1.”勧誘時に不動産業者が空室家賃を保証するとうたうときは 、その保証を優に上回る 「儲け 」が購入価格に組み込まれている場合が多い 。家賃を保証するためのお金を 、あらかじめ自分で払わされているようなもので 、価格はその分だけ割高となる 。価格はまだ下がる余地があるし 、家賃保証がないと買いたくないような物件なら 、手を出さないほうが賢明だ 。”
著者はここで、不動産投資においてよく見られる空室による家賃保障がなぜあるのかについて述べています。投資をする側としてはリスクを軽減でき、不動産業者側としてはリスクを負うものを果たして素直に受け取ってよいものか?この空室保障こそ投資をする側が騙される大きなポイントとして上記のように説明されている。

2.”あとから思えば 、物件価格が相場と比べて妥当かどうかをよく調べ 、想定される家賃や入居率にどれだけ実現性や合理性があるかを突き詰めたうえで 、投資を判断すべきだった 。しかし 、現実には多くの人が 、サブリ ース契約に依存する形で 、空室リスクは回避できるのだと錯覚し 、業者に示された数字をうのみにした 。現場に行って自分の目で確かめることもなく 、多額の投資をした人も多い ”
これが本書のタイトルどおり「やってはいけない」不動産投資となる考え方で不動産投資によるリスクは最終的には自分が全て負うため、何のリスクも負わない不動産業者の話を鵜呑みにして自分で物件や周辺を調べないことがいかに危険かと述べられています。特に初めての投資なら 、警戒心が強く 、慎重に行動するのももの 、二度目 、三度目と重ねるうちに業者を信頼して警戒が薄くなり、業者の言いなりになりやすい傾向にあるため、初心者以上に警戒が必要ということです。

3.”海外旅行やブランド品を買いあさるような贅沢を求めたわけではない 。都内で月並みよりすこし恵まれた今の生活を 、老後まで維持したい 。生活の向上ではなく 、将来の安定を強く切望したことが 、シェアハウス投資という無謀な道へ走った動機の大部分を占める”
これは不動産投資で騙されて多額の借金を負った人のエピソードで著者が述べていたことですが、人の将来への不安に付け込んで不動産投資は持ちかけられることが多く、リスクとリターンを自身で完全に理解していないものに不安から話しに乗らない重要性を著者は説明しています。

その他おすすめ本を紹介


『やってはいけない不動産投資』で紹介されていたような不動産業界の実態が『正直不動産』という漫画で書かれています。漫画なのでとりつきやすく、合わせて読むと、本書で紹介された手法が実際どういう流れで展開されるのかより理解することができて面白いと思いますので、ここにおすすめしておきます!

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