【書評】伝わるデザインの基本: よい資料を作るためのレイアウトのルール

あらすじ

本書では、デザイナーではない人のためのデザインルールとして、伝わるデザインについて紹介されています。著者は自己満足のデザインから伝わるデザインにすることによって情報を効率的に、正確に伝え、見栄えのよい魅力的な資料になり受け手に関心をもってもらうことができる。そしてなによりも自分の頭の中が整理され、洗練された資料になると説明しています。本書自体も本書の中で紹介されたレイアウト方法を意識した装丁になっており、5つのステップに分けてその方法が紹介されています。

​この本を読むことをおすすめしたい方


1.自分が作る資料をもっと受け手に伝わるものにしたい人
2.レイアウトのセンスに困っている人
3.非デザイナーである人

この本によってためになったこと

1.資料をデザインしてレイアウトを組む時の基本的なマナーを理解して資料作成が上達する
2.論理的で数値的な説明によってデザインの土台を確立できる
3.基本を押さえた上でどこに自分の個性を発揮していくのかわかる

私がこの本を選んだ理由

職場での資料作りにおいてデザインの仕方に疑問を持ち、書店で参考になる本を探したところ、このタイトルを見つけて、紹介されている内容が難しいことでなく、本当に「ルール」という部分であると感じたため購入しました。
フォント選びや字の空間などの基本的なことから、囲みの使い方やバランスのとり方まで本書一冊でとても資料が見違えるほど見やすくなったことにとても感動しました。

記憶に残った本の箇所を引用

1.”オブジェクト機能を使ってテキストを囲んだり、矢印や円などを作ったりするとき、「塗りつぶし(塗り)」と「枠線(枠)」のどちらにも色を設定することができます。このとき、1つのオブジェクトの「塗り」と「枠」の両方に色を付けると、煩雑な印象を与えてしまいます。色を付けるのは塗りだけ、もしくは枠だけにするのが賢明です。”
ここで著者が述べているのは言われてみればそのとおりのことであるが、私はワードやパワーポイントにおいてデフォルトで設定されているままに漫然と両方に色をつけていたので、いかにレイアウトを考えられてなかったということを実感しました。本書ではフォントの選び方において、例えばポップ体は原則使わない、などなんとなくやってしまっていることについて細かく述べています。

2.”情報の整理とは、情報の構造や情報同士の関係を明確にすることです。”
これがレイアウトをするうえでの肝となる考え方で、情報の整理こそが資料を見やすくする重要な部分であると著者は述べています。盛り込みたい要素、つまり情報について、各要素の従属関係や並列関係、優先度や因果関係を明確にすること、それがレイアウトの目的であるというものです。

3.”ルール通りにいかないのは、多くの場合、情報が多すぎたり、内容が洗練されていないことの現れです。”
これは本書の中で、紹介してきたルールが、いざ資料を作成する段階でどうしても苦しく、守りきれない場合について著者が言及したものです。そもそもレイアウトのルールを守れないほどの内容は情報過多で秩序のない資料にができてしまうため、情報を取捨選択するなどレイアウトを整えることが重要であると著者は述べています。(ただし、文字数やデータ量によっては必ずしもルールどおりにいかないことが多々あることについても言及されています。)

その他おすすめ本を紹介


『伝わるデザインの基本: よい資料を作るためのレイアウトのルール』は資料作りにおいて守るべき基本的なルールを著した本でしたが、『プレゼンテーションzen』はその中でもプレゼンテーション資料の作り方や考え方について述べられています。合わせて読むと、基本と発展というイメージで通して学ぶことができて面白いと思いますので、ここにおすすめしておきます!

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