見出し画像

ライターのキャリアの棚卸、つぶしがきかないって本当?

軸ラボリフレッシュは、「自分を知って楽しく生きよう!」をモットーにいろいろな人生のもやもやを話して整理するサービスです。

さて、烏ママさん(40代)からのご相談。

この相談内容は、ご本人の許可を得て、フェイクを交えてご紹介しています。


▼相談内容と背景

烏ママさんは、知人が紹介してくださった関東在住のフリーライターの方。お仕事について相談したいということで、軸ラボリフレッシュに興味を持っていただきました。

今後やらなければならない可能性が高い転職にあたって、自分のキャリアの何が売りになるか分からなかったので相談してみたいと思った。

アンケート回答より抜粋

▼お話を聴いてみた

烏ママさんは現在、ひとつの雑誌社と業務委託契約を結んでいて、取材からライティング、編集の業務を行っているとのこと。現状のお仕事に問題はないそうですが、昨今の紙媒体が売れない時代、雑誌がなくなる不安もある中、自身がシングルマザーでもあるため稼ぎながらワークライフバランスも大事にしていきたい、という気持ちがあります。

過去に「編集ってつぶしがきかないよ」と言われたこともあって、不安が大きいのかもしれません。

こういったキャリアに関する他者の何気ない一言って、後々まで自分に棘のように刺さったりしますよね。余談ですが「つぶしがききそうなことを選択するほうが向いている人」と「つぶしがきかないと思えても好きなことをやったほうがいい人」っていると思います。つぶしがきくって何?というのも問題。どちらにしても自分に合っていなければ続かないので(だから自己分析って大事!)。

今後の転職を見据えて、というお話だったため、新卒から順番にキャリアの棚卸を行いました。

  • 地元を離れて東京の大学に進学。もともと文章を書くのが好きで、専攻はメディアを選択。

  • 恋愛至上主義だったため、遠距離恋愛中の地元の彼氏と結婚しようと、出版や新聞社は受けずに、地元の販売職で内定を獲得。大学4年の冬に彼から「別れたい」と言われ就活やり直し。

  • 新聞記事に出ていた小さな求人を見つけて、編集プロダクションにもぐりこむ

  • A社に入社し、情報誌を担当。13時から始発まで、という無茶苦茶な働き方だったが、お店の取材などは楽しかった。1年半勤務したところで雑誌が廃刊。漫画雑誌のミニコラム原稿の校正を担当したが、漫画に興味が持てず半年で退職。

  • 就活が嫌すぎて、とにかく面接に受かったところへ行こうと決意。

  • 出版社のB社に入社。女性ばかりの編集部で取材対象も女性で、働きやすかった。3人で月刊誌&別冊を仕上げるなど、ここでも激務。「人に会って話を聴いて文章にする」「この人の良いところはこれ!と膨らませる」「自分の携わったものが本になる」ことがとても楽しかった。4年在籍し、結婚した夫の海外赴任に同行するため退職。

  • 海外駐在中は語学学校に通ったり、ライター仕事を少しするものの、基本的には主婦。「自分の存在意義がわからない…」と感じた。

  • 海外で2人目の夫と出会い、離婚、再婚。自分が稼がねばと思い、前職のB社から取材なしでできる連載の仕事をもらう。企画、手配、リサーチ、確認しながら書いていく。出勤なしの仕事、調べて書く仕事が好きなんだと気づく。2年ほど海外でその生活を続けるが「この生活は嫌」「社会の重荷だ」と感じ、帰国を決意。

  • B社に再就職。元々3人で行っていた業務が、1人激務でつぶれてしまう。人員補充を訴えるも「2人でできるでしょ?」と言われ「くっそ!見返してやる!!」という気持ちになり、更なる激務へ。その生活を4年続けたところメンタルダウン。4ヶ月ほど休職したのち復職したが、元の部署に戻れず残業なしになったため給与ダウン。転職を決意。

  • 出版社やコンサルを受けたが受からず、「自分は使えない人間なんだ」とメンタルが落ち込む。面接しんどい、とにかく休みたい…と仕事を探した

  • 秘書として就職。「週4の9時-17時の仕事、めっちゃ楽!会社にいるだけでお金がもらえるの?土日に仕事のこと考えなくていいの?!」と驚き&喜んだ。このタイミングで妊娠出産を経験。

  • 育休復帰後、夫と生活費を折半していたが貯金がないこと、職場の他の人と同じ仕事をしているのに給与差があることにモヤモヤし始め、ライターの仕事を請け負う。まとまったお金が入金されたことに「きついけど、こんなにもらえるのか!」と喜びを感じる。

  • ワンオペ育児で転職活動もままらない中、夫の転勤。転勤のタイミングで主婦になる期間があったが、2ヶ月で夫が鬱に。「やはり働かないと!!」と決意。

  • B社と業務委託契約を締結、ライター復帰。現在が一番落ち着いている。そこそこ収入もあって、在宅仕事ができ、子供との時間もある。たまに取材に行き、原稿をまとめ、調べながら書く、というスタイルが合っている。

激動!!めっちゃ激動です。お話をお聴きしながら映画やドラマを見た気持ちになりました。棚卸をする中で、何度か繰り返し出てくる傾向がありました。

  • 面接や就活が嫌すぎる(とりあえず受かったところへ行く)

  • 稼いでないと不安や焦りや憤りを感じる(心身不調や退職につながる)

  • ライターの仕事で得たスキルがある(何度も復職できている)

烏ママさんご自身も、「自分は主婦になると悪いことが起きる」と思っていたそう。自分が社会で存在意義がある、と感じられていることが、烏ママさんを支えており、現状その仕事がライターのお仕事のようです。

烏ママさんのライターとしての強みは、

  • 共感力:取材から記事にするには良いところ、魅力を探すことが大切

  • リサーチ力:欲しい情報にたどり着くための検索キーワード選定が得意

  • 短文で情報量の多い文章:1000字程度でコンパクトに内容濃くまとめる

途中でキャリアチェンジはあったものの、これまでライターとして20年以上お仕事をしてこられたスキルはかなり強いものだと思います。もちろん携わった書籍も数多くあります。そういったものをPR材料にしていけば、今の出版社さんとのお仕事がなくなったとしても安心なのでは?とお聞きすると、過去ポートフォリオをまとめてもあまり仕事につながらなかったこと、職務経歴書を含め自分の売り込みが下手であることを不安として挙げられていました。

特に、SNSは不得意だと感じていらっしゃるとのことで、ガツンとキャッチーなことを言うのが下手、とのこと。確かにSNS時代、現在は煽るようなキャッチーな言葉が乱立していると思います。

ガツンとキャッチーなことって「言っちゃっていいのかな!?」って思うんですよね。嘘だよね、誠実じゃないよね、と思う。嘘じゃん、って思うと動けないし、やりたくない、って思う。

あああああ本当によくわかります。そうなんです、就活が苦手、面接が苦手、というのにも通じているのですが、烏ママさんは誠実な人なんですよね。自分を良く見せるのも苦手。短文であっても誠実に情報を伝えたいからぎゅっとコンパクトな情報で内容が濃い文章が書けるんだと思います。

例えば、女性や外国籍、ミックスの子のこと、社会的弱者の人のためになることなど、ご自身が興味のある携わりたい分野がある。でもその分野ではギャラの発生する仕事がない。

例えば、書くことを教えるのも、おこがましいと感じてしまう。小学生相手など文章が成り立っていないものを赤入れすることはできても、ある程度かけている文章に自分が赤入れするのは誠実じゃない、と感じてしまう。

ご自身が誠実にかかわりたいと思う仕事と、「稼げる」仕事が違う現状。両方をそのままかなえるのが難しいため、誠実ながらも「稼ぐ仕事」と「心を満たす活動(仕事)」は分けて考えて、両方について少しずつ動いていくことが大事ですよね、と共有しました。

現状の出版社の規定で同業他社でのお仕事は請けられないものの、ライターは口コミや紹介でお仕事をもらうことが多いそう。いざチャンスが巡ってきたときのためにサッと情報を渡せるように、ポートフォリオをまとめておくことをお勧めしました。


▼軸ラボリフレッシュを終えて

「つぶしがきかない」職種だと思っていたが、ほかの職業にも応用できる技術があると分かりました。また、自分の価値観(お金、働き方、面接が苦手など)がよく分かったので、今後どんな分野に挑戦してみるとよいかがクリアになりました。

アンケート回答より抜粋

そう、つぶしがきかない、なんてことはなくて、ひとつのお仕事で極めてきたスキルって他の仕事でも生かせるんですよね。共感力やリサーチ力、文章を書く能力が求められる仕事はライター以外でももちろんあるし、ライターでなかったとしても「誠実であること」「ある程度稼げていること」のほうが烏ママさんは大切なんだと感じました。

▼軸ラボを人に紹介するとしたら?

自分のキャリアの棚卸ができて、なおかつ今後の指針も示してくれる。絶対ためになるので受けてみて!お話している中で、「そうだったんだ!」と新たに発見できること、「自分にはこういう指向性があるのね」と自ら気づくことが多かったです。ポートフォリオの作り方など実践に役立つことも示してくれ、「今日からできる」という明るい気持ちになれました。

アンケート回答より抜粋

「今日からできる」という明るい気持ち!うれしいお言葉です。そう、たとえ今すぐのアクションにつながらなかったとしても、まず「できそう」って思えることって大事だと思っています。皆さんいざというときに自分で動く力はあるので、方向性とか道筋が見えているだけでも心持ちが変わるかな、と思います。

軸ラボリフレッシュは1時間5,000円、オンライン相談を承っています。
公式LINEからお問い合わせください!https://lin.ee/OWd3qyn

いいなと思ったら応援しよう!

軸ラボ 山下智子
「自分を知って、楽しく生きよう」をモットーに、自己分析や、就活、婚活、終活に役立つ記事を書いていきたいと思います。