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保育士は言う、現実逃避力は子どもの頃から育むべきだと



子ども(0歳〜18歳)のプロになるために
大学で学び、
保育士資格と幼稚園教諭免許を取りました。


その授業の中で教授が言った
今でも忘れられない言葉があります。


絵本は、
現実から少し距離を置くための力を養う。
乳幼児期にとってとても大切なもの。


保育園や幼稚園に行けば、
必ず、たくさんの絵本が置いてありますよね。


保育者にとって絵本を読む時間は
とても気合が入る時間でもあります。

「この絵本を選んだ理由は?」
「どういう声色で読もうか」

「この絵本の世界をより楽しむために、
ページのめくりかたはこうしようか!」

「セリフとセリフの間は、
こんな感じで、ここは余韻を大切に…」


きっと世の保育者たちは
子どもたちに絵本を読む前に
読む練習をしているはずです。



もちろん、準備万端ではない時もあります。
子どもたちにリクエストされて
ノーマークだった絵本を読む時などは
ぶっつけ本番で読むしかないです。



でも、絵本の世界観を全力で表現したいから、
さらっと先にページをめくって
自分だけネタバレしてから
読み始めることがあると思います。



なんでそんなに絵本を大切にしているのか。
私の憧れの教授は家に200冊ほど絵本がある。と
言っていました。


なぜ?


一つ目は
大人と子どもを繋ぐ
コミュニケーションツールになると言うこと。

まだ会話ができなくても
絵本を通じて、
大人と子どもが心を通い合わせたり
肌と肌が触れ合ったり


「カエルが、ぴょーん!」
「あ!笑った!」
「おー!ぴょん真似してるー!」


自然と言葉が出てきたり。



大人と子どもの間に
完全にわかり合えない距離があるとき、

「もう、何して遊んだらいいかわからない〜」

と言うとき、絵本が大活躍します。


そして
「ものや言葉を知るきっかけになる」というのも
絵本を楽しむ大きなメリットの一つ。


この刺激的な色は赤か。
猿はしっぽが長いのか。
救急車はピーポーピーポーとなるのか。
お医者さんは怪我を治せるのか。



現実世界でまだ出会っていないモノや言葉を
絵本をきっかけに知ることができ、
その子が好きなものを見つけられます。
言葉を知り、世界を知り
表現の手段が増えます。




さらに
「ルールを学べる」と言うことも大きいです。


絵本の中で出てくるやりとりの中で
「悲しい」「嬉しい」
「むかつく」「楽しい」
様々な感情に触れます。

どういうことをしたら
誰が悲しむのか。
そして誰が笑顔になるのか。

大人がワンピースを読んで
仲間を大切にする熱い気持ちを
学ぶように
子どもたちは絵本で学びます。
実際には経験していないことを
経験できるのです。




そして最後に、
私が度肝を抜かれた
この視点。


『現実から少し距離を置く力を育む』

という良さ。



では、
大人の皆さんに問います。



『正直、現実って厳しいですよね?』




子どもにとってもそうなんです。
「自由奔放に生きていていいなー」


そう見えるかもしれませんが、



「お腹がすいたのに、ミルクがこなーい」

「暇なのに誰も遊んでくれない〜」

「せっかく遊んでいたおもちゃがとられた〜」

「嫌いな食べ物食べさせられる〜」

「なんか時間になったら
眠くもないのに寝かせられる〜」

「たまにくる知らない人が怖い〜」

「きょうだい ができて
あんまり構ってもらえない〜」





子どもたちも毎日サバイバルなのです。


それなのに、



・言葉があまり通じない。

・自分の気持ちを共有できない。

・どうしたら自分が楽しくなるのかわからない


まだまだ未熟な子どもたちは
自分のストレス解消法もわからないのです。


ですがここで


絵本。そして、ぬいぐるみ。


大活躍します。





おでかけするたびに
柄が変わるワンピースを着るうさぎちゃん。


押し入れに入ったら
知らない世界と繋がっていて
大冒険がはじまった。


靴が勝手にトコトコ歩いて
色んなところに遊びに行ける。

空だって飛べるし、
鳥にだってなれちゃう。



だから。


こんな世界を知っているから、



本当は、現実では
空を飛べるヒーローにはなれないけど、


見えない敵と一生懸命戦っている間は
誰よりも強くてかっこいい
ヒーローになれる。



かわいいスカートを履いて
髪の毛を結って
「それでは行ってきますね♪ごきげんよう❤︎」
と出掛けていく、
お姫様にだってなれるのです。



タオルを巻いたら空だって飛べる。


散歩中に出会った
かわいい犬とは、会話だってできるのです。



そして、

お気に入りのぬいぐるみは
自分の気持ちを丸ごとわかってくれる
唯一のお友達


自分の気持ちを自由に投影できて
酸いも甘いもわかってくれて
いつでも一緒に遊んでくれる大親友。


全てを語らなくても全部をわかってくれる
私の味方。



だから、
ぬいぐるみを大事に抱えて離さない子が
いるのです。



少し心細い気持ちを
お友達として支えてくれることを
知っているから。
とっても心強いんです。


大人の言うことを聞かなくても
大事なお友達のぬいぐるみが言ってくれたら
すんなり耳に入るのです。


---




保育士時代、
家から大好きな絵本やぬいぐるみ、
タオル、フィギュア、車
他にも色々。


大事に抱えて登園してくる
子どもたちがたくさんいました。


「大事なんだよね〜わかったよ。
保育園でなくさないように
OOちゃんのカバンに大事にしまっておこう。」



こんなふうに
お話ししたことはたくさんあります。



ちょっぴり大変な現実から
ちょっと目を背けて
ひと休みできる瞬間。

または、目を背けなくても
気持ちをわかってくれて
支えてくれる存在。




そんな存在が
もしいなかったらどうでしょう。

子どもだってストレスだらけで病みます。



毎日毎日楽しい保育園かもしれませんが
やっぱり集団行動ではあることには
変わりありません。

どんなに一人一人の興味関心を大切にしたくても

どれだけ遊びが盛り上がっていても、


その子1人だけ部屋に残して
みんなでお散歩にはいけないのです。



やっぱり遊びはどこかで中断させてしまうし、
子ども同士のトラブルもある。


ある程度のストレスと共に
毎日過ごしています。


現実だけ見ていても、
楽しくないことはあるのです。


だから、

イマジネーション。
物語の力は偉大です。


子どもによってはイマジナリーフレンドと言って
空想のお友達と出会う子もいるようですね。

その子の心を支えてくれる
絶対的存在。


そして
もう少し大人になったら
そのお友達とさよならする時が来ます。



言葉がうまく話せるようになって
感情のコントロールも
少しずつできるようになると

心のお友達に支えられなくても
現実のお友達が支えてくれます。
大人もより、
その子の気持ちが
わかってあげられるようになります。


現実から少し距離を取る力。


健康に生きていくためにも
とっても必要な力です。


私は27歳ですが
まだまだ現実逃避力に支えられて
生きています。



小説の世界にどっぷり浸ったり
アニメ映画を観て感動して号泣したり
推しを応援したり、
それこそ、絵本を読んだり。

お酒に酔って、夫と
カラオケで大熱唱して踊り狂ったり。



そうやって日々、生きています。


一人っ子だからか、
1人で遊んだ時間も多いからか、
私はよく、
現実逃避力を発揮していると思います。


友達によく、
「じじは本当にポジティブだね!」
と言われることが多いですが、


本当はそんなことはない。

だけど、
現実逃避力が私をポジティブにしてくれてると
思うは確かです。



みなさんはどうですか?

現実逃避、できていますか?


身体は現実に縛りつけられていますが、
心の中と頭の中は自由です!

さぁ!無限の彼方へ!!!🚀



大人の私たちには
わかりきれないところもあるかもしれませんが、


子どもたちのちょっぴり不思議な
自由な世界も
ぜひ楽しんでみてくださいね♪



絵を描いている時もいいですね、

「たくさん描いてるね〜」
と声をかけてみると

いろいろお話ししてくれますよ😁


「何描いてるの?」
と明確なものを求めるのではなく


「赤で描いたんだ〜」
「丸を描いたんだね〜」

とその子の行動を言葉にしていくと
信じられないほどの
世界が紙の中に広がっていることを
教えてくれる時があります。


ピンク色の一本線と

緑色のぐるぐる線。


さて、
ここにはどんな物語が
秘められているのか。


続きは
子どもたちの心の中に🎵




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