千壽智明 / 別府 海地獄

大分県別府にある海地獄の5代目。2014年に別府へUターン、2017年4月、先代である…

千壽智明 / 別府 海地獄

大分県別府にある海地獄の5代目。2014年に別府へUターン、2017年4月、先代である父が他界したのを契機に代表へ就任。2022年冬には、別府の鉄輪エリアに”地獄を再定義する”「地獄温泉ミュージアム」をオープンする予定です。 https://jigoku-museum.com/

最近の記事

地獄温泉ミュージアムが伝えたいメッセージとは?

地獄温泉ミュージアムは2022年12月オープンに向けて、順調に建築が進んでいます。最後まで大きなトラブルがありませんように…と願うばかりです。 さて、チーム全体として、今最も注力し議論を重ねているのが、各体験コンテンツの精査です。ほぼ内容は決まっているのですが、もうひと工夫、どのようにしたら楽しんでいただけるか、新しい気づきを得ていただけるか、細部にわたって検討を重ねていかなければなりません。 そこで大切なことが、そもそもどのようなことを発信するミュージアムなのか、いわゆ

    • 2022年、新施設「地獄温泉ミュージアム」をつくります。

      この度、タイトルにある通り、2022年冬オープンを目標にミュージアムを作ることになりました。その名も「地獄温泉ミュージアム」です。 さらっと言いましたが、とても震える程の一大決心です。普遍的な自然資産である温泉と、別府が独自に育んできた“地獄”という文化にしっかりと向き合い、多くの人に分かりやすく伝えて、その価値に共感していただきたい。そんな想いをぎゅっと込めたミュージアムを作るというのですから。 別府は様々な所に温泉があり、それを楽しく活用したいという素敵な人が多くいる

      • 創業104年、29歳のアトツギがはじめた地獄の新しい届け方

        海地獄にアトツギとしてUターンして早くも7年ほどが経過しました。今振り返ると、当初はアトツギとしての自分の立ち位置を必死に模索していたように思います。 100年以上続く施設なので成熟している部分があるし、長期間従事して頂いている職員も多くいる。そのような中でぽっと出の若造が信頼を得るのってとても難しいなと考えていました。アトツギの方によくある最初の障壁ではないでしょうか。 僕が目論んだのは、施設として未だかつてやったことないことを実行すること、そして内外に評価してもらうよ

        • 文化的な「地獄」の歴史は価値になるのか?(後編)

          とっても久しぶりな投稿となりました。外部環境は依然改善の兆しを見せず観光分野は厳しい状況が続いておりますが、何とか施設運営は踏ん張りつつ、未来へ向けた仕込みもコツコツと進めていっております。いずれにせよ、健康であることが一番大切ですね!蔓延している情報に惑わされることなく、ウィルスの脅威に気を付けて、身近な人たちの安全を確保していきましょうね。 さて記事タイトルに(後編)とありますが、久しぶり過ぎて(前編)って何やねん、と思われる方もいらっしゃるでしょうからリンクを貼ってお

        地獄温泉ミュージアムが伝えたいメッセージとは?

          文化的な「地獄」の歴史は価値になるのか?(前編)

          最近は息子の成長速度に驚かされる新米お父さんとしての日々を過ごしています。昨日まで手が届かなかったものや登れなかったものに、手が届くようになってたり登れるようになってたり、1日でこんなにも進化するんだと、キャッチアップするのに精一杯です。 さて2021年は、そんな息子が1歳、僕は36歳、そして海地獄が111歳となる年。息子に負けじと、僕も海地獄も成長していきたいところですが、細胞の活性化レベルでは息子には到底及びません。では何を武器にするか?というと積み重ねてきた経験と実績

          文化的な「地獄」の歴史は価値になるのか?(前編)

          当たり前の「地獄」の家業を事業として捉え直す

          新型コロナウィルスが日本で流行し始めて約1年が経過しました。大分県で初めて感染の報告があったのが2020年の3月3日。我が家でも妻が妊娠中ということもあって、いよいよ気をつけなければいけないと、自分事化したのがちょうど1年前。率直な感想を言うと、あっという間の1年でした。真夏でもマスクをするし、季節行事はほぼ全て中止で、時の流れのメリハリがなく惰性感がありましたよね。四季折々を大切にする日本特有の文化の大切さを改めて実感しました。 一方で、施設運営事業者としては苦しい1年で

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          地獄にある極楽、50年以上続く「温室」にまつわる3つの心温まる物語

          最近は少しずつ(ほんとに少しですが)、お客様が増えたような気がします。特に若い世代のグループやカップルが多く、楽しそうに園内を歩いているのをみると微笑ましく思います。今なら海地獄にある足湯もほぼ貸切状態で使えるのでおすすめですよ(笑)。感染症対策もしっかりと守って頂いているので感謝ですね。オンラインでは感じられない、現地だからこそ触れることのできる温かい価値を、このnoteでも発信し続けていきます。 さて、海地獄は地獄以外にも様々なコンテンツがあるのですが、その中でも今回は

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          海のように青いから海地獄

          毎朝出勤すると、変わらず湧き続けてくれてる海地獄を見て、ほっとするのと有難いなあと自然の恵みに感謝してるのですが、最近は時節柄お客様が少ないですから開園後もほぼ独占して眺め続けることができます。もくもくと湧き上がる湯煙をぼーっと眺めると心が無になり煩わしいことも忘れて、さあ今日も頑張ろうという気持ちにさせてくれる、そんな贅沢な時間を独占できてるのですよ。良いですよねー、いや、良くない、やはり多くの皆様とこの景色を共有したい!ということで、いつの日か安心して旅行ができる時まで、

          海のように青いから海地獄

          海地獄がこれまでも、そしてこれからも大切にしていく価値

          大寒波、緊急事態宣言とネガティブなニュースが続く昨今ですが、今が辛抱時としっかり前を向いて未来への仕込みをしていきたい所です。 さて、今回は僕達が運営している海地獄の魅力を「景観が素敵!」というテーマで綴っていきます。ご来場頂いた皆様がどこを評価されるかはそれぞれですし、評価してくれることは全て嬉しいです(お叱りの言葉は真摯に受け止めます)。その中で、新たな見方で海地獄を楽しんで頂けるように、僕なりに大切にしてる「海地獄の本質的な価値」を整理してお伝えしたいと思います。

          海地獄がこれまでも、そしてこれからも大切にしていく価値

          「地獄」を継承するということ

          はじめまして、千壽智明(せんじゅ ともあき)と申します。大分県別府市にある明治43年創業の国指定名勝「海地獄」の5代目の代表をしています。別府で育ち、大学進学を機に上京後、大手印刷会社へ就職。6年間働き、2014年にUターンしました。2017年、先代である父が他界したのを契機に5代目の代表へ就任し現在に至ります。(その辺の経緯はまた別の機会でお話させてください。) 「地獄」とは何か千壽家は、明治43年に曾祖父が開業して以来、代々「地獄」を経営しております。そこで「地獄って何

          「地獄」を継承するということ