意を決してそれを掴む。 私はまだ目を開けられないでいる。 意を決して目を開ける。 パラパラと手からこぼれ落ちる…。 それはあの日、僕が失った君との、暑い短い思い出の夏のようで… タンタタタタタタン〜♪タンタタタタタ〜ン♪ BGM(脳内かYouTubeで「夏の日の1993」somg by classをお願いします) この話は私がまだ10代の頃、あの夏に起こった恋。 ビーチなボーイズな青春の思い出とはむしろなんの関係もない、アラサーの私(しかも冬)の身に起こった、
空に手を伸ばして、星を掴んでみようとする。そらぁ星は売店で売っている金平糖のように、手を伸ばしても手に入る事はない。もう大人だから理解に容易い。 小さい頃透明に近い風船に入れた水が綺麗で、「なんとかこのまま固まらんかな?」とぶにぶに握りながら考えた事がある。 冷凍庫で固めると氷になるけど、溶けるやろう。そのまま保存なんてもんはできない訳で。 散々ああだこうだつべこべと言ってみたけれど、この例えは全部私のこれまでの上手くいかなかった恋愛を、なんとか美しく綺麗にどうにか表現
先日、広島は宮島にある小さな水族館に訪れた。 ペンギンコーナーには、沢山のペンギンが泳いだりはしゃいだり、バタバタしたり、昼寝をかましたりしていた。 そんな中にいた一羽だけが、そこについている小さな窓から顔を離さず、ずっと外を眺めていた。 私が逆からその窓を除くと、そのペンギンの顔がドアップで見られた。 「あら、可愛らしい。こんにちは」などと心の中で話しかける。ペンギンは驚く事もなく、私の顔をじっとみている。実に人間慣れしていらっしゃる。 私はもちろん、動物と話せる
2年。 最後のnoteの更新が2年前である。 「う、うせやろ工藤…こらぁ!事件やでぇ!だれかが時間を盗んどるでぇ!!!」 関西人は心の中に服部平次を飼っている。「イントネーション違うやん!喋り方おかしいやん!こんなん関西弁ちゃうやん!」とかいいながらもニヤニヤしながら平次の話しをし、関西弁キャラが出てくると喜び、そのキャラに愛着を持つ。 めっちゃ話それたけど、言いたかった、語りたかったのは服部平次の話ではない。 ほんまに時が流れるのは早い。 noteに久しぶりにロ
友人アリサ「なぁ!?ディック!!腹筋バキバキやな!!ディック!!」 「ドスコイ英会話」これはまだコロナ禍前に、足しげく外人BARに通う私が名付けた「レッツ外人捕まえて、英会話しようぜ!」の会合の名前である。 私と親友二人のかしまし娘。三人で結成されたグループ。 このメンバーでほぼ毎週末、飲みに出掛けてはどすこい英会話しに外人BARで締める。 と言う飲み会を行っていた。 ある夜、いつも通りタイ料理を嗜み、かしましの一人であるアリサのお気に入りのBARで一杯(数十杯)やっ
海辺でアベックが頬を赤らめティー片手にデートをしている。私は今日も片手にビールを持ち、会話に花を、脳汁にビールを咲かせている。 そう、ここはスペインのビーチ。 私はあの時、スペインのビーチにいた。 ここスペインのビーチでは、ヌーディストビーチではないんだろうな?という感じでたまにおっぱい丸出しの金髪のちゃんねー達が海辺ではしゃぎ、日焼けを楽しんでいた。 私達もビール片手に海辺を散歩していた。 「スペイン、ここは自由の国やな。」と思いながら歩いているとふと疑問がよぎった。
大阪は新世界にある、コンビニのイートインでワンカップを片手に、老婆は二頭の虎のぬいぐるみに、突然大きな声でこう言った。 「そんなんゆうたかて、私にもいろいろあるねん!」 先日、大阪は新世界(アホーニューワールド)のコンビニ内にあるイートインで、一際、目を引くお婆さんが、ワンカップを片手に立ち飲みをしていた。 (立ち飲み、立ち食いスタイル。コンビニまでもが新世界らしい。ここは下界から切り取られた街。アホーニューワールド。コンビニにもぞろぞろと、ワンカップやストロング缶を片
「私、焼き鳥が食べたい。」 「わかった、じゃあトリキでええやん。トリキ行こ。」 数年前のある日、数年ぶりに再開したメンズとデートする事になった。 ひょんな事から再び連絡を取り出し、 「久しぶりにデートしようや。」と誘われたので、デートする事になったのだ。 彼とは昔、何度か遊んだものの、良き友人、飲み友達止まりだった。 顔がイケメンで、とても優しく、悪戯っぽく笑う笑顔が印象的だ。 当時、少し気になっていた時期もあったので、内心久しぶりの再開、デートに胸を躍らせてい
「あの…ユリア…すごく…言いにくいんだけどさ…ユリアってブハッ…にょ… ユリアって名前…英語では尿、おしっこって言う意味だって…知ってた…??ブハッハハ」 私はその時海外のBARにいた。 現地でできた外国人の友人に、突然衝撃の告白。 「ユアーネームイズ尿!」 『え?マイネームイズ!尿!?!」を聞かされた瞬間である。 あまりの衝撃にカウンターで酒を吹き、ジントニックのライムを飛ばし、ついでに椅子からも笑い転げ落ちた。 私の名前は尿。英語では、おしっこ、尿、または尿
「何その髪型!和田アキコやん!」 父はここ数年、いや10年ほど、美容室から帰ってくると和田アキコになって帰ってくる。 父は控えめに言ってもイケメンだ。 ゴルフで色がいつも黒く焼けていて、 おしゃれと香水と柔軟剤が好きで、世間で言われるおっさん臭、おっさんくさいなどと、思った事もない。 「いつもええ匂いしてるやんけ。」 それがうちの父。 顔はジョン・トラボルタに似ている。 そんな私は父に顔がそっくりで、海外に行くとインドネシア語で話しかけられたり、よくわからない言
明け方の三時、他人のセックスで目が覚めた。 木造でできたコテージのような建物。プールが大、小二つ。木でできたブラインドを覗くと、朝から夜まで多国籍のボーイ&ガールズがキャッキャキャッキャと楽しそうに泳いでいる。 この付近で日本人は、私だけの様だった。 宿に泊まっているのは、英語を話せる人ばかりで、皆バカンスに訪れているようだった。 14畳程の部屋には、トイレとシャワー、そして一つ一つがカーテンで囲われた二段ベットが、縦に二つと向かい側に一つ並ぶ。 六人の素泊まり部屋。
今夜18時、8年ぶりに東京事変のライブを観る。 東京事変がどれだけすごいバンドかと言うところを手短にまず説明したい。 メンバー構成が、目ん玉もドタマもカチ抜かれて飛び出るぐらいにすごい。 大物ミュージシャンの椎名林檎を筆頭に、 日本の名プロデューサー、星野源と米津玄師のサポーターにRADWIMPS、 フジファブリックのサポーター。 亀田誠治に浮雲、伊澤一葉に畑利樹。 今をときめく名アーティストに愛される楽器隊ばかりである。作詞作曲も各自こなす。 そんな楽器隊を、椎
顔中、ピアスと刺青だらけ、ブレイズのブロンドヘアーのよく似合う彼女はタバコをふかし、涙を浮かべながらこう言った。「これからもう、わたしどう生きたら良いのかわからない。」 去年の11月、私は一人クアルランプールにいた。 シンガポールのホステルで出会った、イギリス人で身体も笑顔も、ハートもビックな大好きなローラを追いかけ一人クアルランプールへとたどり着いた。 ローラとは数日間、実に自由にお互い別々に取った宿を行き来しながらプランを立て、酒を毎晩酌み交わしクアルランプールを共に
今年の夏わたしは歳を取らない事に決めた。 点と点が繋がるように、そして線になっていく、それが人生なのだと昔の人や本の中の人、偉い人は言ったし、縦の糸はあなた、横の糸はわたし、と中島みゆきは歌っていた。 平凡な日常、なんとなくすぎる日々、そんな日々が長く続く。そして突然、その点となる日がやってくるのだ。 「おおきな点となる日」 そんな日は悲しい出来事だったり、転職だったり学校だったり、君のおもう「点となる日」はきっと、みんな違うだろう。 退屈で平凡、型抜きのおにぎりのよ
私は20歳の頃、某ミュージックスクールに通っていた。 ある日そこの初期、クラスメイトで、意気投合した友人AとAの彼氏と飲みに行く事になった。 Aの彼氏が友人を連れてくると言い出し 四人で飲みに行くことになった。 このAは私より少し年下なのだが 父親程の年上好きのおじさまキラーで 当時の彼も私の父親と同じ歳だった。 私の父と母はかなり若く、 その周りの友人皆が、周りではじめての子供として、とても可愛がって皆で私を育ててくれた為、私は歳上すぎる男性ははっきり言って父の
昨夜、久しぶりにかしまし娘的なアラサー女子 グループ三人で我が家に集まった。 2週間全員自粛してるしって事で、久しぶりにオンラインではなくサクッと集まろう!と、いうより ダメンズウォーカーと名高い友人Aが 「第四出動」をかましてきたのである。 (ナレーターこと私:み〜なすぁあん、東京タラレバ娘をご存知でしょうか。「第四出動」とは、永遠の娘。こと「アラサーのみやびな集い」で用いられる緊急警笛の事どぅぇえす。 第四出動・・男がらみの緊急事態(★★★★) ︎第三出動・・悪