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日常:2019/3/15 日本の、何でもない春の空

早朝、東海道新幹線の車窓。
急いで流れる街の背景の、捉え切れないほど薄い水色に惹かれた。晴れた空にかかる水色は、うっすらと下方にグラデーションを伸ばし、山裾にかけて白く濁って落ちる。

スマホカメラのイメージセンサーでは、その深度も解像感も分解しきれない、それは何でもない空。この淡さを花粉なのかPMなのかと言えば、それまでだけど。

今日もあわただしく西へ東へ、ビジネスマンは往来する。都市と都市のあいだをスキップしながら。わき目も振らず、会議資料をつくりながら。熟睡しながら。

あらゆるものが定義済みで、検索で都合良く答えあわせをして、しかし何にもならない、置き去りにしてきた心はいま、どこにいるんだろう。はっきりしない煮えきらないルサンチマンとまとめ、焦点も定まらないまま空に預けて、長い息といっしょに吐き出してしまえ。考えるのはそのあとにしよう。

もし、サポートいただけるほどの何かが与えられるなら、近い分野で思索にふけり、また違う何かを書いてみたいと思います。