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オリパラを『あとの祭り』にしない | 声を上げるべき4つの問題【後編】

東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたって起きた、多くの問題。『あとの祭り』にしないために、それぞれの問題についてふれ、ご紹介します。
※こちらの記事は前編・後編に分かれています。

▼前編記事はこちら


楽曲担当だった音楽家の『障害者差別』と『いじめ矮小化』

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開会式の楽曲制作を担当する予定だったミュージシャンが、過去のインタビュー記事などで、知的障害のある同級生へのいじめについて武勇伝のように語っていた問題。世間からのバッシングによりミュージシャンは辞任に追い込まれましたが、JOCに対する不信感が強まる出来事となりました。

この件で問題となったのが『障害者への差別』と『いじめの矮小化』です。(なお、障害者への差別については、本人はいじめのひとつとして考えているようです。)

障害者差別は『障害者を差別しないこと』を考えるよりも、差別する必要がなくなるような環境整備や仕掛け作りを考えていく方が建設的です。差別する・されるといった認識自体を変えなければなりません。

また、いかなる『いじめ』も犯罪行為に繋がる可能性が高いことを今一度周知する必要があります。いじめという言葉で誤魔化されている多くの行為は犯罪です。

●殴る・蹴る
→暴行
●相手のものを盗る
→窃盗
●言葉によって追い詰める
→名誉毀損および損害賠償の対象
●自殺に追い込む
→ 自殺関与・同意殺人

いじめが内包している犯罪行為は『こども六法プロジェクト』でわかりやすく紹介されています。


波紋を呼んだ絵本作家の起用と辞退

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オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに出演が予定されていた、絵本作家のアサインも話題となりました。

この絵本作家は、ベストセラーとされる絵本も何冊か出版する一方で、読者対象である母親そして子どもから一部深刻なバッシングも受けていました。

その結果、起用について批判的意見が上回り、直前での辞退となりました。


『ホロコースト』の矮小化による演出担当の解任

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開会式演出担当が過去のコント作品の中で、世界的悲劇『ホロコースト』をネタにした発言をしたことで批判があがり、解任された件。

日本は海外からの情報が比較的入りにくい性質をもつことから、旧ソ連やベルリンなどの世界的事件をよく知らない人もいます。また、国内での東京大空襲、ひめゆりの悲劇などについても十分に知られているとは言い難い現状です。

オリンピック・パラリンピックは平和の祭典でもあり、その平和に至るまで何があったのかを考え、またこれまで日本国内で『よし』とされていたネタとして嘲笑する文化を変えていかなければなりません。


問われているのは国民としてのモラル

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オリンピック・パラリンピックでは、さまざまな背景を持った方々が出場します。

今回の開会式ではキャスティング内容が直前まで明かされない方向で進み、土壇場でトラブルが発生しました。

辞退や解任に至ったスキャンダルのなかには、その当人だけが問題ではなく日本社会が本来内包し続けていた闇の部分も多く浮き彫りとなりました。


『あとの祭り』で葬ってはいけない

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『東京2020 オリンピック・パラリンピック』では多くの問題が浮き彫りになりました。

・男尊女卑の体質
・LGBTQ+への理解
・障害者への差別や、いじめの矮小化
・不幸をネタにしてしまう嘲笑的文化

これらはオリンピック・パラリンピックが開催されたからといって、問題が解決されたことにはなりません。

むしろ、大きなイベントをきっかけとして声を上げていくべき問題でしょう。ビジネスの基本であるPDCAを、社会のなかでも回していくチャンスではないかと思います。

-----------------------------------------------------------【告知】
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