女子力って何?やめられない理由とこれからのジェンダー
女子力とは、『家庭的』『フェミニンなさま』といった性役割や容姿の固定概念を押し付ける言葉のひとつです。メディアから広まり始めた女子力は、今では日常会話でも頻繁に使われるようになりました。
今回は、女子力とこれからのジェンダーについてご紹介します。
女子力とは | どんなときに使う?
女子力とは「女性(女子)ならこうあるべき」を押し付ける言葉のひとつです。
・「自炊や掃除が得意だ」と言ったとき
・サラダを取り分けたとき
・ウェットティッシュやハンカチなどを持っていたとき
・ハンドクリームを貸したとき
・ファッションやコスメ選びのとき…etc
このような状況で『女子力』や『女子力をあげる』といった言葉が使われます。
『女子力』に踊らされ続ける私たち
雑誌やメディアでは『女子力UP』という見出しで、コスメからファッション、生活習慣までもとりあげられています。
これらは商品やサービスをの売り文句でしかなかったのですが、日常にも定着してジェンダー規範と化しています。
一方で「女子力じゃなくて人間力」「いちいち女子力って使わないでほしい」と言った声も寄せられています。
それでも『女子力』をやめられない
それでも女子力をやめられないのは、私たち自身が無意識に『ジェンダー規範』に縛られているからではないでしょうか。
実際には女性の性役割という考えが古くなり、時代はジェンダーレスへと変わってきています。それでも周囲の人々や自分自身が、ジェンダー規範に囚われていると『女子力』といってしまうのが適当な表現のように思えてしまうのです。
『女子力』なんて『ない』
女子力の正体は、私たち自身が作り出した幻像です。
メイク、ネイル、料理も…その人を魅力的にする要素のひとつでしかありません。
また家事や掃除のアウトソーシングも盛んなため、家事掃除についてはできても・できなくても問題にならなくなりました。
女子力を使わないコミュニケーション
女子力は、ポジティブな褒め言葉として、または嫌味を隠すために用いられています。これは言葉のすり替えでしかなく、本来のコミュニケーションから逸れてしまいます。
●行動に対してそのまま感謝をする
→「(サラダを)取り分けてくれてありがとう!」
●モノに対してそのまま評価する
→「ネイル素敵ね!」
そのままを伝えるというコミュニケーションにしていくことで、『女子力』を使わなくても相手に気持ちを伝えることができます。
女子力でジェンダー規範を見直す
女子力という言葉は、私たちが使うほどに自分自身の言動に制限をかけてしまうジェンダー規範の呪いです。
ジェンダー規範とは、男性/女性といった性別による性役割の押し付けこと。性が男女2種類しかないという前提のもと設定された、今の時代にそぐわない考えです。
私たちは同じように日々働き、生活して、子育てをしています。身体的構造による理由で、一部を女性/男性が担うこともありますが、その他のジェンダー規範のすべてを背負う必要性はありません。
女子力はもうやめてしまいませんか。
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