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『シャザム!』に出てくる他のDC映画のキャラはフィクションだと見なせる証拠

私は映画『シャザム!』に出てくる他のDCヒーローは全て「架空の存在」として扱われていると考えています

状況証拠を確認していきましょう。

▼デパートにて:

まずは映画の中でも目立っていたバットマンの大きな人形です。本作の公開当時に展開されていたDCEUでベン・アフレックが演じていたバットマンとは明らかにデザインが異なります。

しかしよく見ると左上の棚にはアフレックのバットマンと、レイ・フィッシャーのサイボーグの人形もあります。この世界にはバージョン違いの複数のバットマンが存在するのでしょうか。

さらに右の奥には「ボーイズ・コスチューム」としてスーパーマンの仮装グッズまであります。エスの形から判断してヘンリー・カヴィルのタイプでしょう。さらに右端からはフラッシュの人形も見切れており、箱の形状が一致するのでおそらくエズラ・ミラーのものだと思われます。

そして別のショットでは、画面の右側の棚一面にワンダーウーマンやメラやバットウーマンといった多数のDCキャラクターの人形が陳列されています。そして奥にはスーパーマンと同じタイプのバットマンとフラッシュの仮装グッズが吊るされています。さらに左側の棚にはバットマンのロゴが描かれた無数のオモチャが並んでいます。

ところで、もし本当にヒーローが実在する世界でこのような商品化ってされるものなのでしょうか。何かしらのオモチャは作られると思うのですが、肖像権の問題(利益を誰に還元すれば良いのか)もあり、正規のメーカーからこのように大きなデパートで堂々と販売されるのは、かなり考えにくいことです。出るとしてもドンキに売っているような微妙に変えてあるグレーな商品になるはずです。ライミ版だったと思いますがスパイダーマンの過去映画では露天商が怪しげなスパイダーマンのマスクをバイオリンを弾きながら売り捌くシーンがあったりしましたが、あれはリアルな描写だと思いました。

さらに別のショットではシャザムの後ろにバットモービルが見えます。かなり大きな箱のようですがbatmobileで画像検索したらすぐにウォルマートで見つかりました

https://www.walmart.com/ip/Batman-Batmobile-6-Volt-Battery-Powered-Ride-On/53341544

充電して自走するカートのようです。149ドルなので日本円で20,000円くらいですね。繰り返しになりますが、正体不明のコウモリコスプレ男による自警活動ヴィジランテが賛否両論されている世界で、このようなオモチャが作られるでしょうか。(有り得ないでしょう)

▼少年の部屋にて:

映画の終盤でシャザムがヴィランと夜のビル街で戦闘するシーンがあるのですが、この時にタワマンに住んでいる少年の描写があります。彼はアフレックとカヴィルと思しきフィギュアで『バットマンVSスーパーマン』を模して遊んでいるのですが、実際に目の前でシャザムが現れたのを見てショックを受けてオモチャを床に落とします。

物語の筋には全く影響しない、ただのお遊びのジョークとも言えそうですが、この世界ではスーパーマンはフィクションで、だからこそ現実のシャザムを目の当たりにして少年はこのリアクションを取ったと捉えることもできます。玩具(フィクション)に夢中だった子供が本物(リアル)を見て玩具を捨てるという描写は他の映画作品でも結構見られます。

それに、そうとでも捉えなければ「BvSよりもシャザムの方が面白いぜ!」という低知能な挑発・煽りということになってしまいます。本作のプロダクションにMad Ghost Productions(ジェフ・ジョーンズの会社)も名を連ねていることから邪推すると、そういう解釈もできてしまうのですが。笑。

▼フレディの部屋にて:

映画の中で示される順番としては、実はこれが一番早いのですが、ビリーが初めてフレディの部屋に入ったときに、フレディが自慢のコレクションを見せてくれます。バットラング(手裏剣)のレプリカと、スーパーマンに当たって潰れた銃弾と、スーパーマンの記事が掲載された新聞です。

スーパーマンの銃弾には「鑑定書」がついていましたが、私は拡大して読んでみましたが「これがスーパーマンの弾丸である」と明言する文言はありませんでした。とても巧妙な文章になっていて、子供なら誤魔化すこともできそうです。つまり率直に言って、フレディはどこかの怪しいECサイトで騙されてこの銃弾を購入した可能性があります。

フレディが引き出しに仕舞っていたGotham Free PressやDairy Planetはパッと見た感じではBvSに登場したものとロゴが同じでした。やや判断が難しいですが、日本でも何かのプロモーションで架空の新聞が印刷されて配布・販売される事例はあるので、こちらもその手の品だったのではないかと考えられます。

Batman v Superman: Dawn of Justice (2016)

フレディが着ているTシャツも注目です。

前面に大きくアクアマンの紋章がプリントされています。おそらくベルトのバックルを撮影したものでしょう。普通に考えて、アーサーがアパレルグッズ開発のために写真提供をすることなんてありえますかね?笑

もちろんこちらもウォルマートで買えますよ。笑。

https://www.walmart.com/ip/Aquaman-tsaquajlmsymL-Justice-League-Movie-Aquaman-Symbol-Mens-T-Shirt-Large/433936661

このようにフレディもスーパーヒーローを本心から信じているというよりは、架空の人物であることは知っていながら、でもきっと実在したら嬉しいなと心のどこかで信じ続けている、ある意味サンタクロースのような存在として認識しているのではないかと思われます。

もしかしたら意地になって学校などでも周りの友達に「ヒーローは実在するんだ!」と言い張っていたのかもしれません。そんな子供がアメリカの学校でどうなるかといったら、まあスクールカースト上位のイケてる子達にいじめられるのは目に見えていますよね。

▼だって映画の舞台が実在する街だもん:

Rocky (1976)

本作の特徴として、映画の舞台がフィラデルフィアであるということが言えます。この街は映画『ロッキー』で有名で、本作でもロッキーが駆け上がった階段が出てきます。主人公ビリーの小汚い身なりとか、不幸な境遇から能力を得て成長していく姿とか、愛する人(家族)を手に入れて幸せになるとか、そういう点でも『ロッキー』の物語を彷彿させる要素が多くて、私のように嬉しくなった映画ファンは少なくないでしょう。

重要なのは、本作は他のDC作品で出てくる街(メトロポリス、ゴッサム、セントラルシティ)ではなくて、実在する都市を舞台としていることです。ここにも他作品とは一線を画した意図が読み取れます。

▼カメオ出演の彼の謎:

さて、残る問題はただ一つ、ラストでカメオ出演するスーパーマンです。

学校のカフェテリアでフレディの元に、授業をサボった兄弟が集まって、シャザムに変身したビリーもやってきて、もう1人のスペシャルゲストということで、青いスーツの彼が現れて映画は終わります。

映画を観ている間ずっと私はスーパーマンは架空の人物扱いなのかなと思って観ていたので、最後に「彼」が出てきた時には私もフレディのように驚いたものです。

でも、どちらかというと感動よりは混乱に近かったですね。これまで述べてきた矛盾が解消できないことには納得できません。

ということで私は出した仮説は以下の3つです。

  1. この世界でも(少なくとも)スーパーマンは実在する。

  2. このカフェテリアのシーン自体がおまけのジョークである。

  3. ビリーがヘンリー・カヴィルを連れてきて撮影衣装を着せた。

1は特に説明しなくても大丈夫ですよね。異なるユニバースで、同じスーツを着ているスーパーマンがいる、それだけです。

2はちょっと分かりにくいですが、このシーンだけは監督や制作チームがお遊びで追加したという考え方です。この後すぐにエンディングに続くのですが、そこで流れる落書きアニメーションと同じ扱いです。そもそもフレディの兄弟が揃って授業をサボってランチしている時点で不自然なのです。あんなこといいな、できたらいいな、というノリだけで撮影したパンチライン(オチ)という寸法です。

3は一番現実味がある解決方法です。ある意味では一番夢を壊す解釈かもしれませんが。でも「ターミネーターに会いたい!」といつも言ってる友達にサプライズでシュワルツェネッガーを連れてきたら絶対に喜んでくれますよね。そんな感じです。シャザムが英国まで飛んで行って「ちょっと友達のために協力してください」ってお願いしたら、ヘンリー・カヴィルなら引き受けてくれそうじゃないですか。

https://laptrinhx.com/henry-cavill-rejoins-shazam-s-superman-cameo-scene-in-fan-image-4109484697/に掲載されていたコラ画像です。

= = =

▼シャザム2ではどうなるのか?

さて、時は経ち、2022年7月にサンディエゴコミックコン(San Diego Comic-Con International)でシャザムの第2作『Fury of the Gods』の予告編第1弾が公開されました。

そちらでなんとスナイダーが(監督またはプロデュース)した映画のフッテージが使用されていました。

ソファなどに体を横にして弱気なことを正直に話す(告白する)のは心理カウンセリングでも使われるテクニックですが、ここではシャザムが悩みを述べています。

僕はこのパワーに相応しくないよ。だって何も貢献してないだろ。赤いスーツを着た雷のようなスーパーヒーローならもう居るし、偉大であり文字通り身体がでかいアクアマン、それに超クールなバットマン!

この内容を受けて、スナイダーヴァース復活か?とTwitterは色めき立った(一部のスナイダー支持者はそれこそ予告編の他の要素をそっちのけでSnyderverseとBatfleckをゴリ押しw)ようですが、さてさて、どうなるのか。

ここで予告編に登場するフラッシュとアクアマンとバットマンは、シャザム(というかビリー)が以前に映画で観たのを思い出している可能性もあると私は考えているのですが、いかがでしょうか。

Shazam! Fury of the Godsは米国では2022年12月21日に公開予定。またいつもの「米国のクリスマス映画が日本の春先に公開」されるパターンですかね。。。

了。

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