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9月に観た新作映画

令和5年9月に観た新作映画は12(+8)本。
フェイバリットTOP3は…

🥇:ピギー
🥈:アステロイド・シティ
🥉:TMNTミュータントパニック!

4:BAD LANDS
5:ウェス・アンダーソン短編(*4作品まとめて)
6:ダリランド
7:フローラとマックス
8:赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
9:オオカミの家

初鑑賞の旧作では『ジャンゴ/繋がれざる者』が最高でした。これまで見逃してきたことを後悔するレベルで面白かったですね。

以下、観賞後のツイートを引用しながら、一言添えていきます。(*ブラウザのリーダー機能によってはツイートが表示されない場合があります)


▼アステロイド・シティ

ある架空の舞台と、その舞台を制作する舞台裏を同時並行で描く、というややこしい構成をしている映画でした。第三幕に限っては舞台本編をガッツリ削って見せないという大胆な演出が素晴らしかったと思います。

クリエイターがカットしたものに含まれていた美しきもの。そういうバックグラウンドを抱えているから人間は美しく、そして面白い。

R指定になっている『フレンチ・ディスパッチ』と比較するのは多少野暮かもしれませんが、Wアンダーソン作品にはある程度のエロスがあるのが私が好きな理由でもあるので、その点では少し物足りない感じは正直しました。

前作フレンチディスパッチと全く対照的な映画だったのも良かったと思います。両者を交互に観て比べたくなりました。

▼ダリランド

私は予告を観て、エズラ・ミラーのただならぬ雰囲気に惹かれて劇場観覧したのですが、正解でした。これはメアリー・ハロン監督も同じ感覚だったようです。しかし映画が完成した後にあのスキャンダルがあって、監督は相当お怒りだったらしいですね。

もともと監督は彼が爆売れする前から主人公役にエズラを希望していたが、当時は無名だったのでプロデューサー側がOKを出さず。しかしファンタビとフラッシュで一躍時の人になってしまった後では、逆にスケジュールが取れなくなり、仕方なく出番の少ない若き日のダリ役に変更することで起用していたそうです。

そこまで入れ込んでいた監督ならば、あのスキャンダルは相当残念だったでしょう。というか、本心ではスキャンダルなんてどうでも良いと思っていて、あくまで対外的には厳しい態度を見せている(ポージング)だけのような感じもしますけどねー。だってエズラが美しすぎるんだもの。クリエイターとしての目線なら、どんなパーソナリティであれ、美しくて才能がある俳優を使いたいでしょう。

▼ハイジャック

かなり面白いドラマだったと思います。

主人公の格好良さに対して、ハイジャック犯人グループと機長・乗務員のキャラ設定にはやや無理があったかなあと思いました。まあドラマ全体の魅力を損なうほどではなかったですが。

何シーズンも続くドラマシリーズも魅力的ですが、クイーンズ・ギャンビットやハイジャックのように1シーズンでしかも7話くらいで完結してくれると、映画とドラマのおいしいとこ取りができてる気がしますね。2時間では描けない深みや多層構造を作れるし、個人的には10話を超えると大抵飽きてしまうので一番丁度良い塩梅です。

*並べるとチェスで対戦してるように見えますね(笑)

▼●ジャンゴ/繋がれざる者

立川シネマシティの4K牧場音響上映が美しかったです。ジャンゴは現在では海外版も含めて2Kリリースしかなく、ラインナップ的に次はキルビルかジャンゴだと思いますので4K盤発売を待って購入したいと思います。私はパルプフィクションしか持ってないですが、ジャンゴは4Kで手元に欲しくなるやつでしたわ。アメリカの大自然が美しくて。

来年正月公開のレザボアドッグスも楽しみです。

▼オオカミの家

話題になるだけあるパワーのある映画でした。

チリ国の社会情勢や歴史を事前に知っておけば、もっと楽しめたかもしれません。モデルになっているのは実在した「コロニア・ディグニダ」という宗教コミュニティで、小児性犯罪者のユートピアだったとも言われ、奇しくも現在日本で話題のジャニーズ事務所を連想させます。

日本版のポスターはずいぶんデザインを変えてあるのも興味深い点です。積極的に怖がらせに行かないと伝わらない日本の文化という感じがしますね。

*でも正直、右のポスターにしたおかげで日本の客足は伸びたような気はします(笑)

▼●その男、凶暴につき

念願かなって遂に観られました。新文芸坐は文字通りの満席。ただ最近の4Kデジタルレストアに慣れてしまった身では、35mmフィルム特有の傷や音声ノイズが気になってしまいました。30年前の映画ですからあれでも状態は良い方だと思うのですが。(苦笑)

▼●ソナチネ

普通の人間の感覚ではなかなか難しい発想のジャンプや場面の転換が独自固有の味わいがあって良いですね。これを30年前にすでにやっていたのが凄いと思います。

▼赤ずきん、旅の途中で死体と出会う

本作は青柳碧人の原作小説の優秀なプロット(赤ずきんが探偵になって他の西洋童話で起きる殺人事件を解決する)と、橋本環奈のキャラ(背が低くて童顔で可愛い)が良くマッチした成功事例だと思います。

*少女版名探偵コナンかも?

中世ヨーロッパが舞台なのに日本人だけで演じてるのが『勇者ヨシヒコ』みたいで面白かったです。 最近はディズニーが実写リメイク映画で人種を変えたり家族で人種がごちゃ混ぜだったりで炎上することが多いですが、こうやって出演者全員の人種を統一すれば全く気になりません。

*映画の序盤に明らかなセルフオマージュがありました(笑)

▼●ミツバチのささやき

▼●PERFECT BLUE

映画としての上手さが強く印象に残りました。

旧作では今月2位です。

▼●007は二度死ぬ

日本が舞台ということで日本でも人気の作品なのかもしれませんが、明らかに馬鹿にされているのが透けて見えた気がして、好きになれませんでした。やたらセクシーな芸者ガールズや、英国紳士のレディファーストに対応する形でメンファーストと言うあたりまではまだ他愛のないシャレだと思えましたが、日本人の変装をして偽装結婚するあたりは愚の骨頂でしたね。

▼●パンズ・ラビリンス

参考: 1973年当時はスペイン国内の言論統制が厳しく直接的な政治批判はできなかった(処罰を受ける)ので、それと判らないように子供向け映画の名目で企画書を通して巧妙に隠して映画を作った。時代が変わって2007年に自由に直接的に描いたのがパンズラビリンス。

▼ミュータント・タートルズ/ミュータント・パニック!

これは「もっと評価されるべき作品」の筆頭になりそうです。スパイダーバース1の時もそうだったのですが、日本市場だと国産アニメ作品が強すぎるので海外アニメは軽視される傾向にありますね。

▼●ロシアより愛をこめて

古参ファンが口にする「理想のジェームズ・ボンド」とはこれだったのかと強く印象に残りました。

旧作では今月3位です。

▼ピギー

ホラー映画じゃなくて、青春映画でした。ジャンルの横断っぷりが素晴らしいです。

▼フローラとマックス

▼BAD LANDS

▼ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(など4本)

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語
白鳥
ねずみ捕りの男

▼さ〜て、来月の映画館は?

10月公開作品で気になるのは…

コカイン・ベア(9月公開キャリーオーバー)
リバイバル69/伝説のロックフェス(6日)
ザ・クリエイター/創造者(20日)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(20日)
ドミノ(27日)
ザ・キラー(27日:Netflix)
ペイン・ハスラーズ(27日:Netflix)
男と女(27日:午前十時の映画祭

ちょっと少なめですかね。

来月(以降)も楽しみです。

(了)

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