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12月に観た新作映画

Twitterのモーメント機能が閉じてしまったのでnoteに集めてみます。なおリーダー表示をONにしているとTwitterリンクが殆ど表示されないようです。是非OFFにしてご覧ください。原則として作品のネタバレはしません。


●12月第1週:

12月といえば、映画の日。

どうやら「金を払って劇場観覧」することに意義がありそうだったので、映画の日はレイトショーで観ました。(感想を書いたのは少し後になったけど)

母性』は伝説的問題作『告白』の湊かなえの小説原作ということで期待値を上げすぎたのかミステリー的な面白さは弱めでしたかね。行きすぎた異常な愛情の悲喜交交は堪能できました。あとはハコヅメコンビの再演とか、永野芽郁の存在感とか、エンタメ的な視点でも楽しめました。二人の見解の不一致が映画の肝ですが、小道具はあそこまで分かりやすくしなくても良かったかと、特に料理や弁当の中身の違いは「さすがに無理があるやろ」と思ってしまいました。アイデアとしては全く問題なかったので、シンプルに演出の好みの問題ですね。

この時期は2週間後に迫ったアバター2が本当に面白いのか疑心暗鬼でした。


●12月第2週:

12月に公開されたNetflix新作『トロール』がとても良かったです。こういうワンテーマで思いっきり突っ走る映画を撮れるのは本当に凄いと思います。本作については悪評をTwitterでほとんど見かけませんでした。

10月公開だった『グッド・ナース』も良かったです。派手な爆破シーンやカタルシスがあるわけでもないのに大規模予算を使えるNetflixは本当に凄いです。登録者数の減少を受けて路線変更するのではとも言われていますが、本当にそうなるのか、今はまだ数年前の企画を消化してる段階なのか、分かりませんが最近も変わらず尖った作品が多い気がします。

公開日付近の大混雑こそ避けましたが、スラムダンクも観ました。私は約20年前に原作コミックを一度読んで感動したくらいのライトユーザーですが映画は楽しめました。ただ「左手は添えるだけ」など名セリフが大量にカットされていたのには、少し寂しく感じました。大ヒットしているので続編(というか別キャラ目線での即時リブート)制作があるかもしれませんね。井上雄彦で一番好きなのはバガボンドなので早くそちらを完結させてほしいです。(苦笑)


●12月第3週:

Appleオリジナル『自由への道』は、2022年3月にアカデミー賞授賞式で暴行事件を起こしたウィル・スミスの長編映画復帰作です。彼は黒人奴隷をテーマにした映画はやらない主義だったと記憶しているのですが、心境の変化でもあったのでしょうか。これは推測ですが、プロジェクトが動き出したのは数年前だと思うのでおそらく政治家への転向を考えていた時期じゃないでしょうか。いろんな計画があのビンタ事件でグチャグチャになってそうです。映画は熱演でしたし、彼は良い俳優なので、どうにか第一線へカムバックしてほしいです。

邦題は明らかに現在のスミスの状態を意識したものになっていますね。原題のEmancipationは直訳で「解放」という単語ですが、大文字で始めると『リンカーン大統領による奴隷解放宣言』を指します。本作でもそちらの意味です。なんとも奇遇な巡り合わせですね。

私にはウィル・スミスに復帰してほしい明確な理由が一つあって、それはエアーカット(The Ayer Cut)です。すでにリークしている情報から、本作ではデッドショットが正真正銘の主役になり、レトジョは最凶のヴィランに振り切ることが明かされています。エアーカット公開のためにはスミスが禊ぎを終えることが必要不可欠です。近くサフラン&ガン体制の長期計画が発表される予定ですが、その一点のみ私は注目しています。

ちなみにマーゴット・ロビーが主演したバーズ・オブ・プレイも、邦題では『華麗なる覚醒』となっていましたが、原題はFantabulous Emancipationなので『マジでサイコーな奴隷解放宣言』というのが直訳になります。これも数奇な運命を感じます。(あの映画はハーレイが覚醒する話じゃなくて、ハーレイが女達を解放する話なので;タイトル詐欺してなきゃ内容ギャップによる低評価を減らせて、むしろフェミ界隈を動員して売上アップが狙えたかもしれないのに勿体無いですね)

実は2月の時点では、スミス本人が「エアーカットを観たい」と発言さえしていました。この後のアカデミー賞ビンタ事件で記憶から消し飛んだ人がほとんどかもしれませんが。(苦笑)

余談ですがスミスに加えて、エアーカット公開にはゲスト出演してるエズラ・ミラーの問題も解決する必要があるでしょう。マジで前途多難ですね。とりあえず2023年1月13日現在でバーモント州での強盗容疑については司法取引(答弁取引)が認められて、禁固90日(1年の保護観察つき)と罰金692ドルで合意した模様です。

グルーミング疑惑については昨年8月以降に大きな続報がないので、まだ係争中かこのまま何も起きないかのどちらかでしょう。

さて、閑話休題。

12月16日。待望のアバター2も無事に観覧できました。こちらはちゃんと期待通りに面白くて、物語の内容に加えて、そちらのメタ的な視点でも感動しました。

現在進行形で記事を増産中なのでマガジンのリンクを貼っておきます。


●12月第4週:

アバター2の複数の上映形態を堪能していました。

ドルビーシネマ3D・4K・48fps(吹替/字幕)★
IMAXレーザー3D・2K・48fps(字幕)
極上爆音上映2D・4K・24fps(字幕)
4DX Screen 3D・2K・24fps(字幕)
4DX Screen 2D・4K・24fps(字幕)★

そして映画館で今年最高クラスの名作日本映画に出会いました。アバター2とは対極にあるような映画でした。『ケイコ目を澄ませて』は静かな演出と岸井ゆきのの熱演が光る、とても余韻が残る素晴らしい映画です。ある意味でとても地味な映画なので、周りの音や光のノイズを遮断できる劇場で観覧することを推奨します。東京なら池袋シネマ・ロサでまだしばらく上映が続くようです。ロングランに相応しい映画だと思います。


●12月第5週:

2022年最後の週は、配信で見逃していた作品を一気に視聴しました。やはり年間ベスト10をつけるに際して、なるべく妥協したくなくて。Twitterで語り足りない作品は別で記事を執筆中です。

こうして並べるとNetflixの攻めた姿勢はまだまだ健在に思えます。2023年はザック・スナイダーの『Rebel Moon』が控えているので、Netflixにはまだまだ元気でいてもらわないと困ります。(笑)

ということで、2022年の大晦日は河瀨直美監督の東京2020オリンピックSIDE A&Bを2作続けて4時間で観ました。いやあ日本に住む当事者として、非常に考えさせられる作品でした。

河瀨直美は総監督という役職でしたが、一方でWriterとEditorでクレジットされているIkuno NAKAという人物が何者なのか気になります。Editorは7名居たようですが、Writerは1人なので、作品全体の方向性はこの人によってかなり定まっているような気がします。しかし公式ウェブサイトには何も書いてませんし、名前でGoogle検索しても殆ど情報が出てきません。


Twitterで映画ファンの皆さんの意見を参考にしていて感じたのは『コーダあいのうた』『リコリスピザ』『エルヴィス』の3本は観ておけば良かったです。年間トップ10に食い込むこともありそうな評判でした。

特にコーダはかなり興味があったのですが、日本語字幕ありで観るのが嫌で、少し待てばAppleTVの見放題で視聴できるのかと思って待っていたのですが、ギャガとの配給が拗れに拗れて、独占配信を開始したアマゾンプライムでは字幕が消せなくなっている有様で、断念しました。

これはもう悲劇でしかないです。独占配信は許すから字幕を消せるオプションをつけていただきたい。思えば、ギャガに買われたのが悲劇の始まりでした。いや、少なくない制作費を出したらしいので、作品を仕上げてくれたことには感謝しているのですが。いやー、あと数ヶ月程度待てばNetflixに来てくれるかしら。ギャガだからまあまあ期待できるような気もしますが。いっそ字幕が消せそうなAppleTVでレンタルしちゃうのも良いかもしれません。

満を辞して決定した、2022年マイベスト映画はこちら

了。

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