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骨盤の評価②

前回より骨盤の評価を整理しています。前回、骨盤輪が安定することの重要性が理解でき、その骨盤輪を構成する仙腸関節の評価方法について整理しました。
前回の内容はこちらから
臨床1年目の教科書
今回は骨盤を評価する際に一緒に確認しておきたい股関節について整理していきましょう。


1 特徴

上記でもあった通り、骨盤輪全体の安定性が、体幹の荷重を下肢に伝えるとされています。では、この骨盤輪はどうしたら安定するのでしょうか?

仙腸関節は前屈運動によって関節面の圧迫と剪断(摩擦)力が上昇し、それによって安定度も高まります。仙腸関節の安定性が生じる前屈運動は骨盤の完全前屈位です。したがって、前屈トルクを生む力が仙腸関節を安定化させます
つまり、骨盤前傾することで仙腸関節が安定し、その結果骨盤輪が安定します。

2 どう稼働しているのか?

骨盤前傾の重要性が理解できた次は、その前傾は機能解剖的にどのような動きで可能となっているのか?を整理しましょう。

骨盤前傾運動に伴い、股関節屈曲、腰椎・下部胸椎の伸展がみられた。また、骨盤後傾運動に伴い、股関節伸展、腰椎・下部胸椎の屈曲がみられた。骨盤可動範囲と下部胸椎可動範囲で正の相関(前傾運動時r=0.47,後傾運動時r=0.54)がみられた。
〔結語〕
骨盤前後傾運動中の脊椎・股関節の動きは相互に影響していた。

端座位における骨盤前後傾中の脊柱の運動分析より

と報告があります。
つまり、骨盤前傾には仙腸関節だけでなく、股関節、脊柱の動きの評価が必要になっていることが理解できます。

3 実際の評価方法

今回は股関節の評価法について整理しましょう。
座位の骨盤前傾には股関節の屈曲が必要となります。この股関節の屈曲ですが、運動学の参考可動域では125°とされています。
しかし、この可動域は骨盤後傾、腰椎の後弯が協調して可動した結果です。
実際股関節は屈曲をしていくと腸骨に大腿骨が衝突してしまい90°前後の可動域しかありません。
その純粋な股関節の屈曲可動域を確認していくことが重要です。
①腰椎の下にタオルを入れる
②股関節を屈曲して行く
③エンドフィールを感じとる
※ エンドフィールを感じた時の股関節の可動域を確認

4 まとめ

臨床では骨盤の前傾・後傾を評価しますが、前傾ができない原因を評価することは少ないです。その原因を評価するためにも前傾する際、関節はどう可動していくのか?を機能解剖で確認しましょう。
そのためにも、機能解剖を学ぶことをおすすめします。
ぜひ、一度ご自身でも機能解剖を確認してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。

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