福井淳一@海を渡った介護士

「日本の介護を世界に届けること」に情熱を注ぎます。外国人に介護を教えたり、異業種とコラ…

福井淳一@海を渡った介護士

「日本の介護を世界に届けること」に情熱を注ぎます。外国人に介護を教えたり、異業種とコラボして介護事業を開発をしたり、海外介護労働者を送り出したりしています。元プロボクサーの介護福祉士&社会福祉士&精神保健福祉士で、フィリピン在住です。

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日本の介護を世界に届ける

海を渡った介護士初めまして、福井淳一です。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士と、福祉系国家資格のすべてを取得した後に、日本の介護業界から離れました。 今はフィリピンから、〝日本の介護〟を眺めています。いつの間にか2020年になり、日本と介護業から離れて10年が過ぎました。そろそろ、眺めるだけではなくてアクションを起こしていきます。 まずは自己紹介をしますね。私が福祉系大学に在学中、介護保険制度が始まりました。介護が福祉からサービス業へと変わったのです。 共に福祉を学

    • レスキューヘルパー、エピローグ 

      「助ける」よりも「助けられる」方が、難しい。つまり、より人間力が問われるということです。 レスキューヘルパーの活動を通して、常に自分に問いかけていたことがあります。もし自分に介護が必要になった時、「助けて」と頼めるかどうか、です。 日本は成熟した国です。誰かに「助けて」とお願いしなくても、ある程度は国が助けてくれます。しかし、ひとたび海外に出たら、自己責任で生きていかなくてはいけません。 最終的には、自分で選んで海を渡ったのだから当然と言えば当然です。海外に出た日本人ま

      • レスキューヘルパー、最終回

        前回までにあらすじ イミグレーションから出国許可が出てからというもの、「一刻も早く帰国して治療を受けるべき」と主張する我々レスキューヘルパー側と、 「帰国する前にフィリピンでやり残したことを終わらせる」と主張する当人との間に、微妙な対立がありました。結果、帰国がずるずると延びてしまったのです。 しかし、「ずるずると、いたずらに帰国が遠ざかっている」というのは、あくまでもこちら側の視点であり、当人は、「着実に帰国の準備が整ってきている」となっていたようです。 驚くべきこ

        • 技を持った人が輝く時代

          メイドさんとドライバーに、在宅での介護指導を行いました。(詳細は下記の記事をご覧ください) 当日、依頼主のドライバーが自宅まで迎えに来てくれました。彼から、被介護者について断片的な情報を収集しつつも、ノープランで現場に向かいました。 小一時間ほどの車中で、ワクワクしている自分に気づきました。資格や肩書や会社の看板など、自分を彩る外側の膜を全て剥がして、「個」として、どうやって価値を生み出すことができるのだろうか。しかも、「介護」のプロフェッショナルとして、です。 アメリ

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        マガジン

        • 介護×外国人材
          1本
        • 介護とフィリピンと私の物語
          13本

        記事

          介護職が世界で活躍する道

          レスキューヘルパーの活動がきっかけで、介護指導の依頼が入りました。 在宅介護を行っているご家庭に訪問して、住み込みで働いているメイドさんやドライバーに介護のやり方を教えてほしいとのいうのがその内容です。 なるほど、世界に出るとこうゆう依頼があるのかという新鮮な驚きと、気づきがありました。 裕福な家庭であれば、たいてい住み込みや通いのメイドさん、そしてドライバーがいます。彼らは主(あるじ)であるその家族と共に生活をしています。一緒にいる時間が、長ければ長いほど、その家庭生

          介護職が世界で活躍する道

          外国人労働者から見る「日本」

          先月、フィリピンの送り出し機関3社合同で「日本語スピーチコンテスト」を開催しました。日本からスピーチのプロをお招きしてのイベントです。 テーマは「日本の好きなところは何ですか」 事前にお題は与えられていて、各自持ち時間は40秒です。参加者はみな日本就労を目指し、日本語を学んでいる学生さん達です。 彼らのスピーチを聞き、私は何度も感動の涙を流しました。 40秒という限られた時間と、限られた語学力の中から絞り出した言葉は、ストレートに聴衆の心を掴みます。言葉に彼らの想いが

          外国人労働者から見る「日本」

          レスキューヘルパー、イミグレーション編

          出国に向けて大きく前進しました。1カ月前のレスキューヘルパー2日目に、当人を救急外来に連れていきました。糖尿病と栄養失調でかなり身体が衰弱していたからです。 幸運にも、栄養失調のため血糖値が低く保たれており、脚を切断するという事態は免れました。それでも、医者の診断書には、「すぐに帰国して治療をするように」と書かれてます。にもかかわらず、あれから1カ月以上経ちました。入管から出国許可が下りなかったためです。 その間、当人をほったらかしにしておくわけにはいきません。私と友人と

          レスキューヘルパー、イミグレーション編

          レスキューヘルパー3日目@フィリピン

          当初の希望的観測では、受診後の一週間以内に当人は治療のため出国。そして、私のヘルパー業も、お役御免になるはずでしたが、未だ継続中です。 空港までの移動介護と、当人が飛びだった後の部屋の掃除のために空けておいた私の休日は、ただの訪問介護の日になってしまいました。 訪問介護は午後2時からです。午前中に時間が出来たので、せっかくだから、本人が食べたがっていた、日本そばと、ほうれん草のおひたしを作りました。ついでに、ひじきの煮物と豚汁も作りましたので、それら全て差し入れで持ってい

          レスキューヘルパー3日目@フィリピン

          レスキューヘルパー2日目@フィリピン

          「早く病院に連れて行かないとまずいよ」と友人の看護師に言われた時、私は翌日の予定をすべてキャンセルして、通院同行することを決めました。 -歩けない人を病院に連れていくこと。 -病院側と英語でコミュニケーションをとること。 -限られた予算の中で、本当に必要な検査と処置だけをしてもらうように、医者と交渉をすること。 -感染症を防ぐために清潔な生活環境を整えること。 ざっと考えても、これら4つのタスクを、翌朝実行できる人は、マニラにおいて、私しかいないという結論に達したか

          レスキューヘルパー2日目@フィリピン

          レスキューヘルパー1日目@フィリピン

          フィリピン国内では、私は介護の人という認知が広がっています。おかげで、「介護」に関する様々な依頼や相談事が届きます。基本的に〝人に親切にする〟を生き方の軸においていますので、できる範囲で相談にのるようにしています。 先週のことです。「介護が必要な人がいるので、誰か派遣してもらえませんか」と友人から相談がありました。 友人からの断片的な情報では、「寝たきり」「糖尿病」「足が腫れている」「立てない」「一人暮らし」。そして、先行して水を届けに行ったフィリピン人ドライバーの情報で

          レスキューヘルパー1日目@フィリピン

          介護を使って外貨を稼ぐための第一歩

          日本の介護を英語で教えていて、違和感のある単語が2つあります。「介護福祉士」と「自立支援」です。 「自立支援」に関して言えば、ジリツの意味に「自立」と「自律」が含まれているため、自立を英訳した「Independence」だけだと、「自律」の意味が抜け落ちてしまいます。「Autonomy (自律)」の説明が必要です。 例えば、自立支援の文脈で、自己選択や自己決定を語るのであれば、「自立支援」の英訳は、「Self-independence support」ではなく、「Supp

          介護を使って外貨を稼ぐための第一歩

          外国人ケアワーカーに「マジック」を教えよう@フィリピン

          私は、2011年からフィリピンに住んでいます。 フィリピン人ケアワーカーを育成して、送り出す仕事をしています。こちらの記事が私の自己紹介になります。 私がフィリピンに来た理由は至極明快です。世界中の介護現場で活躍している民族がフィリピン人だったからです。それ以上でも、それ以下でもありません。 日本人と比較するかたちで、彼らの特徴を端的に挙げると、 語学力 柔軟性 プレゼンテーション力 だと思います。彼らは語学に優れ、柔軟性があるため、世界中が彼らの職場になっていま

          外国人ケアワーカーに「マジック」を教えよう@フィリピン

          外国人ヘルパーの解禁間近

          深刻なヘルパー不足が引き金になって、ようやく訪問介護の扉が開きそうです。規制緩和も時間の問題だと思っていましたが、「遂に来たか」という感じです。 コロナ禍の2年間は、ヘルパーとして徹底的に現場で修行してきましたので、「外国人労働者」と「ヘルパー」を結びつけるイメージは出来上がっています。 というよりも、20代の時は私自身が、アメリカで、「外国人ヘルパー」として働きました。チャイニーズアメリカンのおばあちゃんの在宅介護でした。私は夜勤担当だったので、寝たきりのおばあちゃんの

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          Differences in Body Shape Requirements between Facility Care and Home Care in Japanese Nursing Care

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          施設介護で求められる体形、在宅介護で求められる体形

          施設介護で求められる体形、在宅介護で求められる体形

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          AI×外国人労働者の教育

          AIの出現で、語学学習は完全に新しいフェーズに進みました。 先日、GSC(Grasp Secand Chance/セカンドチャンスを掴め)のオリエンテーションを実施しました。家事代行の最終面接で不合格になった候補者の皆さんに、介護や別の職種で日本就労への道を切り拓くプログラムです。 第2回目の今回は、最初からAI機能を搭載した学習アプリ(Monoxer)を使って、彼女たちの自主学習のサポートと進捗管理を行います。 この半年間、日本語学習コンテンツを、四苦八苦しながら作り

          AI×外国人労働者の教育