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外国人労働者から見る「日本」

先月、フィリピンの送り出し機関3社合同で「日本語スピーチコンテスト」を開催しました。日本からスピーチのプロをお招きしてのイベントです。


テーマは「日本の好きなところは何ですか」

事前にお題は与えられていて、各自持ち時間は40秒です。参加者はみな日本就労を目指し、日本語を学んでいる学生さん達です。

彼らのスピーチを聞き、私は何度も感動の涙を流しました。

40秒という限られた時間と、限られた語学力の中から絞り出した言葉は、ストレートに聴衆の心を掴みます。言葉に彼らの想いが乗っているからです。

「日本の好きなところは何ですか」

日本の文化であったり、日本のアニメであったり、フィリピンにはない日本の四季であったりと、各自思い思いの「日本の良さ」を語ってくれました。

カフェに入って、渋谷のスクランブル交差点の人の流れを、上から眺めたいという学生もいました。アニメ「ワンピース」や「はじめの一歩」から人生の教訓を得て、それが日本を目指すモチベーションになっている学生もいました。十人十色です。


渋谷のスクランブル交差点
ワンピース
はじめの一歩

私が涙を流した理由は、彼らの語る「日本愛」が、日本人として嬉しかったからです。

日本語スピーチコンテストは継続しようと思います。その理由は、学生たちにスピーチの機会を与えたいというよりは、むしろ、日本人に彼らのスピーチを聞かせてあげたいからです。

日本を目指す外国人の目からみた「日本の良さ」は、私たち日本人が、いつの間にか忘れてしまったことだったり、当たり前のように享受していることだったりします。

日本の家事代行の最終面接に合格して涙を流す候補者たち。彼女たちはなぜ涙を流すのでしょうか。それは日本に行くチャンスが得られたからです。私たち日本人は、彼女たちのゴールにいるのです。


最終面接会の待合ルーム
合格した候補者たち

その幸運に気づかせてくれた、日本語スピーチコンテストでした。


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