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外国人ヘルパーの解禁間近

深刻なヘルパー不足が引き金になって、ようやく訪問介護の扉が開きそうです。規制緩和も時間の問題だと思っていましたが、「遂に来たか」という感じです。

コロナ禍の2年間は、ヘルパーとして徹底的に現場で修行してきましたので、「外国人労働者」「ヘルパー」を結びつけるイメージは出来上がっています。


ヘルパー修行

というよりも、20代の時は私自身が、アメリカで、「外国人ヘルパー」として働きました。チャイニーズアメリカンのおばあちゃんの在宅介護でした。私は夜勤担当だったので、寝たきりのおばあちゃんの体位交換の合間に、英語の勉強をしていました。

自分が体験したからよくわかるのですが、異国の介護現場で働きながら外国語を学ぶには、それなりに根性が必要です。惰性で過ごして、自然と語学が習得できるほど、英語も日本語も簡単ではありません。


スマホのアプリを使って日本語のテスト受けるフィリピン人ケアワーカー候補者たち

とはいえ、現場で使う言葉だけに限定して学習すれば、語学の壁はクリアー出来ると思います。今はAI翻訳も、ものすごく進化していますからね。

外国人ヘルパーの受け入れにとって、ポイントになるのは、「彼ら・彼女らを稼がせられるかどうか」です。

施設介護の場合は、労働時間が決まっていて給料の変動がほとんどありません。労働時間内で、一生懸命働こうが、手を抜いて働こうが、給料は変わりません。

一方で、訪問介護の場合は、お客さんと1対1の対面勝負になります。しかも、相手の土俵で戦わなくてはなりません。サービスに満足いただけなければ、事業所にクレームが入って、そのヘルパーは出禁になります。

非常に難易度が高い仕事なのですが、介護保険サービスの下では、サービス単価が安く抑えられているため、あまり稼げないのが現実です。(障害福祉サービスは別)。稼ぐためには、切れ目なく、どの現場でも働けるような、スーパーヘルパーにならなくてはなりません。

基本的に、外国人労働者は出稼ぎで日本に来ているので、稼げない仕事には集まらないでしょう。逆に言えば、稼げる仕事であれば、難易度が高かろうが、肉体労働できつい仕事だろうが、頑張ると思います。ライフバランスを考えて、仕事量を調整したりする人は、わざわざ海を渡って日本まで来ないでしょう。スーパーヘルパーを目指す素養はあると思います。

私もアメリカでは、日中はマッサージサロンで指圧をし、夜は在宅介護と、目一杯働いて稼ぎました。別に本国に仕送りをするために稼いでいたわけではないので、全額その後の世界一周旅行の旅費に使いました。

稼ぐことに関して言えば、日本で働く外国人労働者の多くは、家族の期待を背負っていますので、当時の私よりも、もっと真剣で、もっと貪欲です。

なので、外国人ヘルパーが稼げる仕組みを作れるかどうかが、最大のポイントになると思います。語学や日本の文化がどうこう言った話は二の次です。

規制緩和がもう一歩進んで、施設で働いている外国人ケアワーカーが、副業でヘルパーの仕事もできるようになれば良いですね。お金も稼げるし、介護の知見も深まります。施設と在宅の介護は、同じ介護で一括りにされていますが、野球とソフトボール以上の、むしろ野球とサッカーくらい異なります。

両方の介護現場を経験して、初めて日本の介護の全体像が学べます。介護の教育者としては、是非外国人ケアワーカーに両方の現場で働いてほしいです。そして、日本から、「外国人スーパーヘルパー」を、どんどん輩出していきたいです。


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