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AI×外国人労働者の教育

AIの出現で、語学学習は完全に新しいフェーズに進みました。

先日、GSC(Grasp Secand Chance/セカンドチャンスを掴め)のオリエンテーションを実施しました。家事代行の最終面接で不合格になった候補者の皆さんに、介護や別の職種で日本就労への道を切り拓くプログラムです。

第2回目の今回は、最初からAI機能を搭載した学習アプリ(Monoxer)を使って、彼女たちの自主学習のサポートと進捗管理を行います。

この半年間、日本語学習コンテンツを、四苦八苦しながら作り続けてきたおかげで、Monoxerにはかなり詳しくなりました。

記憶定着をウリにしているこのアプリですが、知れば知るほど、その素晴らしい性能を実感します。なるほど、数々の大手予備校や学習塾が、Monoxerを導入している理由がよく分かりました。

なぜ私がここまでMonoxerを絶賛するのかというと、フィリピン人学習者からのフィードバックが良いからだけではありません。私自身もイチ学習者としてMonoxerを使い、効果を実感しているからです。

語学を習得するのは大変です。私はいまだに英語が不十分です。自分の情けない英語力を鑑みると、恥ずかしくて、日本語学習者の彼女たちに「日本語をしっかり勉強しろ!」とは言えなくなります。


Monoxerを使って日本語学習をしている候補者たち
試験もMonoxerを使って実施

だから私も、彼女たちを見習って英語学習に取り組んでいます。ただやみくもに英語を学ぶのではなく、自分の専門分野である、介護に特化した英語です。

例えば、「小規模多機能型居宅介護」「認知症対応型共同生活介護」「要介護認定」「定期巡回・随時対応型訪問介護」などの介護分野の単語があります。これらの複雑な漢字の羅列を、適切な英語に変換できる人が、はたしてどれくらいいるでしょうか?

介護は日本発の概念(といっても過言ではないくらい他国と異なります)です。介護や介護保険にまつわるボキャブラリーは、日本独特の意味合いが込められているため、英語に変換するのが難しいです。したがって、外国人に日本の介護を伝えるためには、単語それ自体を英訳するだけではなく、その単語の意味をきちんと英語で説明する必要があります。私にとっては高いハードルです。

そこで、日本語学習コンテンツ作りのノウハウを活かして、自分用にも「介護の英語」の学習コンテンツを作り、Monoxerを使って学習を始めたのです。自分で使って良いと実感しているからこそ、外国人労働者にも積極的に活用を促しています。

ところで、AIを使った学習はMonoxerだけではありません。Chat GPTの翻訳も、NaturalReaderの音声AIも、語学学習に活用できます。

最近の私の英語学習は、Monoxerを使って英単語を暗記し、日本語で書いた文章をChatGPTで英訳し、それを音声AIを使ってリスニングしています。目的は、日本語使うのと同じように、自分の考えを英語で言えるようになるためです。

思い起こせば、アメリカの語学学校に通っていた時のこと。エッセイの宿題が出され、それを先生に提出すると、先生が英文を添削してカセットテープに吹き込み、それをリスニングするという学習がありました。まさにその一連の学習をAIが全て代替してくれているのです。すごい時代になりました。

さて、私の英語学習は、そのまま外国人労働者の日本語学習に転換できます。こんな便利なツールがあるのだから活用しない手はありません。

外国人労働者の語学学習の目的は、日本で働くことです。勉強するために日本に行くのではないのだから、必要な語学をより効率的に学習する方が良いはずです。

日本語教育は素人ですが、AIを活用してどうやって効率的に語学を習得するのか。私の経験を、日本を目指す外国人労働者の皆さんにも伝えていきたい思います。

自ら学習したい内容を作成し、自分のリズムで学ぶ。AIを活用した教育は、一律の学習方法から脱却し、各個人に合わせたカスタマイズされた教育へと進化を遂げています。


GSCセカンドバッチのオリエンテーション

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