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仕事をする上での当たり前の意識(2)

今回の記事では、前回の記事で書いた「仕事をする上での当たり前の意識」をした上で、じゃあどのように行動すれば良いのか?についての具体例を挙げてみたいと思います。

前回の記事を読んでいない方はこちらから

前回のまとめ

仕事には、直接売上につながる業務と、そうではない間接業務があって、
訪問リハビリでいえば、実際の訪問業務が直接売上につながり、カルテ作成業務などは間接業務に分類されて、
売上となる訪問業務が少ないほど「ゆっくりと仕事が出来て楽だ」と感じ、
カルテ作成業務などを行う時間がたくさんあれば「ゆっくりと仕事が出来て楽だ」と感じ、
そんな間接業務を行う中では「会社の利益になるように意識しているか?」がとても大事で、
それを意識できているスタッフというのは、経営者や管理者からするとすぐに気づくことが出来て、
こういった意識の差で、同じ職場でも働きやすくなったり、働きにくくなったりするのではないでしょうか?
みたいな流れだったかなと思います。

そんな中で、今回は「会社の利益になるよう意識してどう行動すれば良いか?」について、具体例をいくつか出してみたいと思います。
*なるべく沢山の具体例を出そうと思いましたが、すべてを挙げれたわけではなく、それでも非常に長い文章になってしまっています。

具体例①:営業という意識をもって行動する

営業というと、直接売上があがる訪問の依頼をとってくる、ということになりますが、そんなことは大部分の人が答えられる普遍的なものであり、
大事なことは、訪問の依頼がくるためにはどういった要素が重要なのか?、ここをどれくらい深堀りして考えられるかがとても重要だと思います。
視点を変えてみると、依頼元から依頼されやすい事業所になるためには何が重要か?を考えることだと思います。

*少し余談となりますが・・・
同じ法人内でいくつも事業所があって、その法人内で依頼しあう、いわゆるサービスを囲い込んだ形をとるケースも多々あるかと思います。患者さんや利用者さんからすれば、そこと契約すれば同じ法人内のいくつもの事業所が関わってくれるという良い面もあり、営業なんかも現場は特に意識しなくても同じ法人内で顧客をまわせるという状態になり一見メリットにみえます。が、そこが盲点となって、現場のスタッフが営業について全く考えることがなくなる=自分たちの事業所が選ばれるための努力をしない、という傾向が強くなります。全部とは言いませんが、よくあることだと思います。

改めて、訪問の依頼がくるためにはどういった要素が重要なのか?、また依頼元から依頼されやすい事業所になるためには何が重要か?を深堀りしてみると、
・事業所の入り口や玄関やトイレがキレイに保たれている、とか
・書類が見やすく分かりやすく丁寧につくられている、とか
・利用者さんの状態をこまめに連絡してくれる、とか
・スピーディーな報告連絡相談をしてくれる、とか
・身だしなみや挨拶などのマナーがきちんとしている、とか
・外部のカンファレンスには必ず参加する、とか
・専門職としての役割をきちんと明示出来る、とか
・専門職としての知識やスキルを現場で十分発揮して効果が感じられる、とか
考える視点は、自分だったらこんな事業所にお願いしたい、で良いかと思います。
なのでこれはもう挙げだしたらキリがないくらい出てきますが、要はこれらはすべて訪問依頼がきやすくなるような取り組みであり、こういった視点をもって間接業務の事前提案・実施という行動がとれれば、会社の利益になるよう意識して行動出来ていると言えると思います。

つまり、今自分が働いている事業所は本来自分たちでつくり上げるものであって、その結果として生まれた利益に対しては正当に請求していくことが出来る(逆に言うと、それらのやるべきことをしていなければ自分の希望は絶対に通らない、ということ)のではないかと思います。

具体例②:コスト削減という意識をもって行動する

コスト削減というと、節約みたいなイメージになるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。
事業を行う際に何がコスト(費用)になっているか?を考えると、まず1番は「人件費」です。
もうこれは聞いたことがありますよね?
だから人件費を削る、ということでは決してなくて、生産性を上げるという方向性で考えます。
1日8時間労働の中で、これまで100という業務量をこなしてきたけれど、そのスケジュールを改めて見直せば110の業務量をこなすことが出来たとか。
このとき、そのスケジュールの中身をどう見直して何が改善したのか?が大事で、
・移動時間が短縮したから業務量が10増やせた
・記録時間が短縮したから業務量が10増やせた
・作業スキルが向上したから業務量が10増やせた
・勤務日時を柔軟にしたから業務量が10増やせた
などなど、これも挙げだしたらキリがないくらい幾つも出てきます。
これらの前半部分である、○○したから、という部分を叶えるために、今流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れる、という提案をしても良いのではないでしょうか?
(あくまで長期目線で考えられる経営者に対して、ですが)

*ここで少し余談・・・
他の訪問事業所で働くスタッフと話していてよく思うのは、訪問リハビリの1日の件数ノルマみたいなものが多すぎませんか?ということです。つまり、現場のスタッフに訪問業務をやらせすぎだと。余裕のないスケジュールは、スタッフの心の余裕を無くし、それがアクシデントやインシデントにつながる。でさらに余裕が無くなって・・・みたいな悪循環を繰り返している。
だからこそ、人件費を削るでも生産性を上げるでもなく、会社の固定費を見直すことが最優先かなと思います。スタッフ1人のノルマを低くし売上の見込みを下げた上で、それに見合った固定費に変える、というのが必要で、それはもはや経営者がやる仕事かなと思います。
スタッフ目線で言うと、そういった余裕のないスケジュールを強制される=リスクが高すぎる、という認識をもって行動すべきだと思います。

自らのスケジュールを見直し、生産性はこれ以上あがらないという部分は押さえたうえで、
その次は「固定費」や「変動費」を見直します。
訪問に行く際に車を使うのであれば、
・ガソリン代がなるべくかからないようにしよう、とか
・なるべく長く車を使えるように定期点検をしよう、とか
・点検しやすいように車内はなるべくキレイにしておこう、とか
これら以外にも、会社の物品はなるべく大事に使う、という意識はとても重要です。
そもそもこういった物品管理をしていないのであれば、それらを積極的にやる姿勢をみせることでコスト(経費)削減のアピールになる可能性があります。

1つ補足をしておくと、コロナ禍になってオンライン研修とかが増えた結果として、会社の「出張旅費」は大きく削減できているはずです。なんせ移動費や宿泊費がかからないので。これまでたくさん出張に旅費にお金を使っていたような会社は、このコロナ禍でそのお金をどこに使うように変化したか?を考えてみても良いかもしれません。
(まぁコロナで売上が落ちたから余裕なんか無い、と言われるかもしれませんが)

具体例③:サービスの質向上という意識をもって行動する

訪問リハビリはPTなどの専門職が行う業務で、その専門職の知識やスキルを上げれば行われるサービスの質が向上し、その結果としてよりリハビリの効果が出やすくなる、ということもあるかと思います。

リハビリテーション・プログラムはどのようにしてその中身が決められるかは実に様々で、
ガイドラインにまとめられたプログラムをそのまま実施する、という方法もありますが、あくまで個々に異なる利用者さんに対して行われるため、その効果をより追及するためには繰り返しPDCAを回す必要があります。
簡単に言うと、仮説と検証をひたすらに繰り返す、です。

ガイドラインにすら推奨されていない独自のテクニックばかりをやっている人もいれば、
そもそもガイドラインにまとめられたプログラムを盲目的にやっている人もいます。
いずれも足りないのは「検証する」という作業で、理学療法評価の中で言えば効果判定~再評価という部分になります。
この効果判定~再評価という部分は学生時代には習わず、実際に資格をとって働き出してから自ら実践していかなければなりません。

例えば、動作練習をする前に筋肉をほぐすためのマッサージが必要だったとして、
「その筋肉がほぐれるまで10分という時間が必要」
ここで止まっている人は成長もそこで止まります。
・その筋肉がほぐれるまでの時間が短縮できないか?、とか
・自分がマッサージしなくてもその筋肉をほぐすことができないか?、とか
この発想がなければ新たな知識やスキルを勉強しても全く意味がないと思います。

反対に、上記のような発想をもって日々の臨床に向かっていると、必ず自分の中での疑問や課題が生まれて、それらを解消するための研修や講習にも行きつきます。世の中には本当にたくさんの研修や講習がありますが、それらを見て特に何も感じないのであれば、おそらくは現状の自らの知識・スキルに満足しているからでしょう。

さて、間接業務を行う中で「会社の利益になるよう意識してどう行動すれば良いか?」という主題に戻りますが、
サービスの質向上という意識を持つためには、そもそも他人から言われて行動するものではない、ということです。
自らがその臨床活動の中でいかに疑問や課題を感じるように意識しているか?が大事で、上司(他人)から「これを調べて」と指示されたことは表面上をなぞるくらいしか理解も表出も出来ません。
なので、それらを踏まえると、「インプット」<「アウトプット」に寄った業務をしてもらう方が経営者や管理者からすればありがたいということになります。
スタッフ側の視点で言えば、空いた時間に○○について調べたい(インプットしたい)と自然に思わないようであれば、素直に言われた業務を文句を言わずにこなすしかない、ということになります。

さいごに

ここまで色々と取り留めもなく書いてきましたが、実はそんなに難しく考えなくても良いのかもしれません。
スタッフさんが会社のために何か出来ることは無いですか?と自然に思えることが大事で、
さらに言えば、上記のような「利益」になるようなことを一緒に考えてくれたらオッケーということです。

危ないのは、会社には黙ってなるべく楽しようとか、自分だけ楽して得しようとか、
そんなふうに考えてしまうスタッフが多い職場は良くなくて、
・そもそもスタッフが悪いのか、
・はたまた職場の雰囲気が悪いのか、
・根本的に労働環境が悪いのか、
お互いみんなが他人のせいにしないように考え、意識して、行動することかなと思います。

下記の本もめちゃくちゃ良い本だなと思います。
この記事に書いたようなことがもっともっと分かりやすく具体的に書かれています。若い人にぜひ読んでほしいです。

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