バニラスカイ
バニラアイスのように
朝が溶けていった
さっきまで夢を見ていたことなど忘れ
私は真新しい擬態を始める
朝はいつまでも夜明けではない
見かけよりもはやく
壊滅の水位がせり上がる
決壊の穴を塞ぐことができるのは
詩ではない言葉だ
詩は言葉でなくてもいい
人生初めての光景を
見せることができるのなら
頭のなかには知らないことばかり
ぎっしり詰まっている
天然オパールには地球が埋まっている
見つめてみつめて身悶えする
高知県香美郡土佐山田町
南を流れる物部川で
中学生の元ちゃんと
手製の銛で魚を狙っていた
私はほとんど裸だった
涙の海を泳いでいた
浮遊の夢が破裂し
頭が潰れそうになりながら闇をくぐり
光のなかへ放り出され
母から断ち切られ
生れて初めて泣いた時の涙の海を
(突然ですが)
私の『恒河沙』という詩(2024年9月4日noteに投稿)が、
『ココア共和国』10月号の佳作に選ばれました。
Amazonの KIndle版(275円)に掲載されています。
他にもいろんな人の面白い詩や文章が見れます。
『ココア共和国』KIndle版ぜひ一度読んでみてください。
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