「下田の未来は面白い!」下田市議会議員、作家・岡崎大五

下田市議会議員の岡崎大五です。作家でもあります。主宰するFBグループ『食べるぞ!世界の地元メシ』はメンバー数6万人超、月間50万PV。地元下田の話を中心に、日々の暮らしの話を綴っていきます。

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下田最前線第26回「僕が議員になったわけ」

 この前の日曜日4月23日は全国で統一地方選挙が行われた。  僕の住む下田市でも市議会議員選挙であった。  夜9時、開票開始。僕はスタッフ、支援者と共に、地元有線テレビの報道にくぎ付けである。  開票場の体育館では、百票ずつの束が各候補者の名前の前に積み上げられていく。  ドンドン来るはずだ…と思っていた。  ところがである。  全然来ない。  最後に百票積みあがったのが僕だった。  大丈夫か? 「まだ序盤だ!」  後援会長がうめくようにつぶやく。  どうして議員になろうとし

    • 下田最前線㉕いざ、出陣!

       今度の日曜日から、下田でも市議会議員選挙が始まる。  4年前、僕は一人だけ落選し、苦汁を飲んだ。政策は、「下田を世界のリゾートに」。しかしこの政策が、浸透することもなく、同級生やら親戚やらの壁を前にして、人々と強い関係性を持たなかった僕は、敗れたのである。  すると、落選の報が届くや、支援者の一人井田さんが、こういって、一枚の紙を僕の目の前のテーブルに置いた。 「そんなに下田のために働きたいなら、NPO法人を立ち上げるから一緒にやってみないか」  僕はうつろなまま契約書にサ

      • 下田最前線㉔下田のお吉

         下田では、毎年3月27日に『お吉祭り』が開催される。この日が、あの「唐人お吉」の命日なのである。  お吉が身投げした稲生沢川の畔で鯉が放たれ、お吉の墓がある宝福寺では供養祭、そうして下田市文化会館で踊りや音楽、演劇が催されることもあったらしい。  僕が供養祭に出向くと、すでに100人近い人たちが集まっていた(写真)。祭壇には有名俳優や演歌歌手たちのお供えの花が飾られている。  戦前、作家の十一谷義三郎の発表で一躍日の目を浴びた『唐人お吉』は、すでに世界を席巻していた『蝶々夫

        • 下田最前線㉓世界の下田になるのだ!

           山が色づき始めた(我が家からの写真)。山桜が淡いピンクの花を咲かせると、一気に山が目覚めたかのようだ。  赤っぽいのは何の木の芽吹きかわからない。竹は栄養をタケノコに注ぐので黄色っぽくなる。常緑樹のシイノキも、そろそろ新芽が出てきて落葉の季節を迎える。どの木々も、冬の間に蓄えられたエネルギーを放出する季節に向かい始めた。  昨日イベントの打ち合わせがあった。  12時半から始まったのだが、熱い議論が続き、気が付けば3時半になっていた。  旧来からあった一大イベントを、コンセ

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        • 下田の未来は面白い!
          1本

        記事

          下田最前線㉒脱資本主義なのである!

           僕が、南伊豆で農業法人「南伊豆米店(アグリビジネスリーディング)」を営む中村大軌君と出会ったのは、もう15年も前で、彼はめずらしく大卒の新卒で南伊豆の林業会社に就職したのであった。その後、林業だけでなく、田んぼで米作りも始めた。  その大ちゃんと、南伊豆で懇意になったのが、下田で南伊豆ニュービレッジを始めた近藤ナオ君である。  僕は大ちゃんを介して、ナオ君と知り合った。昨秋のことだが、アフリカのタンザニアにいたナオ君から、下田の空き家物件の購入相談を受け、見事に契約が成立し

          下田最前線㉑魚つき林をつくるのだ!

           さる3月5日、南伊豆町内の伊豆ユネスコクラブの山の中で、2,000本の桜とクヌギの植樹を行った。  主催したのは、NPO法人伊豆未来塾である。その理事長が、写真の石川憲一さんである。  石川さんは三十五年以上前に南伊豆に移住し、有機農業を始めた。最初から農業者だったのではなく、自分の子供たちに安全で安心な野菜を食べさせたいと始めたことが、業になったのである。十数年前には有限会社マザーアースクラブを設立し、栽培から販売まで自ら手掛ける。  そんな石川さんが、2002年に設立し

          下田最前線⑳伊豆下田経済新聞配信開始!

           先週、久しぶりに鈴木浩之さんに会った。2年以上ぶりだ。その前に会ったときは、僕が交通事故に遭う直前で、浩之さんは、下田での活動を始めたころである。  浩之さんの叔父さんとは、数年来の付き合いで、元大企業の副社長をなさっていたので、サウジアラビアから王族の専用ジェット機でロンドンに行った話など、世界を股に掛けたビジネスの話をいつも楽しくお聞きした。  彼はまた、下田随一の古民家「雑忠(さいちゅう)」を、鈴木家を代表して管理されていた。鈴木家に伝わる家訓の一つに、「地震が来たら

          下田最前線⑲誕生!南伊豆ニュービレッジ

           近藤ナオ君(写真中央の背の高い男性)と初めて会ったのは、オンラインで、彼がタンザニアにいたときである。  空き家バンク物件の購入相談だった。総面積20,000平米、家だけでなく、山も畑も付いている大型物件である。 「実は、オランダやタンザニアで多拠点居住施設を運営していて、南伊豆でも作ってみたいと。そこに仲間たちと…拡張家族と呼んでいるんですが…1日1ドル以下で暮らす生活を実践したいと思っているんです」  それからとんとん拍子に話は進み、物件を購入、今年から、ナオ君たちの活

          下田最前線⑱僕たちの記念日

           今年も河津桜が咲き始めた(写真)。  全体的にはまだまだこれからといったところだが、咲き始めがより美しい。原木がある河津町では、今年で河津桜祭りも33回目を迎える。約一ヶ月の祭りの期間中、100万人も来遊客が訪れる一大イベントだ。  僕たちがこの早咲き桜を知ったのは、20年前である。たまたま下田東急ホテルの優待券が当選し、それならとバレンタインデーのお祝いにこの地を訪れた。  河津桜は、天城峠を超えて南下すると、ちらほら山の中に見えるようになる。それが河津町まで降りると、数

          下田最前線⑰牢から解放された松陰先生

           下田は観光地だけあって、いくつか博物館や美術館がある。中でも古くからあるのが『下田開国博物館』である。  文字通り下田の開国の歴史が展示されている。江戸時代から続く太鼓祭り、ペリー来航、吉田松陰の密航と逮捕、ロシアのプチャーチンの来航、ハリスの駐在、唐人お吉…。  古いだけあって、博物館も古色蒼然とし、中でも出色だったのが「吉田松陰拘禁の模型」であった。  吉田松陰が下田でペリー艦隊に密航を企てたのが1854年の春先のこと。アメリカ側にすげなく断られ、下田奉行に捕縛された吉

          下田最前線⑯次世代のコミュニティの作り方

           週末、プロギングというイベントあるというので、参加してみた。  プロギングは、スウェーデン発祥でスウェーデン語の「plocka upp(拾う)」と「jogging(走る)」を合わせた造語で、2016年スウェーデン人のアスリート、エリック・アルストロムさんが始めたものだそう。  簡単に言えば、「ジョギングしながらゴミ拾い」。これがSDGsの考え方と一致し、今では世界100か国以上で行われるようになり、日本でも静かなブームが訪れているのだ。  この日、下田では初めての試みで、美

          下田最前線⑯次世代のコミュニティの作り方

          下田最前線⑮ミツバチが世界を救う

           高橋鉄兵君と初めて会ったのは、もうずいぶん前である。下田の山の上のみかんの耕作放棄地に、ミツバチの巣箱を置いて、養蜂家としてスタートしてまだ間もないころだった。  かつて栽培されていたみかんは、木の皮が鹿に食われて枯れ葉て、無残な姿をさらしていた。 「でもここは、ミツバチにとってはいい場所なのです。農薬を大量に使う田んぼから離れていますし、風も強くない、日差しはご覧のとおりです」  燦燦と照る太陽が、あたり一帯に降り注いでいる。遠くに太平洋まで見渡せる絶景のローケーションで

          下田最前線⑭アロエが結んだ縁

           昨日、下田の爪木崎で開催されている水仙まつりに行ってきた。年に一度の恒例行事だ。楽しみは、見事な花とランドスケープ、出店している『ほうえい』のお寿司だ。  その話をSNSにアップしたら、東京の友人がこんなコメントをくれた。 「水仙もだけど、アロエがすごーい!」  雁首をそろえたように真っ赤な花を咲かせているのが、アロエである(写真)。  そういえば、先日もイギリス人親子が空き家バンク相談に来た時に、 「アロエの花を見て、超感動した! ぜひ下田に移住したい!」  という話にな

          下田最前線⑬下田グルメシティー構想

           2023年元旦、日の出を見に行ったのは近所の入田浜。  普通は見に行ったりしないが、今年はメキシカンレストラン『MAREA』(写真)がオープンするというので、駆け付けたのだ。  すると朝7時前から、大勢の人が来ていた。  この場所は、もともと海の家があった場所である。数年前には、僕も区理事として経営に関わっている。  元来が地元の人たちの授産事業で、主婦の皆さんにやってもらっていたのだが、共働きが当たり前のご時世に、担い手の高齢化が進み、続けられなくなっていた。そこで地元で

          下田最前線⑫コーヒー焙煎所ができると、観光地として一流になる…という説

           12月初旬、古くからの友人Kが、バイクを駆って下田に遊びに来てくれた。漁港の店で刺身定食を食べ、町をぶらぶら案内し、下田産レモンスカッシュと焼きガキを食べて、帰った。  Kは学生時代からの旅好きがこうじて、ドイツビール評論家としてはちょっと有名で、また世界中にゴルフ場のカートを販売する仕事をしているので、世界中を飛び回っている。数年前までしばらくは上海駐在で、昨年までは、オランダのアムステルダムに駐在していた。  高校時代までは名門校でサッカーのゴールキーパーをしていたので

          下田最前線⑫コーヒー焙煎所ができると、観光地として一流になる…という説

          下田最前線⑪地域コミュニティが発信力の源泉

           NPO法人伊豆in賀茂6の事務所は、3年半前に設立した当初から、事務所の半分をお店&ギャラリーとして活用してきた。  販売は、ビジネスとして成り立たないので縮小したが、ギャラリーは、画家いけみかなこのギャラリーとして、彼女の水彩画を常設し、また彼女が主宰するスケッチクラブやぬりえサロンで利用している。  ぬりえサロンに参加するのは近所の女性たち10名ほどで、月に一回、いけみが描いた下絵に、色鉛筆で色を塗っていく。  先週は、そのぬりえサロンの発表会で、生徒さんたちの友人たち

          下田最前線⑪地域コミュニティが発信力の源泉