見出し画像

下田最前線⑫コーヒー焙煎所ができると、観光地として一流になる…という説

 12月初旬、古くからの友人Kが、バイクを駆って下田に遊びに来てくれた。漁港の店で刺身定食を食べ、町をぶらぶら案内し、下田産レモンスカッシュと焼きガキを食べて、帰った。
 Kは学生時代からの旅好きがこうじて、ドイツビール評論家としてはちょっと有名で、また世界中にゴルフ場のカートを販売する仕事をしているので、世界中を飛び回っている。数年前までしばらくは上海駐在で、昨年までは、オランダのアムステルダムに駐在していた。
 高校時代までは名門校でサッカーのゴールキーパーをしていたので、背も高く、文字どおり世界を股にかける男になったのであるが、下田の町を歩いているとき、こんな話をしてくれた。
「下田には、まだコーヒー焙煎所がないのですね。フーム……。僕の見立てでは、近頃コーヒーにうるさい旅行者も多く、旅行者が集う一流の観光地には、必ずコーヒー焙煎所が出店するものなんですよね。逆にコーヒー焙煎所ができたら、その町は、世界中のコーヒー好きが集まるようになる。すなわち、一流の観光地として発展するんです」
 世界を股にかけている男の見立てである。
 そうか、コーヒー焙煎所なのか……と思っていたら、Kが来た翌週に、下田でついに、最初のコーヒー焙煎所「目黒グリーン珈琲焙煎所」がオープンしたのであった(写真)。
 さっそくコーヒー通のドイツ人実業家Mと一緒に行ってきた。
 僕はブレンドを、Mはエチオピアを所望した。鼻が利くMはしきりに香りを楽しんでから、味を確かめるように飲む。
「うまいです!間違いないです!」
 客席のすぐ隣では、焙煎機でコーヒー豆がローストされている。店内に豊潤なコーヒーの香りが漂う。
 妻への土産に、僕はグアテマラを購入し、近々入田浜にメキシカン料理の店をオープンさせるMは、注文リストを手にして帰った。
 さて、Kの説はホンモノなのか?
 それが試される今後の下田なのである。
(次回は1月11日掲載です)
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?