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これまでとこれからのイワシとわたし~リニューアルいたします~

2021年の3月から始まったイワシとわたし。
この2年間でたくさんの方々に読んでいただけました。

物語から始まったイワシとわたしですが、このたび、イワシとわたしの物語は5月に公開した「わたしと山猫の物語 vol.3 深く息をする」を以て一度、筆を置くこととなりました。

イワシとわたしのこれまで

イワシとわたしは、書き手の橋口が入社するタイミングで始まりました。
小さい頃から物語を書くのが好きでずっと続けていたことを知った代表の下園が広報として企画したのが、イワシとわたしです。

入社前の3月。本社への挨拶と同時にこの企画が提示されました。

鹿児島の海沿いにある漁師町、阿久根。 そんな場所でイワシビルというお店を開いている下園薩男商店。 このお店に関わる人と、そこでうまれてくる商品をかわいく、おかしく紹介する「イワシとわたし」。

イワシとわたし紹介文

ただ紹介するだけでなく、読んでいる人も楽しくなれるようにという想いをもって始まった物語は、最初は500字ほどの短いお話でした。

今では2,000字ほどの物語をお届けするようになり、なんと最初の4倍です。

物語を書き始めて間もない頃に、地元ラジオのFMさつませんだいに朗読・放送もしてもらうようになりました。
そこで生まれたのが、「イワシとわたしの聴く物語」。
文章では表せない世界が広がりました。

イワシビルだけでなく、2022年9月9日にオープンした山猫瓶詰研究所も加わり、この記事からたくさんの方にご来店いただきました。

物語だけでなく、物語をきっかけに商品に興味を持ってくれた方にも届くように、商品紹介特化の記事も作り始め――。

ひょんなご縁から、イワシビルに泊まる方々を取材させていただくこともありました。

物語を書いていくにつれ、一緒に作り上げてくれるモデルさんを深堀りするようにもなりました。
「今あるコトに一手間加えそれを誇り楽しみ人生を豊かにする」という企業理念から「普段、生活の中で大切にしていることはなんですか?」と大きな質問から始まるインタビュー。「なんだろう…」と最初は考え込むものの、ぽつりぽつりと紡がれる言葉たちは、毎度、学ぶことが多かったです。

こうして、物語から始まったイワシとわたしは皆様のおかげで、たくさんのコトをお届けできるようになりました。

しかし、これまで執筆を担当していた橋口が、一身上の都合により鹿児島を離れ北海道に身を移したことから、物語を書き続けることが難しくなりました。モデルさんや撮影場所とのやり取りを直接肌で触れて物語やインタビュー記事を書くことを大切にしていたからです。

それでも、もっと皆さんに下園薩男商店のことを届けたい。
形は変われど、イワシとわたしとして、下園薩男商店のコト、イワシビルのコト、山猫瓶詰研究所のコト、かかわる人や場所のことを届けることはできないかと考えました。

何か月も考えた結果、イワシとわたしをリニューアルすることにしました。

これからのイワシとわたし

物語やインタビュー記事などを通してイワシビルや山猫瓶詰研究所の商品やそれに関わる人たちについてお届けしていたイワシとわたし。

これからは、もっと根元から。イワシビルや山猫瓶詰研究所を運営している下園薩男商店の取り組みや想い、関わる人たちのことをお届けしていきます。

「ここを見れば下園薩男商店を知れる場所」。
そんなイワシとわたしを目指します。

下園薩男商店は、水産加工業を主としつつも、さまざまな事業を展開しており、お客様が接する面によって、下園薩男商店に持つイメージはさまざまです。同時に、会社そのものを面白がってくれる方や社内の取り組みや考え方に興味を持っていただいていることもイワシとわたしを通して、より感じてきました。
商品だけでなく、より広く、下園薩男商店の取り組みを知ることができるイワシとわたしとして、なぜこの商品を作っているのか?売っているのか?お店を運営しているのか?点だったものが線になるものを増やしていきたいと思っています。

新しく生まれ変わるイワシとわたしもよろしくお願いいたします。

下園薩男商店のあれこれ

より根元から、下園薩男商店の取り組みをお届けしていくということで、今回は、下園薩男商店がどんな取り組みをしているのかご紹介します。

水産加工業

旅する丸干しに使用する頭と尾を切った丸干し

ウルメイワシ丸干しの製造は創業昭和14年から続く下園薩男商店の主軸の事業です。

創業者下園薩男は鹿児島だけでなく、福岡、大阪、築地と販路を広げ、二代目の下園満が品質管理を高め、丸干し屋では珍しい品質管理の世界基準であるHACCPも取得しています。現在では日本全国、海外へも丸干しを販売しており、売り上げの6割は関東エリアが占めています。

地元阿久根は丸干し屋が現在9軒残る日本でも珍しい地域。魚の品質により買い付け価格が十倍近く違うこともあり、漁師の方々も品質のよい魚を獲ってこようとしてくれます。その中でも一番よいとされているのが朝方4時~6時に獲れるウルメイワシで、おなかの中にエサが無く、苦みが少ない美しい丸干しに仕上がります。

企業理念「今あるコトに一手間加えそれを誇り楽しみ人生を豊かにする」

この企業理念を基に、業務用で販売していた丸干しを個包装化し、品質管理を強化してきました。2013年に丸干しをオイル漬けにし、今まで丸干しを食べていなかった方への商品「旅する丸干し」を作る等、その地域の伝統や文化に一手間加え、自分たちも楽しみながら新しい見せ方を心掛けています。

イワシビル

イワシビル店内

イワシビルは、港町である鹿児島県阿久根市にある下園薩男商店の直営店です。1Fショップ・カフェ、2F「旅する丸干し」等自社商品の工場、3Fホステル(簡易宿泊施設)という珍しい形態のビルになります。
カフェの人気はたい焼き。自家製餡子と米粉生地で外はカリッと中はモチッと食感を楽しめます。ショップでは旅する丸干しをはじめとするオリジナル商品や作り手の方々を知っている地元阿久根の特産品・工芸品などを紹介しています。
「時と旅」がコンセプトのホステルのお部屋はまるで隠れ家のような佇まいで、ふらっと立ち寄ってゆっくり休むことができます。

山猫瓶詰研究所

山猫瓶詰研究所の正面入り口

山猫瓶詰研究所は鰹節の生産量日本一の鹿児島県枕崎市の山奥、かつては金山で栄えた閑静な地域にある下園薩男商店の直営店です。
ショップ・カフェ、「季節のピクルス」等自社商品の工房、一日一組限定の宿からなる明治時代の旧郵便局を改修してできたお店になります。
南薩の資源に一手間加え、季節のピクルスをはじめ、米粉とおからのマフィンや米粉とサツマイモのカタラーナなど、心と体が喜ぶ商品を手掛けています。宮沢賢治著の『注文の多い料理店』から着想を得た世界観は、訪れるお客様が時を忘れ、あやしくもゆっくりと過ごせる空間になっています。

ジビエブランド「FORK」

FORKは北薩地方の鹿肉をジャーキーとソーセージ・パテドカンパーニュに加工し展開しています。
鹿児島県の北薩摩地方は、柑橘畑が多い海沿いの地域で、鹿が柑橘の木の葉を食べてしまうことからジビエ猟が盛んです。狩猟した鹿などは30分以内に専門施設で精肉に加工され、良好な鮮度が保たれます。このスピードと柑橘を食べていることから、臭みの少ないジビエになると言われています。
地球温暖化問題の一因として挙げられる畜産ですが、「畜産肉を食べない」という抑制された選択ではなく、より環境への負荷が低いジビエを食べる選択を加える。FORKは地球とのつながりを感じるきっかけを届けるとともに、獣害の減少と環境問題への小さな架け橋になれるよう取り組んでいます。

清涼飲料水OEM事業

イワシビルのクラフトコーラ「パーティータイム」や山猫瓶詰研究所の「チャイシロップ」で培ったノウハウから、ご要望に応じたクラフトコーラやジンジャーエール、チャイ等のシロップの委託製造を行っています。
レシピを支給いただいて製造、あるいは、特徴ある使用食材のみ提供いただき、味を当社で開発する場合、コンセプトやネーミング・デザイン、イベントなども含めて商品の全体的なコンサルタントを予算に応じて幅広く対応しています。

商品開発ワークショップ

海と日本プロジェクトでの商品開発ワークショップの様子

これまでの商品開発のノウハウを、ワークショップに落とし込み、小中学生や高校生・大学生向けに企画・実施しています。企画によって、ワークショップだけでなく、実際にスタッフによって商品化まで行うこともあります。

海と日本プロジェクトの商品開発ワークショップで開発された「ウミグミ」

海外輸出事業

海外輸出強化のため、2022年には日本食品認定機構より水産食品加工施設のHACCP認定を受けました。

2020年から下園薩男商店では自社輸出も行っています。
日本では使われない魚も海外では価値を持つものもあります。日本ではあまりなじみのないボラの卵や身を加工し、台湾やベトナムへ商社を通さず、すべての手続きを自社で行い輸出しています。
海外の和食ブームも鑑みて、製品の品質を高めることに注力しながら、今後も輸出事業の発展に挑みます。


おわりに

下園薩男商店は、ウルメイワシの丸干しの製造・販売を主軸にしているものの、事業は多岐に渡ります。一見、まったく異なるものにも思いますが、どの事業も企業理念である「今あるコトに一手間加えそれを誇り楽しみ人生を豊かにする」をまず捉えているかどうかを常に心に留めながら取り組んでいます。
この取り組みが、社員の人生の豊かさだけでなく、かかわるすべての方の人生が少しでも豊かになることを祈っています。

これからも、新しくなったイワシとわたしをよろしくお願いします。

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オープン社内報

振り返りnote

最後まで読んでくれてありがとうございます! サポートももちろん嬉しいですが、アナタのスキが励みになります♡ これからも、イワシとわたしをよろしくお願いします!