ひらめき天才少女と全力少年の日常④(小説モドキ)

翌日、大学の授業終わりにナツとユウトは、シンという男の子のいる高校へ出掛けた。


事前に、ユウトが連絡を取り合ってくれたおかげで、シンという男の子と近所のファミレスで会うことが出来た。


ナツ『はじめまして、私はナツです。ユウトにあなたが抱えている事件の解決を依頼されました』


ナツは、シンに軽い自己紹介をした。


シン『あなたが、ナツさんですね。ユウトさんから話は聞いています。かなりIQが高く、頭が良いと聞きました』


両者は軽い自己紹介を終えたあと、テーブルのイスに腰を掛けた。

飲み物を店員に注文し終えたあと、ナツからシンに対して本題を切り出した。


ナツ『シンくん、盗難されたものの詳細から教えてくれる?』


そうすると、シンはA4サイズのファイルからある程度の枚数の紙を取り出した。


その内容は、『野球道具管理表』。


ナツがその内容を見渡すと、2週間分の平日朝練と、夕方に練習で使用されたボールや、バットの数などが細かく記されていた。


ユウト『なんだこれ、あまり違いがみられない気がするけど』


すると、ナツはあることに気づいた。


『ここ2週間、金曜から月曜のボールの数やバットの数が大きく減っているわね』


『シン君、土曜から日曜の間、この部室内を出入りできる人っている?』


ナツがシンに問いかけると、すぐに返答した。


『普段、土日は学校に出入りしないのでわかりませんが、休日、部室のカギは学校の職員室で厳重に保管されているはずだと思います。』


『出来るとすれば、先生たちくらいかと』


これを聞いたナツは、すぐに犯人を見つけ出すいくつかの方法を思いついていた。

ナツ『野球道具を盗むとなると、おおまかな理由を考えると、転売目的か、チームや個人の私用などで使うかのどちらか』


『道具の数の減り具合から推測するとおそらく…』


ユウト『なるほど、転売目的の可能性がはるかに高い。こんな数のバットとボール、個人で扱うには、あまりにも多すぎる』


ナツ『月曜から金曜は、細かくチェックされて数に変化はなかったと考えると、休みの日に、部室を出入りするやつが怪しいわ』


『できれば、部室の入口と部室の中に小さな監視カメラを仕掛けたいな』


『ただ、私たちが単純にこれをやると、盗撮で捕まるおそれがあるわ。今度、学校側の先生と話をしましょう』


『シン君、学校側にアポを頼めるかしら?』


ナツがそう聞くと、シンはうなずいた。


『決まりね。よし、解散!』


ナツたちは、飲み物を飲み終えると、ファミレスの外に出た。


シンにお礼を言うと、ナツとユウトは一緒の帰り道を歩いていた。


『こうやって一緒に帰るのは、久々だな。小学生以来かな?』


ユウトの言葉にナツがうなずく。


『確かにそうね。昔は、よくバカやってたのに。まぁ、大人になったってことなのかしら』


そんな軽い会話の途中で、ナツはこう思っていた。


『この事件、最悪なシナリオでならなきゃいいんだけど、まぁ、大丈夫よね…』


ナツは、そう思いつつも、今回の犯人を特定する方法を考えていた。


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