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コメンテーター津良野房美#32

房美と百合絵は午後八時に東京駅に集合した。サンライズ瀬戸の出発時間の二時間以上前だ。

今夜のつまみと酒を東京駅の大きな駅ナカでゆっくりじっくり物色し房美と百合絵はアレもコレもとたんまり買い込んだ。

ホームに上がるとサンライズ瀬戸はすでに入線していた。クリーム色にエンジのラインが入った車体、SUNRISE EXPRESS と書いたロゴマークがある寝台特急電車だ。

「すごーい!カッコいーい!」
百合絵は興奮してる。

「ホントねー!部屋に荷物置いたら先頭で写真とりましょ!」
房美も初めて乗る寝台列車に興奮していた。

4号車の階段を降りたらサンライズツインルームがある。

「うわーッ!広いじゃん!」
部屋はベッドが2つ横並びであり、大きな窓がある。想像していたより広く天井も高くて快適だ。

「今夜はいっぱいお話しましょうね!
お酒もおつまみもいっぱい買ったし!」
百合絵はベッドに座ってピョンピョンしてる。



ガタン!、、

発車のベルが鳴り、サンライズ瀬戸はゆっくり動き出した。

「かーんぱーい!」
房美と百合絵は缶ビールで乾杯した。

ベッドの間にはテーブルがある。買い込んで来た美味しそうなつまみをテーブルいっぱいに並べた。

「この肉美味しいですね!」

「このコンフィもいけるよ!」

食いしん坊の二人はよく食べよく飲む。500mlの缶ビールを二本飲んだ後、缶ハイボールを飲み始めた。しかもアルコール度数の高いやつだ。

二人用の個室なので周りを気にする必要はない。
房美と百合絵の話は尽きない、夜が更けるまでケラケラ笑いながら話した。
度数の高い酒と心地よい列車の揺れでますます酔いも回る。


「房美さん、、、だいすき、Zzzz...」

酔った百合絵はベッドにバタンと倒れていってしまった。


"大分酔っちゃった、、私も寝よう"

房美は部屋の電気を消した。

車窓から夜の景色が見える。

ここはどこらへんだろう、、

ポツリポツリと窓の灯りが通り過ぎて行く、、

あの灯りには人が住んでいるのかな、、

その人には一生会うことないのかな、

そして、、ポンタさん、、、Zzz...


タタン・タタッ・タタッ・タタン、、

線路の継ぎ目が奏でる心地よいリズムが房美を夢の中に連れて行った。


つづく

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