コメンテーター津良野房美#33
窓のカーテンの隙間から差し込む朝の光が眩しい、、
タタン・タタッ・タタッ・タタン、、
"寝台列車に乗ってたんだった..."
"ズキンッ"
昨夜の酒が残って少し頭が痛い。
房美はカーテンをそっと少し開けて外を見て一気に目が覚めた。
眼前に広がる真っ青な海、波の無い静かな水面にポコンポコンと島が幾つも浮かんでいる。
サンライズ瀬戸はちょうど瀬戸大橋を渡っていた。
「これが瀬戸内海かー」
房美は独り言を呟いた。
部屋のカーテンを全開にすると部屋いっぱいに朝の新鮮な光が差し込んだ。
「百合絵ちゃん!百合絵ちゃん!起きてっ!!
瀬戸大橋だよー!!」
隣りのベッドでイビキをかいて寝ている百合絵を叩き起こした。
「アッ、頭いて〜」
百合絵は頭を押さえながらのっそりと体を起こして車窓を見た。
「わぁー!これが瀬戸内海ですかー!
とても美しいですねー!
今日は天気も良くて最高ですね!」
百合絵はボサボサの髪を手で押さえながら眠そうに言った。
「百合絵ちゃんシャワー浴びて来なよ、スッキリするよ」
房美は昨夜の宴会の空き缶をコンビニ袋に片付けながら言った。
「すみません、じゃ、お先に失礼します!」
サンライズ瀬戸にはシャワー室がある。
シャワーを浴びた二人は昨夜の酒もスッキリ抜けた。
列車は瀬戸大橋を渡り四国に入った。高松駅で折り返し、いよいよ善通寺に向かう。
つづく
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